純正レンズ
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京セラ純正のコンタックスGマウント対応レンズはオートフォーカス単焦点5種・オートフォーカスズーム1種・マニュアルフォーカス単焦点1種の計7種類が発売された。レンジファインダーカメラらしく広角レンズを中心としたラインアップで、全てカール・ツァイスブランド・T*コーティング仕様となっている。焦点距離では16mmから90mmまでが用意されているが、ボディ内蔵ファインダーが対応可能な画角は28mm以上であるため、16mm/21mmレンズにはアクセサリーシューに取り付けて使う専用外付けファインダーが付属する。これらのファインダーにはパララックス補正の機能はない。コンタックスG1は35-70mmには対応しないほか、21mm/35mmレンズの使用にはメーカーによるアップデートが必要である。 対応ボディがわずか2機種しか発売されなかったことから中古市場での価格はリーズナブルであるが、性能面では描写力に優れた45mmプラナーやカルト的人気を誇る16mmホロゴンをはじめとして、ラインアップされている製品全てが高い評価を受けている。レンズ構成が比較的本来の仕様に近いものが多いため、「ブランドだけではない本物のツァイスレンズ」を体験したいユーザーにも人気がある。特に、ホロゴンおよびビオゴンに見られるバックフォーカスが極端に短い構成は一眼レフカメラ向けには物理的に設計できず、またデジタルカメラではイメージセンサーへの入射角の問題から性能を発揮しづらいため、デジタル一眼レフ全盛の現代においては極めて希少な存在である。 各Gマウントレンズの仕様レンズ名構成焦点距離画角絞り最大/最小合焦最短距離前ネジ径直径突出質量製造国発売希望小売価格ホロゴンT*16mmF8 3群5枚 16mm 106度 F8固定 マニュアルフォーカス 0.3m なし 57mm 11.0mm 120g ドイツ 1994年 28万円 ビオゴンT*21mmF2.8 7群9枚 21mm 90度 F2.8/F22 オートフォーカス 0.5m 55mm 59mm 35.5mm 200g 日本 1996年 12万円 ビオゴンT*28mmF2.8 5群7枚 28mm 75度 F2.8/F22 オートフォーカス 0.5m 46mm 56mm 30.5mm 150g 日本 1994年 5万7000円 プラナーT*35mmF2 5群7枚 35mm 64度 F2/F16 オートフォーカス 0.5m 46mm 56mm 31.5mm 160g 日本 1996年 4万7000円 プラナーT*45mmF2 4群6枚 45mm 50度 F2/F16 オートフォーカス 0.5m 46mm 56mm 38.5mm 190g 日本 1994年 3万7000円 ゾナーT*90mmF2.8 4群5枚 90mm 27度 F2.8/F22 オートフォーカス 1.0m 46mm 56mm 63.0mm 240g 日本 1994年 4万7000円 バリオゾナーT*35-70mmF3.5-5.6 8群13枚 35-70mm 62度-35度 F3.5-5.6/F22 オートフォーカス 1.0m 46mm 60mm 54.0mm 290g 日本 1999年 12万5000円 全てのコンタックスGマウントレンズは京セラのカメラ事業撤退に伴い2005年3月に生産完了となった。京セラによる補修サービスの期限は2015年3月となっている。2002年1月には日本国内の各小売店舗において「モニターキャンペーン」という名目でレンズの安売りが行われ、この時点で既に実際のレンズ生産は終了していたと見られている。
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純正レンズ
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戦前・戦後を通じて非常に多くの卓越した交換レンズが供給された。戦前はイエナのカール・ツアイス製、戦後は東ドイツのツァイスから供給されたいくつかを除き西ドイツのオーバーコッヘン工場製である。戦前型と戦後型でマウント互換性はあるが、戦後型ボディーでは距離計の基線長が72mmに短くなったため18cmの直接マウント式レンズはピント精度が足らず使用できず、またシャッターユニット小型化のためレンズ尾部の大きい旧ビオゴン3.5cmF2.8は干渉し装着できない。また戦前型ボディーと戦後型ボディーでは距離計の焦点調節ギアの回転方向が逆になり、右へ回すと無限遠に移動するように変更され二重像の見かけの移動も逆になった。アタッチメントはφ40.5mmねじ込みが基本サイズである。日沖宗弘はビオゴン21mmF4.5について「開放から相当シャープで少し絞るとクリアーでたいへんシャープな描写をする。色再現もよい。」、戦後のビオゴン35mmF2.8について「よりナチュラルな、すっきりした描写力を持ち、画面内での奥行感・空気感ではプラナーを凌ぐといってよい」「ボケ味も柔らかく素直だからどんな状況でも安心して使える」、プラナー35mmF3.5について「開放からコントラスト、シャープネスともにハイレヴェルで、時によってはうっとうしいくらい彫りの深い写り方をする。特筆すべきは木立の茂みや木の葉の描写で、樹木がより元気に、生き生きと写る。」、ゾナー85mmF2について「開放付近からかなり解像力があり、一段絞るとたいへんシャープになる、しかし研ぎすまされた感じはなく、穏やかさを失わない。ゾナーというよりはプラナーという感じの写りで、ボケがたいへん美しい。世界中の85ミリ級レンズの中でも傑作の一つかもしれない。最近のプラナーほど華やかすぎるところがなく、ひかえめであるのがさすが。」ゾナ−135mmF4について「開放付近ではややソフトだが、ポートレートには使えるソフトさだ。二段ほど絞ると鋭さが出てくる。描写には癖が少なく、シャープでコントラストが高いが素直である」と高く評価している。 コンタックスI時代はニッケル仕上げで「カール・ツァイス・イエナ」(Carl Zeiss Jena )銘。 テッサー2.8cmF8(1933年発売) - 距離計非連動。 ビオター4cmF2(1933年発売) - 4群6枚。実焦点距離42.5mm。「4 1/4cm」標記の製品もある。 ゾナー5cmF1.5(1932年発売) - 発売当時から長らく世界最高速でありつづけ、ライバルであったエルンスト・ライツ(現ライカ)が同スペックのズマリット50mmF1.5を出すのは10年以上後になった。3群7枚。アタッチメント初期はφ42mmカブセ、後φ40.5mmねじ込み。 ゾナー5cmF2(1932年発売) - 固定鏡胴。アタッチメント初期はφ42mmカブセ、後φ40.5mmねじ込み。 テッサー5cmF2.8(1932年発売) - 沈胴式。3群4枚。 テッサー5cmF3.5(1932年発売) - 沈胴式。3群4枚。 ゾナー8.5cmF2(1933年発売) - 3群6枚。アタッチメントはφ49mmねじ込み。 トリオター8.5cmF4(1932年発売) - 3群3枚。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ゾナー13.5cmF4(1932年発売) - 戦前製は凄まじく重量がある。3群4枚。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 テレテッサーK18cmF6.3(1933年発売) - 直接マウント方式で生産された。3群4枚。 テレテッサーK30cmF8(1934年発売) - 3群4枚。 フェルンオブジェクティブ50cmF8(1934年発売) - フレクトスコープを併用する。1群2枚。 コンタックスII時代以降はクローム仕上げで「カール・ツァイス・イエナ」(Carl Zeiss Jena )銘、コートされたものは「カール・ツァイス・イエナT」(Carl Zeiss Jena T )銘。一部のレンズは同スペックのまま光学系が変更された。 テッサー2.8cmF8 - 戦前のみの生産。距離計非連動。 ビオゴン3.5cmF2.8(1937年発売) - ルートヴィッヒ・ベルテレ設計。戦前発売されたビオゴンはビオゴン銘ではあるがレンズ構成はいわゆるビオゴン型ではなくゾナー型4群6枚。後玉が大きくコンタックスIIa/コンタックスIIIaには使用できない。明るく周辺まで画質が優れているが、歪曲収差が大きい欠点がある。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ヘラー3.5cmF3.5(1938年発売) - ジルヴェスター・フーバー設計。元来はビオゴン3.5cmF2.8の普及版として企画されたという。試作のみとも500-1000本の生産とも言われる珍品。2群5枚。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 オルソメター3.5cmF4.5(1937年発売) - 4群6枚。 ステレオターC3.5cmF4(1940年発売) - ステレオ写真用レンズ。 ビオター4cmF2 - 実焦点距離42.5mm。「4 1/4cm」標記の製品もある。 ゾナー5cmF1.5 - アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ゾナー5cmF2 - 沈胴式になった。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 テッサー5cmF2.8 - 沈胴式。 テッサー5cmF3.5 - 沈胴式。 ゾナー8.5cmF2 - その大きさ太さから当時「樽」と俗称された。アタッチメントはφ49mmねじ込み。 トリオター8.5cmF4 - 3群3枚。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ゾナー13.5cmF4 - 戦前製は凄まじく重量がある。3群4枚。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ゾナー18cmF2.8(1936年発売) - コンタックスIIとともにベルリンオリンピックに合わせ、ドイツ民族とその産業があらゆる分野で卓越していることを示そうとしてアドルフ・ヒトラーから開発するよう圧力があったと言われオリンピア・ゾナーと俗称される。ベルリンオリンピックの記録映画「美の祭典」を撮影したレニ・リーフェンシュタールは後に「ツァイスが開発した新型レンズが強力な武器になった」と語っている。最初期型は距離計連動式で300台を越えないと想像されている。1938年に倒立逆像の「フレクトスコープ」というミラーボックス併用となり、その後「フレクトスコープ」が正立逆像に改良された。 テレテッサーK18cmF6.3 - 直接マウント方式。 ゾナー30cmF4(1940年発売) - フレクトスコープを併用する。3群5枚。 フェルンオブジェクティブ50cmF8 - フレクトスコープを併用する。 戦後すぐは西ドイツカール・ツァイスのレンズ製造能力が充分でなく、東ドイツのツァイスからレンズが供給され、戦後しばらくは東西ドイツ間で交流があった証左とされる。西側の生産体制が整うに連れ順次切り替えたものの、135mmより長いレンズはその後もずっとイエナ製だった。 トポゴン25mmF4(1950年発売) - トポゴン型4群4枚。このレンズに合わせ西ドイツのツァイスはビオゴン21mmF4.5を出すまでそのファインダーターレットに25mmを入れていた。コンタックスIには使用できない。距離計非連動。 ビオゴン3.5cmF2.8 - ビオゴン銘ではあるがレンズ構成はいわゆるビオゴン型ではなくゾナー型。後玉が大きくコンタックスIIa/コンタックスIIIaには使用できない。明るく周辺まで画質が優れている一方、歪曲収差が大きい欠点がある。後にデッドコピーとして旧ソビエト連邦製ジュピター12(Jupiter-12 )が多数製造された。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ビオメター35mmF2.8(1950年発売) - ハリー・ツェルナー設計。4群5枚。コンタックスIIa/コンタックスIIIaにも使用できる。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ゾナー5cmF1.5 - アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。後にデッドコピーとして旧ソビエト連邦製ジュピター3(Jupiter-3 )が多数製造された。初期のニッコール5cmF1.5も同様のデッドコピーである。 ゾナー5cmF2 - 沈胴式。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。後にデッドコピーとして旧ソビエト連邦製ジュピター8(Jupiter-8 )が多数製造された。 テッサー5cmF2.8 - 沈胴式。 テッサー5cmF3.5 - 沈胴式。 ビオター75mmF1.5(1951年発売) - 4群6枚。 ゾナー8.5cmF2 - 後にデッドコピーとして旧ソビエト連邦製ジュピター9(Jupiter-9 )が多数製造された。アタッチメントはφ49mmねじ込み。 トリオター8.5cmF4 - 3群3枚。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ゾナー13.5cmF4 - 後にデッドコピーとして旧ソビエト連邦製ジュピター11(Jupiter-11 )が多数製造された。3群4枚。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ゾナー18cmF2.8 ゾナー30cmF4 - フレクトスコープを併用する。 フェルンオブジェクティブ50cmF8 - フレクトスコープを併用する。 戦後西ドイツでは「ツァイス・オプトンT」(Zeiss Opton T )銘で、コートが当然になったのか後には「ツァイス・オプトン」(Zeiss Opton )銘となった。 ビオゴン21mmF4.5(1954年発売) - ルートヴィッヒ・ベルテレ設計。5群8枚。最短撮影距離0.9m。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ビオゴン35mmF2.8(1950年発売) - 戦後西ドイツで生産された。いわゆるビオゴン型4群7枚のレンズ構成。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。コンタックスIIa/コンタックスIIIaにも使用できる。 プラナー35mmF3.5(1954年発売) - アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。コンタックスIIa/コンタックスIIIaにも使用できる。当時はビオゴン35mmF2.8の普及版という設定であり、性能は互角である。 ゾナー50mmF1.5(1950年発売) - アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ゾナー50mmF2(1950年発売) - 非沈胴式になった。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 テッサー50mmF3.5(1954年発売) - 非沈胴式になった。3群4枚。 ゾナー85mmF2(1950年発売) - 3群7枚(1950年発売)。アタッチメントはφ49mmねじ込み。 トリオター85mmF4(1950年発売) - 3群3枚。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ゾナー135mmF4 - アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 さらに後には「カール・ツァイス」(Carl Zeiss )銘で生産された。 ビオゴン21mmF4.5 - ルートヴィッヒ・ベルテレ設計。5群8枚。最短撮影距離0.9m。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ビオゴン35mmF2.8 - いわゆるビオゴン型のレンズ構成。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 プラナー35mmF3.5 - アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。コンタックスIIa/コンタックスIIIaにも使用できる。当時はビオゴン35mmF2.8の普及版という設定であり、性能は互角である。 ステレオターC35mmF3.5(1952年発売) - 戦後に生産されたステレオ写真用レンズ。 ゾナー50mmF1.5 - アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 ゾナー50mmF2 - 非沈胴式。アタッチメントはφ40.5mmねじ込み。 テッサー50mmF3.5 - 非沈胴式。 テッサー115mmF3.5 - パンフレックスを併用する。 ゾナー180mmF2.8 - 1950年代初めレンズの設計が変更されるとともに正立正像でスプリットイメージを持つ「フレクトメーター」というミラーボックス併用となった。フレクトメーターマウントの製品は適当なアダプターにより他のカメラにも転用できるようになっている。
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