コンデンサ 容量の表示方法

コンデンサ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 23:12 UTC 版)

容量の表示方法

電解コンデンサなどのような大型のものでは、本体に直接容量や耐圧が記載されているが、セラミックやフィルムコンデンサの場合、容量が xxy という形の3桁の数字を使った特有の表記(抵抗器のカラーコードを数字で置き換えた形)で記載されている場合がほとんどである(抵抗器に形状が似たものでは、カラーコードで表示している場合がある)。

xxyの意味は、xx × 10y pF(ピコファラド)である。

チップコンデンサの場合、極小な本体に容量の表記を印刷することが困難であるため、チップマウンターに装填するためのリールに印刷する型番に、容量の記載が含まれていることが多い。またその際、上記の3桁の数字の後に、アルファベット1文字で容量の許容誤差を記載することが多い [13] 。例えば「225K」と書かれていれば、22 ✕ 105 pF = 2200000 pF = 2.2 µF の、許容誤差 ±10% と読む。

容量の間隔については、抵抗器同様にE系列で、主にE3(10・22・47を基数とする倍数値)、E6(10・15・22・33・47・68を基数とする倍数値)で、まれにE12やE24が使用される。受動素子の標準数値表も参照。ただし1から10pFに限り、1pF間隔となっている。

定格電圧(耐圧)については、電圧を直接表示している場合と、数字とアルファベットを組み合わせた記号で表示している場合がある。記号と電圧の組み合わせは次の通り。

定格電圧
英字
数字
A B C D E F G H J K
0 1 1.25 1.6 2 2.5 3.15 4 5 6.3 8
1 10 12.5 16 20 25 31.5 40 50 63 80
2 100 125 160 200 250 315 400 500 630 800
3 1,000 1,250 1,600 2,000 2,500 3,150 4,000 5,000 6,300 8,000

2J103と記載されていれば、

  • 耐圧が630V
  • 容量が10 × 103 = 10,000pF = 0.01µF

を表している。

2桁以下の場合は記載値がそのままpF単位を表す。

リード部品のセラミックコンデンサ等において電圧表示のないものは、耐圧50V程度のものが多い。一方、近年急速に増えている積層型セラミックコンデンサやチップ型フィルムコンデンサ等は、容量と大きさと耐圧がそれぞれトレードオフの関係にあることから、耐圧が明記されているものが殆どである。


注釈

  1. ^ リード線が持っているものとみなして「リード・インダクタンス」等と呼ばれる。
  2. ^ 理想的な場合、直列抵抗はゼロ、並列抵抗は無限大である。
  3. ^ マイラ(マイラフィルム・マイラシート)はポリエチレンテレフタレートを二軸延伸加工したフィルムである。
  4. ^ 比較的古い家電ではコンデンサの品質に問題があるために膨張・破裂するケースも少なくない。詳しくは不良電解コンデンサ問題を参照。
  5. ^ 三洋電機株式会社の登録商標。

出典

  1. ^ コンデンサーとは - コトバンク
  2. ^ Henry Smith Williams (1999年3月). “A History of Science Volume II, Part VI: The Leyden Jar Discovered”. 2013年1月17日閲覧。
  3. ^ Houston, Edwin J. (1905). Electricity in Every-day Life. P. F. Collier & Son. https://books.google.co.jp/books?id=ko9BAAAAIAAJ&pg=PA71&dq=jar+%22von+Kleist%22&redir_esc=y&hl=ja 
  4. ^ Isaacson, Walter (2003). Benjamin Franklin. Simon and Schuster. p. 136. ISBN 0684807610, 9780684807614. https://books.google.co.jp/books?id=oIW915dDMBwC&lpg=PA135&dq=%22benjamin+franklin%22+leyden+jar&pg=PA136&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q= 
  5. ^ Franklin, Benjamin (1749年4月29日). “Experiments & Observations on Electricity: Letter IV to Peter Collinson” (PDF). pp. (page 28). 2009年8月9日閲覧。
  6. ^ Morse, Robert A., Ph.D. (2004年9月). “Franklin and Electrostatics—Ben Franklin as my Lab Partner” (PDF). Wright Center for Science Education. Tufts University. pp. (page 23). 2009年8月10日閲覧。 “After Volta’s discovery of the electrochemical cell in 1800, the term was then applied to a group of electrochemical cells”
  7. ^ “Sketch of Alessandro Volta”. The Popular Science Monthly (New York): pp. 118–119. (May–Oct 1892). https://books.google.co.jp/books?id=eCADAAAAMBAJ&pg=PA117&source=gbs_toc_r&redir_esc=y&hl=ja#v=onepage&q&f=false 
  8. ^ http://www.ttc-cmc.net/~fme/captance.html
  9. ^ セラミックコンデンサのFAQ なぜ、セラミックコンデンサは音鳴きが発生するのでしょうか?”. 村田製作所. 2016年3月7日閲覧。
  10. ^ トランジスタ技術 2004年9月号 p108, p111 - p114
  11. ^ スーパーキャパシタートラム完成、30秒充電で5キロ走行 中車株洲電力機車”. www.afpbb.com. 2021年8月28日閲覧。
  12. ^ プレスリリース 高速デジタル回路を安定動作させる低インピーダンス線路素子の開発について”. NEC (2003年10月20日). 2015年4月20日閲覧。
  13. ^ 品番の読み方”. 村田製作所( http://www.murata.co.jp/ ). 2016年11月3日閲覧。






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