クレイオン共和国
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「ゼロから始める魔法の書」の記事における「クレイオン共和国」の解説
フェーリア 声 - 高橋李依 聖都アクディオスの聖女と目される女性。愛称はリア。薄緋色の髪を三つ編みに垂らした巨乳の美女。超常的な力で人々の病を治療する「神の奇跡」を行い、聖女と呼ばれ祀り上げられている。ただし、教会から認定は受けていないので正確には聖女ではない。 前もって忠告を受けていても小さな障害物をよけられないなど極端に鈍く、そんな自分でも誰かの役に立ちたいという願いから、「奇跡」を行い人々の治療を行っていた。しかしそれは実際には“犠牲印〈サクリシグス〉”と呼ばれる魔法で、傷や病を特定の印を体に刻んだ人間に分散させるというものだった。当人は魔法だということは知らずに善意でそれを使い続けているが、治療される側と症状を引き受ける側の人数が逆転することによって、逆に金銭と引き換えに犠牲印を刻んでしまった貧しい人々が苦しむという結果になっていた。 獣堕ちの幼馴染がいるため、同じく獣堕ちの傭兵に対しても偏見を持たずに接する。またその極端な鈍さから傭兵にあれこれと世話を焼かれ、結果ゼロの嫉妬心が煽られることとなる。 人を疑うことに慣れていないため、聖都を提供した親しい茶飲み友達が実は悪名高き奴隷商人であることさえ知らない。また聖都の実態がリアを称賛しなければ生きていけない恐怖政治になってしまっていることにも気づいておらず、リアが「奇跡」を行うほどリアに患者を紹介できる者だけが聖都で権力を握れるという悪循環に陥っている。 リアに刻まれていたサナレによる犠牲印や守護印はゼロによって消滅したが、大怪我をしたカルを救おうとして悪魔ではなく神の力を借りて発動してしまった治癒の代償により視力を失い歩けない体となってしまっている。(ゼロの見立てでは正しい意味での代償であれば目玉や足そのものを奪われているはずなので、あくまで一時的な喪失に過ぎないという可能性も考慮している。) サナレの助言もあり聖女としてふるまうため言葉遣いは敬語が多いが、本来の性格は無邪気で非常に我儘な言動も多い。自分の治癒が奇跡ではなく魔法だと指摘された際は取り乱し、説得を試みたゼロや傭兵をひたすら非難することで心を保とうとした。視力を失い自力で歩けない体となった当初は周囲とも投げやりに接しており、かつてカルが語った孤児院時代のリアがそのまま成長した姿となっていた。 アクディオスでの騒動の後は自身の「奇跡」が引き起こしていた真実を知り死を望むまでになるも、ゼロや神父からの叱咤を受け、聖女として生きてその償いをする決意を固め、ゼロより守護の章の写本を託された。正式に聖女に認定されたことで自分が課された責任もようやく自覚し、自分の一挙一動でアクディオスの命運が大きく揺れることも理解した。カルが一通りの文字も読めるため補佐に就いており、世間でも珍しい聖女と獣堕ちの補佐という組み合わせとなってる。 カル 声 - 中島ヨシキ アクディオス近くのロータス砦を根城にする盗賊団の首領。鷹の獣堕ちであり、腕よりも長い大きな翼を持つ。その見た目通り鳥のように空を自由に飛ぶ能力を持つが、代わりに夜目が利かない、骨が軽い分脆いなど、鳥と同じ弱点も持っている。このため傭兵稼業をしていた頃は斥候や伝令、輸送運搬などを専門業務とする傭兵として生計を立てていた。鳥の獣堕ちは希少であり、白兵戦は不利でも上空から武器を落とすだけでも非常に脅威であるため傭兵時代にはそれなりに重宝されていたらしい。 リアと同じ孤児院の出身で、独り立ちするときに交わした将来リアを迎えに行くという約束を果たせず、聖女として魔法を乱用し知らないとはいえ多くの人々を苦しめるリアをどうにかしようと、盗賊の首領として機をうかがう。リアと再会して真実を告げ説得したいとは考えているが、リアの性格やリアによる被害者の現状も知っているため場合によってはリアの命を自らの手で奪い約束を果たせなかった自分の責任をとることも覚悟していた。 リアが純真無垢であることは理解しているが考えなしで行動し周囲に迷惑をかける性格も把握している。孤児院時代の暑い日、リアが蟻に涼しさを与えるため蟻の巣を水浸しにし、蟻が濁流で苦しんでいるのを冷水を与えられて喜んでいるのだと勘違いしていたことも覚えており、当時の発想のままで成長してしまったリアの現状を嘆いている。 アクディオスが炎上する中でリアと再会し、炎で翼を失うことも承知で炎の中からリアを救い出す。翼を失って墜落した際に衝撃からリアを庇ったことで致命傷を負ってしまうが、カルを助けるためリアが治癒魔法を無理やり発動したことで翼も元通りになり全快した。リアが悪魔ではなく神とつながって発動した治癒魔法が原因でリアが視力を失い自力で歩けない体になってしまったことには驚きを隠せなかったが、騒動の終結後は聖女として生きると決めたリアを支えるために盗賊団を去る決意を固めた。リアと和解したでリアを憎んでいた仲間から責められ半ば追い出される形で盗賊団を去る形になったらしく、自分を信じてくれていた仲間たちに上手く説明できなかったことを反省している。 一応文字も読めるため、視力を失い自分では歩けない状態にあるリアの回復を待ちつつ勉学に励むことを当面の課題としている。聖女と獣堕ちの補佐という組み合わせが世間的に珍しいことも理解しており、獣堕ちの置かれた現状の改善につながってほしいとも感じている。 ティーオ 声 - 加藤英美里 聖女を狙う盗賊団に所属する少年。愛称はテオ。リアを誘拐する作戦の一環で奪った馬車を暴走させてしまい、食堂に突っ込みケガをしたところをゼロと傭兵に救われ、以後行動を共にする。アクディオスに到着してからはリアの小間使いとして働くようになる。 両親は既に他界しており、その死の遠因となった聖女を憎み、復讐心を燃やす。父の形見であるナイフを肌身離さず持ち歩き、それを正しく使える強い大人になるようにという父の言葉を守りたいと思っており、獣堕ちとして大きな力を持つ傭兵に憧れを寄せる。またそれまで接した大人と異なり、自分を一人の人間として扱ってくれたゼロや傭兵と心を通わせ、復讐を諦めて共に旅をしたいとまで思うようになるが、その二人が濡れ衣によりアクディオスから追われ命を失ったかに見えた時、再び復讐心を燃え上がらせる。その復讐心のままにリアを襲い、その腹にナイフを突き刺すも、犠牲印の魔法により傷が自分に移り、駆け付けた傭兵の腕の中で息絶えた。 傷そのものはゼロの魔法ですぐに完治したものの、子供であるが故の出血量の多さには耐えらず魔法も万能ではないことを傭兵に改めて認識させる形となった。その後はサナレによって死体の姿で操られリアやゼロを襲撃させられるも傭兵たちの活躍で解放され丁重に葬られている。 テオの死は傭兵に大きな衝撃を与え、それまで傍観者のつもりでいた傭兵が自らの意志で魔法書を探す決意を抱くきっかけとなった。その後テオのナイフは傭兵が形見として所持している。 トーレス・ナダ・ガディオ 港町イデアベルナの領主。髭を蓄えた大男で、表向きは聖女に対して好意的に接するが、その実は聖女反対派として、カルの盗賊団に秘密裏に協力していた。リアの奇跡が話題になった当初は支持派だったが、奇跡に頼り医者を排斥しかねない危険性に気付き反対派となっている。 女癖の悪さを笑われつつも民からの評判は総じて良好であり、誉め言葉しか許されない恐怖政治とは無縁となっている。このため長年の傭兵稼業から領主を見抜くことに長けている傭兵からも個人的な感情を除いた客観的な評価は高く、人々が長所も短所も理解したうえで受け入れている優秀な領主と判断されている。 臨機応変な判断力に長けており、ゼロに演技であるという了承を経つつ傭兵をロータス砦を根城にする盗賊団の首領と偽って逮捕、大衆にほぼ姿を晒さないままその場で即刻処刑(という茶番)を宣言し海中に傭兵を投げ捨てることでロータス砦を根城にする盗賊団は社会的に葬られたという事実を浸透させカルの立場を救った。その後は傭兵へ謝罪し思いっきり殴られる形で傭兵の怒りを解消し、協力関係の維持につなげた。隠し通路の把握を含め優秀さへの評価はゼロも傭兵も変わっておらず、アクディオスでの騒動が解決した後に生じた物資不足すらも利用して名声を高めた腕前には苦笑されていた。 リアについては「パン一切れを飢えた群衆に投げ入れて人助けをした気になっている」と評し統治者の資質が皆無であることを指摘していた。リアの美しさや優しさは認めつつも、大衆から無制限かつ全面的に肯定されていることで不都合なことが見えなくなっている愚か者と酷評している。 ティト ゼロと傭兵がイデアベルナへの道中に出会った獣医。食堂でテオの馬車にはねられた傭兵の手当てをする。聖女の出現により稼ぎが減ったため仲間とともに国外に移住しようとしていたが、テオの直談判により考えを改め、盗賊の根城のロータス砦で傷病者の治療に当たる。
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ゼロと傭兵が旅する大陸の海路の中心にある共和国。いくつもの王国が一つに合体し共和国となった経緯をもつ。
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