ダムピール
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ブリジット・アーヴィング・フロストハート 年齢:1200歳前後(実年齢)、20代前半(外見) ダムピールコミュニティの指導者。かつてはストラウスの下で、150歳の若さで夜の国の大将軍として活躍していたため、一般には知られていない当時の国の実状をいくつも知っている。封印の十字架を壊すストラウスを止めるため、また「人化の術」という術法で全てのダムピールを人間にするために、ブラックスワンやダムピールの精鋭と協力しながら彼の命を狙っていたが、現在は宇宙からの侵略者に対抗するために休戦中である(「人化の術」はそれらしく見せたハッタリであったことが後に判明)。彼女の育てた情報部員達は世界で5人も見られない情報すらも簡単に調べ出すほどの実力を有する。主に自身は索敵や結界などでサポートに回るが、戦闘においては細身の長剣を使用する。ストラウスに師事したため、その剣の腕も蓮火に次ぐほどのもの。 その素性はアーデルハイトの異母姉であり、時の夜の国国王とダムピールの側室との間に生まれた王家の姫君。才に溢れており、かつ国王に純血ヴァンパイアの子供が生まれなかったために、ダムピールながらに女王を許されるのではと、大事に育てられていた。しかし10歳の時、アーデルハイトが生まれ、余計な跡目争いを避けるために王家を追放、ストラウスに預けられることになり、それ以後王家には彼女はいないものとされることになった。それからはストラウスの「娘」として育てられて夜の国が滅びるまでずっと共に在り続けた。彼女の実力は、わずか10歳でかなり上位の存在と思われる元老級ヴァンパイアでさえ上手くいけば倒せるとストラウスが認めたほど。ストラウスはブリジットを「私の小さな娘(リトルレディ)」と呼んで可愛がり、彼女の溢れる才はストラウスの指導によって大きく開花した。 ずっと一緒にいたストラウスには父親以上の感情を抱いており、命を狙うようになってからもその感情は変わっていない。しかし、復活したアーデルハイトの口から伝えられた真実とメリル森島が気づいたストラウスの真意を聞いて、再びストラウスを慕うようになった。彼の前で見せる素顔はまるで年端もいかぬ子供のようで、普段見せている顔とのギャップが激しいツンデレ。森島がいるにもかかわらず、うさぎさんりんごをむいてストラウスに食べさせてやっていたほど。最終決戦の前にストラウスを吸血し、本当の娘になってストラウスとの別れを果たした。ストラウス曰く「この一万年の向こうにも、お前ほどの娘は生まれない」とのこと。 アーデルハイトのことは、実親に捨てられた原因であることから一時は恨んでいたものの、ストラウスにより満たされたため、1ヶ月ほどで恨む感情はなくなり、100年ほどの後、姉妹ということを知った彼女との関係は極めて良好。「たった1人の姉」だと慕われ、「可愛い妹」だとかわいがっていた。アーデルハイトがステラ殺害の犯人だと思っていた頃は、憎しみから剣を振り上げたこともあったが、真犯人が判明してからは親しい姉妹関係へ戻り、月へ向かう彼女との最期の一時を過ごした。 ストラウスが隠し通してきた真実が全て明るみに出た後は、後々の人間・ダムピールの共存が難しくなったために、ストラウスが発案したダムピール月面移住計画「最後の羽」計画のリーダーとして活動する。 なお、彼女のフルネームについては単行本2巻で「フロスハート」とGM御前から呼ばれ、単行本3巻で電話越しではあったが「フロストハート」と自身で名乗っているため、暫定的に本項では「フロストハート」を採用している。また、最終巻の巻末に収録されている書き下ろし漫画では「フロストハート」と明記されている。 刃蓮火(じん れんか) 年齢:800歳程度 ブリジット配下のダムピールの中でも一番の剣の使い手で、剣速だけならストラウスをも上回る。第49代ブラックスワンの小松原ユキとはいい仲だったが、ストラウスに彼女を殺されてからは彼への復讐に生きるようになった。小松原ユキの遺品であるライターを常に持ち歩く。 武器に、好んでか日本刀の霊剣をよく使う。また、必殺武器として二刀の霊剣「孤龍」「金妖」も振るい、これらを縦横無尽に飛ばすことを得意とする。しかし、ストラウスの提案による一対一の勝負の果てに手持ちの愛剣は全て砕かれ、現在はブリジットから譲り受けた霊刀「鳴月」が唯一の武器。加えてストラウスによって身体を数十箇所刻まれ、現在では一時的に魔力も霊力もロクに練れない状態に陥っている。 真実を知った後は過去を振り切ろうとする想いが強くなったようで、その決意として、ストラウスとの対決に迷いを見せる花雪に対して、自身の霊剣を与えて決意を促す。 鉄扇寺風伯(てっせんじ ふうはく) 年齢:600歳程度 ブリジット配下のダムピール。全身日本甲冑に身を包んでおり、さらに仮面を常に付けているのでその素顔は不明。武器は槍や刃のついた円盤、ほかに弓矢も扱う。道楽でラーメン屋台をやっており、その味は通好みの店としてガイドブックに三ツ星味で載っているほど。ガイドブックには「味は文句無し、しかし店主に注意」といったことが書かれていた。「最後の羽」作戦の際、皆のためにラーメンの差し入れをする一面もあった。 エセルとともに真実を知ることとなった数少ないダムピールであり、ストラウスから「娘をよろしく頼む」と任されている。 エセルバート高橋(エセルバート たかはし) 年齢:200歳程度(実年齢)、10代半ば(外見) ブリジット配下のダムピール。ブリジット側近のダムピール達の中で一番若く、その分彼女を良く信頼している。愛称は「エセル」。女子供に弱く、殺せない性格。また、誰かを犠牲に敵を倒すことにはためらいを持つようである。使用する武器は、どんな狭い場所であっても振り回すことが可能な大鎌「レディ・ビアンカの鎌」。 ブリジットの補佐役として、事務的な仕事をこなすことが多い。レティシア同様にヴァンパイアの血が薄く、日中の活動をあまり苦としない。平時は学生らしく、制服らしき服を着ていることが多い。ただ、ストラウスとの戦いと両立はできていないようで、学校の成績はあまり良くないようである(単行本4巻巻末絵参照)。 レティシア 年齢:68歳(実年齢)、10代前半(外見) ダムピールの少女。ブリジット同様、ストラウスに育てられた「娘」。長い尾がはえており、ブリジット達には「山猫」と呼ばれることもある。また大の猫好きなのか、リュックなどにも猫があしらわれている。母親がダムピールであり、住んでいた村に自分達の素性がバレた際に母親は自らを犠牲にして娘を逃がした。小松原ユキが討ち取られる少し前、18歳の時に初めてストラウスと出会い、その後色々あって現在は彼と行動を共にしている。使用武器はサブマシンガン・手榴弾・狙撃銃といった現代火器で、ストラウス自身が弾に魔力を込めているらしく、狙撃銃に関しては威力は抜群。また、精密射撃の腕についてもかなりのもので、700メートル以上の距離からストラウスと密着していた蓮火の手だけを正確に撃ち抜いた実績がある。戦闘技術はストラウスの教授によるもので、その練度は高い。反面、ダムピール達の必須技能とも思える空中飛行はかなり苦手。また、二カ国語とハイスクールで習うところまでの教養も教わったはずが、あまり身についていない。 ストラウスへの信頼は厚く、ブリジットにストラウスの目的が復讐だと聞かされても動じなかった。その発言自体は否定せず「ブリジットの真実」だと受け入れた上で、彼女自身は「ストラウスについていくのが、私の真実」だと宣言。ストラウス自身に裏切る日がくるかもしれないと告げられても、揺るがなかった。全ての真実が明かされた後、もう一緒にいられないことを悟り、「自慢の娘と言えるようになる」と約束し、父娘の別れをした。 ストラウスの子 ストラウスが人間の少女ステラとの間につくった子。1000年以上前、臨月に入ったとき、母ともども殺されており、この世に生まれ出でてくることはなかった。しかし、その魂はブラックスワンの材料として使われており、1000年の間、ステラとともにブラックスワンの奥深くに存在し続けている。 ステラの魂は子の魂を安定させるための存在であるため、実際に力をふるっているのはヴァンパイアの血を受け継ぐストラウスの子のみであり、ブラックスワンが(制約があった状態にせよ)最終的にストラウスを超えたことから、潜在力は父親を上回っていたものと思われる。生まれてこられなかったためか、名前はつけられていない。 ブラックスワンの中で意識はあるものの、成長はしておらず、見た目・精神ともに赤ん坊のままである。また、肉体を完全に引き裂かれていたため、ブリジットも知らなかったが、性別は女の子。そのため、ブラックスワンは50代目まで女性しか存在せず、相性の問題から性格や容姿も近しい者が選ばれていた。ストラウス曰く、「無事に生まれていたら、49代目の小松原ユキのようだったかも」とのこと。
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ダムピール
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かつて、夜の国でヴァンパイアと共に主軸を占めていた種族。ヴァンパイアと人間のハーフであるが、交配は進んでおり、その比はさまざま。ヴァンパイアとは違い、陽光によって滅せられるということは無いが、濃度によっては日中かなりの力が削がれる。やはり、長命を誇るが、成熟にかかる時間は純血から遠ざかるにつれ増加し、かなり薄いというレティシアに到っては200年以上かかる。
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