イフの城
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 07:19 UTC 版)
「ジャバウォッキー (漫画)」の記事における「イフの城」の解説
シャトー・ディフに由来する秘密結社。モンテ・クリスト伯三世をトップに置く。 世界の平和を守る、「明日を救う」ために活動する組織で、人間の他に多くの恐竜が参加している。 リリー・アプリコット 主人公の1人で、ヒロイン。 元英国情報部のスパイで、現在はイフの城のエージェント。 父親が英国を裏切り、母も自殺。その後英国情報部に拾われてスパイとなったが、父の汚名を被せられて、都合のいい暗殺人形として使われていた。 クールな性格で、ややとげとげしいところもあるが、芯に熱いものを持っている点ではサバタと共通する。意外に嫉妬深く、女性にいい顔をしたがるサバタにむくれた態度をとることも多い。少々物知らずなところもあり、「地上から砲弾で彗星を狙撃する」というジュール・ヴェルヌの小説のような計画も真顔で信じ込んだ。 イフの城に入った当初はスパイだった頃の因習を引きずっていたが、サバタと共に任務を達成していく中で変化が見られるようになった。 無類の大酒飲みで、任務中でも酒瓶に口をつけて大量に飲んでいる。英国情報部時代は重責から酒に逃げ、吐くために飲んでいたが、現在は単純な趣味で飲酒を楽しんでいるようである。 サバタに対して恋愛感情はあるが、態度に出すことはあまりなく、サバタのラブコール(軽口)も大抵は「ウザイ」と一蹴している。 因みに彼女はイギリスでは既に死亡したことになっており、墓も存在する(他のイフの城のメンバーも書類上では死亡扱いである事が多い)。彼女の墓の近くには、「捜査とコカインをこよなく愛した探偵」の墓もある。作中では彼がライヘンバッハの滝の後に、姿を消す際イフの城の力を借りたという設定になっている。 武器は主に酒瓶等に隠した暗器を用いる。相棒のサバタが拳銃使いであり、また本人の嗜好もあって拳銃はあまり使わない。よく使用しているのはナイフだが、それ以外にも折り畳み式の鎚や斧、下着状の反応装甲の様な爆弾など、ユニークな物も多い。移動用の馬車にはこの暗器入り酒瓶が大量に収まった「酒蔵」が設置されている。また、腰に鉤付きのロープを付けており、壁を登るなどの移動補助以外にも、先にナイフを取り付けての中距離戦にも用いている。 名前の由来はアイドル杏さゆりを英訳したもの。 サバタ・ヴァンクリフ 主人公の1人。 オヴィラプトルの氏族の生き残り。イフの城のエージェント。リリーの相棒。 オヴィラプトル=卵泥棒という汚名を着せられ、迫害を受けてきた。親と妹はジャンゴによって殺される。サバタ自身もジャンゴに撃たれて右手を失うが、その際にジャンゴの左目を抉った。以来、互いに強烈な敵対心を持っている。 性格はクールを装っているが、実際は熱血漢。熱くなりやすく、特にリリーのこととなるとすぐ頭に血が昇る。その性格から失敗することもしばしば。また女性に弱い。 リリーに懸想しており、ことあるごとに熱烈なラブコールを送るが、大抵は軽口として受け流されている。ただ、相棒としても異性としてもその絆は深い。 恐竜の存在は表社会では秘密とされているため、人の多い場所では大抵変装している。初登場時は人間の被り物をしていたが、それ以降はつけ鼻・つけ髭と、頭のトサカを隠すための帽子を被っていることが多い。(帽子は頭のトサカを隠し、オヴィラプトルであることを隠すという目的もある) 武器はコルトM1851ネイビー。銃身は短い。コートの下に大量に隠しており、これをほぼ使い捨てで使用する。銃身の下部(ローディング・レバー部分)に折りたたみ式の銃剣を装着したモデルや、遠距離射撃用の長大な換えの銃身も存在する。 右手はジャンゴに撃たれて失ったため、現在は義手。ブースロイドの作ったもので、サバタ曰く13の革新的技術が盛りこんであるとの事。だが作中登場したのは射撃用の隠し腕(腕の左右に計2本付いている)と、手首部に内蔵された電動ノコギリのみである。 名前の由来は俳優のリー・ヴァン・クリーフと、彼が演じた西部悪人伝のサバタから。 ブースロイド イフの城のエージェント。発明家。 様々な発明の他、サバタ、リリーの乗る馬車の御者を勤めるなど、主に2人のサポート役を務めることが多い。また少々暴走しがちな2人の歯止め役でもある。サバタの義手は彼の発明で、13の革新的技術が使われているという。 名前の由来は小説『ジェームズ・ボンド』シリーズでイアン・フレミングに助言し、後に作中にも登場した「ジェフリー・ブースロイド」。 モンテ・クリスト伯三世 イフの城のトップ。岩窟王モンテ・クリスト伯の子孫である。 気のいい中年といった風の男性で、自ら道楽貴族と名乗る。が、その道楽の中身は「世界の平和を守る」こと。 非常に切れ者で、組織のトップとしての貫禄も備えている。 偉人好きで、護衛任務のついでにシュリーマンのサインをもらってくるようサバタ達に頼んだり、エジソンとのツーショット写真をパネルにして飾ろうと言い出すなど相当なものがある。 D・H(ドラゴン・ホース) イフの城のエージェント。その正体は「坂本龍馬」(龍・馬=ドラゴン・ホース)。服装は主に着物の上にコートを羽織っている。相棒はディロフォサウルスの氏族。 サバタの銃の師匠。リリー曰く、銃の扱い方はもとより、ちょっとウザイ言動すらもサバタそっくりである。 額に切り傷があるが、これは近江屋事件で負った傷と思われる。 日本刀と中折れ式のリボルバーを使用する。彼の使用する日本刀の柄頭には、カタカナで「イフ」と読める細工が施してある。 ロコ イフの城のエージェント。サイカニアの氏族。潜水艇アグナサ号の船長。 「BUCK&DICK」ではネルソン提督を狙撃したナポレオン軍に倣って狙撃作戦を敢行するが、失敗。モビーディックを狩るどころかアグナサ号を沈没させかけてしまい、消沈して酒に逃げた。 アボラ・サンダ 「ONE FOR THE ROAD」に登場。イフの城の連絡員。プロトケラトプスの氏族。 D・Hがスカウトしてきた男。切り裂きジャック事件の捜査に協力。ガイラが失踪したことを連絡してきた張本人で、ガイラが切り裂きジャックだと確信している。 生まれてからずっとロンドンの地下恐竜街に住んでいた為に、全身の肌が真っ白になっている。 実は本物の切り裂きジャック。ガイラを殺害し、その特徴的な親指の爪を自分の指と取り替えた。地下で見苦しく生き続ける恐竜達にうんざりしており、切り裂きジャックとしてロンドンを騒がせることで英国情報部を動かし、地下恐竜街を攻撃させようと考えていた。 ガイラの頭を模した被り物を被って変装していたが、この被り物そのものが凶器でもある。顎の部分が展開して刃となり、相手を切り裂く。 リリーの首を切り裂き、自分の勝利を確信してサバタを挑発するが、英国情報部が恐竜街に攻撃を行わないと判明するや、逃走する。その後サバタとナイチンゲールに追いつかれて銃弾を受け、下水に落ちかける。運良く外壁にガイラの親指の爪を引っ掛けたために助かるが、直後に追いかけてきたリリーに指を切り落とされ、下水に落下した。 スターバック 「BUCK&DICK」に登場。イフの城のアメリカ方面エージェント。女性。実在の小説の登場人物に関しては『白鯨』を参照。 メルヴィルの『白鯨』に登場した一等航海士であり、エイハブ船長への片思いから性別を偽ってピークォド号に乗り込んだ。ピークォド号の生き残りであるイシュメル以外のもう1人の生き残りで、半死半生の状態で海に漂っていたところをアグナサ号に拾われる。 モビーディックの専門家であり、仲間を奪ったモビーディックに向ける感情は恨みとも一種の敬いともとれるもので、不用意にモビーディックの制海圏に入り込んだリリーを、自殺行為だと激昂して殴っている。 サバタの義手を見て、エイハブ船長の義足を思い出し、交流を深めた。が、その現場をリリーに目撃され、サバタのどっちつかずな態度も相まって、彼女とリリーの関係は最悪なものになる。 最終的にモビーディックとの戦いの中で心を通わせ、最後には強い女の友情で結ばれることとなった。 マーロウ 「BUCK&DICK」に登場。イフの城所属、アグナサ号の航海長。ジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』の主人公。 海流を頼りにモビーディックを追跡したが、その際に自分の武勇譚を付け足して語り、ロコ船長に「100回は聞いた」「100年後くらいに 劇になる」と言われた。 マリオ・ロッソ 「HIDDEN DRAGON」に登場。フィレンツェで活動する連絡員。 ある人物から情報の提供を受け、その後サバタ、リリーと合流する手はずだったが、情報提供者と会う前にシニョーリア広場で謎の人体発火現象に遭い、死亡する。
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