企業家・フィクサー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 05:34 UTC 版)
劉(ラウ) 裏社会にも名の通った華僑の大物。自分のマンションで1000万単位の現金を動かす超々高レートの卓を立てている。同卓しては振らずあがらずの見物麻雀を行うが、その真意は弱者が破滅する瞬間を見届けたいためと、傀と遊んでもらうには、破滅させる相手ではなく対等に勝負を挑む実力者がいるべきだと知らなかったため。本気になった時の戦法として、罠を掛ける戦いを得意とする。江崎を一度は破滅させ、密入国船に送りこんだ人物。実力は未知数だが、少なくとも乾よりは圧倒的に上手。 役に立つものは誰であろうと自分の周りに置くが役に立たないと判断すれば容赦なく切り捨てる冷酷さも持つ。 日本のヤクザなど裏社会にも顔が利き影響力を持ち、商売相手や部下は人種や生まれで差別などはしない為か台湾マフィアからも畏敬されている。 乾(いぬい) 証券会社を経営する社長。劉の主催する高レート卓のメンバー。第4巻で初登場した時には劉と同様の見物麻雀を行い、「自分は銭金や勝負には退屈している」と述べて江崎の破滅を楽しんでいた。しかし第11巻で再登場したときには会社の金を使い込んで勝ちを狙い、一転して江崎と傀の勝負から漁夫の利をせしめようと参戦し、逆に他の参加者達から破滅に追い込まれた。初期の江崎よりも腕は上のようで決してヘボではないが、復活後の江崎や劉、傀といった面々と比較するとさすがに見劣りするようである。 鉢黒 剛毅(はちぐろ ごうき) 防衛産業に食い込む商社のトップにして、「保守党の裏番頭」と呼ばれる右翼の大物。巫藍子は馴染みの芸者に産ませた彼の私生児。血を分けた子に自分の後を継がせたいと巫を庇護下に置いてきたが、自由を望む巫と傀・安永を交えて麻雀勝負を行ったもののどちらにも敗北を喫した。打ち手としては大物らしい強運を武器としている。及川とも知己。 死ぬ前に巫を後継者に指名している。 小暮 幸男(こぐれ ゆきお) 米穀商。高利の闇金融に手を出してしまい、なけなしの現金を持って高レートで一発逆転を図るも傀に遭遇して無残に刈られてしまい、金融屋にウルトラCでツメられてしまった不遇な登場人物第1号。作中に描かれた限りでは特に悪人というわけでも闘牌が強いわけでもないのに、傀と同卓したばかりに全てを失った(もっとも、手の縮んだ闘牌でツキを逃していた上、同卓には質の悪い雀ゴロもいたのでたとえ傀がいなくとも大金を稼いで一発逆転が出来たかは疑問ではある)。なけなしの全財産を失った後も傀に無心するなど生き延びようと必死にあがいたが、死に金は回せないとあっさり断られた。 佐野(さの) 町工場の社長。かつては麻雀で食っていた凄腕の雀ゴロだったようだが、所帯を持って守るべき家庭を作ったことで勝負運を失った。にもかかわらず社長として工場のために尽力するでもなく麻雀で金策をするという発想しか出来ずに高レートに足を運んで負けが込み、無尽やトイチ、手形などで金策をしなければならないほど追い詰められていた。最後は傀に遭遇してとどめの大敗を喫し、自殺して自分の死亡保険金で手形の代金を返済することとなった。 結局、彼があれこれと走り回って金策したものの、結果的にできたのは手形を落とす事ができただけで工場を上向かせるほどの金は何も工面できないままこの世を去ったが、社長の座が妻に渡ることで工場は信用と活気を取り戻すという、彼がいなくなったこと自体の方が意味があったという皮肉な結果になった。 吉井 陶幻(よしい とうげん) 鄙びた海辺の町の実力者。元は漁師で現在は陶幻窯という窯元を営む陶芸家。一族は皆地域の要職に就いており、事実上の支配者でもある。高レート麻雀の胴元でもあり、欲に駆られた参加者たちが、自縄自縛に陥る様を蛸壺に嵌る蛸と評しながら傍観するのを慰みとしている。 ヤクザ者が大嫌いで山下達を内心軽んじていたが、闘牌途中で塚田に逃亡され、同時に土地の境界線に温泉が湧き出たことから負け越したまま中断してしまった。山下が去り際に「利権が絡めばヤクザより民間人の方がタチが悪い」と指摘され、事実多くの訴訟を起こされ不本意な日々を送ることになった。 後に塚田の弔い合戦に挑もうとする住之江紀子に面白半分ながら、傀の情報を教え、また彼女がなぜ闘ったのかその真意を悟り、嘆息している。 ルイス・ゴンザレス カリブの小国、ミゲル・アンヘル共和国の日本駐在大使。本国であるミゲル・アンヘル共和国は内戦が続いており、本国に召還されないための賄賂用資金を得るため、治外法権である大使館の中で独自ルールを採用した高レートの麻雀『天使(アンヘル)の麻雀』を開催している。また、それらの危険に接触しないために大使館から一歩も出る事がなく、大使館内であっても『天使の麻雀』を開催する時以外は常に腹心と共にいる。 本国で軍部のクーデターが計画されていた日にゴンザレスの身柄を確保する事をクーデター新政府が目論んだが、クーデター決行の時刻である共和国時間の午後2時=日本時間で朝4時の時点でゴンザレスの周囲を新政府側の人間だけにするには『天使の麻雀』をそれまで引き延ばす以外に無いため、アメリカ経由で新政府に協力する日本政府から工作員としてSPが、及川から傀が送り込まれる。ゴンザレスは自身が発案した特殊ルールへの習熟度のアドバンテージと、大使である事からくる豊富な資金で余裕を持った勝負を続けていたが、傀の巧みな誘導により桶山をパンクさせて勝負を終わらせるチャンスを逃し続け、傀に大敗を喫した上に朝4時まで麻雀を続けてしまい、クーデター首謀者が信じていた身内と知り裏切られた絶望を受けつつ身柄を確保され明日をも知れない本国に送還された。 桶山(おけやま) 三陵物産の営業課平社員。営業成績は最低、先方からのクレーム多数という絵に描いたようなダメ社員。時たま「ボケ山」というアダ名で呼ばれる事もある。仕事はできないが麻雀の腕は素人にしてはそこそこあるようで、社内の麻雀大会で賞を取った経緯と、身寄りのない天涯孤独の身であることから、『天使の麻雀』へ社代表として赴く役を任される。 素人にしては打てるとは言え、傀やSP、ルールの考案者であるゴンザレスに比べたら麻雀の腕は劣るようで早々にパンクしてしまいそうになるが、朝4時まで麻雀を引き延ばす目的があった傀およびSPの援護射撃を受けて何とかしのぎ続け、いくばくかの金を残したまま『天使の麻雀』を終わって大使館を出る。 その後の顛末は語られていないが、そもそもがそれまで防衛庁への納入業を独占していた四菱商事と鉢黒洋行が三陵物産に声をかけたのは、ミゲル・アンヘル共和国大使館を利用して談合を行っていた疑惑を逃れるために三陵物産に参入を許す代わりに談合に関する査察を一通り引き受けて責任を取らせるためであり、三陵物産はその条件を呑んだため、引責の一環でクビにされた可能性がある。 イッシィイン 某国の継承権11位の王子。日本に留学して遊び三昧の放蕩王子、博打が好きで潤沢な資金で毎日遊びあるいている才能はあるようでそれなりの実力も持つ。 立ち寄った雀荘で傀と出会い勝負するが大負けし再戦しようとした所で国王はじめ継承権10位までの王族が事故で死亡したニュースが流れ打ち切りを余儀なくされる、傀狙いは王子が疑われない様に雀荘で麻雀をしていたというアリバイ作りの為の引き付けだったと思われる。 自分が政争の具にされる事を嫌いあえて堕落した生活を送っていたが王位継承が決まった事で吹っ切れた
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