航空大学校 航空大学校の概要

航空大学校

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/08 01:41 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
航空大学校
Civil Aviation College
帯広分校で使用されているビーチクラフトA36
大学校設置 1954年
大学校種別 省庁大学校
設置者 独立行政法人航空大学校
本校所在地 宮崎県宮崎市大字赤江字飛江田652-2
キャンパス 宮崎(宮崎県宮崎市)
仙台(宮城県岩沼市
帯広(北海道帯広市
研修課程 宮崎学科課程
帯広フライト課程
宮崎フライト課程
仙台フライト課程
ウェブサイト 航空大学校公式サイト

概要

第二次大戦前には航空会社による養成学校があったが、1916年8月に開校した東京航空輸送社の日本飛行学校は入学金は600円(当時は新築の家が二軒建てられた金額)と非常に高額で工面出来る者は少なく[2]、学校の経営も安定しないため人材供給が不安定であった[3]。このため1938年には逓信省が民間機のパイロットを養成するため実業学校相当の航空機乗員養成所を設立した。ここでは全寮制で生活費・学費は無料だが教官は予備役軍人が務め、軍隊式の生活で卒業後は陸軍海軍の航空部隊に入隊して予備下士官として任官するなど、軍学校としての要素が強く、第二次大戦勃発により多くの卒業生がパイロットとして徴兵された。

敗戦により民間航空が禁止され航空機乗員養成所も廃止されたため、パイロットの養成は途絶えることになる。1954年に再開された後も民間パイロットの養成は途絶えたままだったため人材は元軍人と外国人に頼っていた。このため国主導で日本人パイロットを養成すべく1954年に運輸省付属機関として設立された。2001年4月1日に独立行政法人化され、国土交通省所管の独立行政法人となった。当初は宮崎本校のみであったが、志願者の増加と共に、フライト課程を宮崎のみで行うことが困難になったため、仙台分校と帯広分校を設置し、訓練を分散化させた。

学費は無料ではないが、民間のパイロットスクールや大学の操縦専攻課程と比較すれば、格段に安価[4]なことに加え、募集人数が108名と少ないこと、学力試験や航空身体検査が厳しいこともあり、入学試験の倍率は例年7~10倍で推移している[5]。特に安全面への配慮から、第二次試験身体検査B (脳波検査)で不合格になった受験者は、以降の出願資格を失う。また自衛隊はパイロットを独自に養成しているため、航空機乗員養成所のような軍事色は無くなっている。

入学・費用

出願資格は、19歳から24歳までの身長158cm以上で

  • 4年制大学・大学校[6]に2年以上在学し規定の単位(62)を修得した者
  • 短期大学高等専門学校専修学校専門課程、一部の訓練機関[7]の卒業者(見込み含む)
  • 外国における14年以上の課程の教育機関
  • 専修学校の専門課程の修了者に対する専門士及び高度専門士の称号の付与に関する規程による専門士又は高度専門士の称号を付与された者。

に該当する者である。

又過去に航空大学校入学第二次試験における身体検査A受験後、身体検査Bの対象とならなかった者は、再受験が可能である。

国籍要件がないため、外国籍の者であっても所定の手続きを取れば入校可能。

年齢の上限が緩い[8]ため、社会人が入校する例もある[9]

省庁大学校ではあるが気象大学校防衛大学校などとは違い、在校中の身分は国家公務員ではないため給与は支給されず、200万円前後の授業料と諸経費が必要となる。またアルバイトは禁止されている。

他の省庁大学校とは違い、6月、9月、12月、3月の4期に分かれて入学する。入校時の航空身体検査は航空医学研究センターが受託している[10]

カリキュラム

練習機による操縦訓練の他、パイロットに必要な航空力学や気象に関する座学も行う。なお航空特殊無線技士航空無線通信士などの無線従事者免許証が取得出来なければ進級できないが個人で取得する必要があり、入学前の取得が推奨されている[11]

大学改革支援・学位授与機構の認定を受けていないため学位は取得できない。

全寮制で全てのキャンパスに学生寮が整備されており、在学中は先輩後輩の2名が同室となる。全寮制ではあるが在校生用の駐車場が用意され自家用車の所有が可能、外出も許可されるなど自由度は高い[12]

取得できるのは固定翼機の事業用操縦士(陸上単発と多発)と計器飛行証明である。水上機回転翼機は機材が無いため取得できない。なお1989年から2001年まではヘリコプター(ヒューズ 269C)による訓練が行われていた。




  1. ^ 公式サイトのURLは "http://www.kouku-dai.ac.jp/"
  2. ^ 第一期生の円谷英二は叔父が工面した。
  3. ^ 日本飛行学校は教官である玉井清太郎の死や1機しかない練習機の墜落で訓練が不可能となり1917年で活動を停止している。
  4. ^ 例として東海大学の航空宇宙学科航空操縦学専攻では4年間の学費約720万円に加えアメリカへの留学訓練費用として83800ドル前後が必要としている(航空宇宙学科 航空操縦学専攻|工学部|東海大学
  5. ^ 2012年から2016年までの倍率
  6. ^ 海上保安大学校本科、気象大学校水産大学校防衛大学校防衛医科大学校職業能力開発大学校(長期課程)
  7. ^ 海上保安学校情報システム課程、航空保安大学校本科、航空自衛隊航空学生(第1初級操縦課程)、海上自衛隊航空学生(固定翼基礎課程)
  8. ^ 航空学生は21歳未満。民間では新卒が基本である。
  9. ^ 女子の「アホのふり」気づかぬ東大男子 上野さんが斬る - 朝日新聞
  10. ^ 航空身体検査|一般財団法人 航空医学研究センター
  11. ^ 平 成 29 年 度航空大学校学生募集要項
  12. ^ キャンパスライフ-学生寮紹介
  13. ^ 海上保安庁は独自養成に加え不定期に有資格者採用を行っている。
  14. ^ 航空英語能力証明が必要となる


「航空大学校」の続きの解説一覧



航空大学校と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「航空大学校」の関連用語

航空大学校のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



航空大学校のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの航空大学校 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2020 Weblio RSS