派遣艦隊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 04:33 UTC 版)
元々はコンゴウの指示により、イ401撃破のために派遣されて横須賀港を襲撃した部隊。ハルナ・キリシマが撃破されたため当初の目的は失敗に終わったが、キリシマの提案により現在は「刑部蒔絵の確保」「アドミラリティ・コードの探索」を新たな目的(半ば建前)として独立的に行動する別働隊となっている。襲撃時には軽巡以下の各種艦艇も配備されていたが、別働後は撤収されておりマヤがハルナ・キリシマを乗艦させて単艦で行動する体制をとる。現在の旗艦はハルナ。 ハルナ 声 - 山村響 旧帝国海軍金剛型戦艦三番艦・榛名の形状を模す。メンタルモデルは金髪のツインテールに顔半分程度しか出ないほどの大きな黒コートを埋もれるようにまとった少女の姿。普段は落ち着いているが、人前でコートを脱ぐと途端に落ち着きを失い、弱々しくなる。人間の「言葉集め」が趣味。イ401との戦闘に敗北したことで船体は失ったものの、メンタルモデルは残り、キリシマのユニオンコアと共に脱出、その後は蒔絵と行動を共にしている。蒔絵からは「ハルハル」と呼ばれる(この呼び名はキリシマからは笑われている)。初登場時は必要最低限の言葉を事務的に話すだけであったが、敗北後に出会った蒔絵や刑部博士の影響で悲しみや怒りを覚えてかなり人間らしい雰囲気を持つようになり、友達などの概念を理解し尊重するまでに至っている。また、経験を積んだことで予感を獲得している。 刑部邸に保護された事実が中央管区政府に知れたことで、メンタルモデルの確保を画策した中央管区陸軍の襲撃を受ける。しかしメンタルモデルの状態でも高い戦闘能力を持ち、軍人相手に圧倒的な力量差を示した。 刑部邸滞在時に刑部博士と対話し、蒔絵らデザインチャイルドの由来を聞き、さらに蒔絵の「友達」になってくれとの懇願を受ける。 刑部博士の死亡時に「死」を認識、さらに自身の中に湧き上がる衝動により「感情シミュレーション」を暴走させ、火器管制システムをリンクさせていたマヤをコントロールし日本の3首都を攻撃目標として殲滅攻撃を行おうとするが、その直前にアドミラリティ・コードの介入により回避される。 刑部邸での一件後はキリシマと共にマヤと合流、蒔絵との約束を果たすために函館へと向かう。何故か蒔絵が自分たちに会おうとしないため一時は諦めて函館から離れようとするも、マヤ達に諭されたことで考えを変え、蒔絵が保護されている沙保里宅に侵入して再会を果す。現在は蒔絵と共に人類と霧の未来を探す旅に出ており、コンゴウ艦隊が401と交戦して外海へ出ることが難しい状況の中、刑部首相より提案があった第4施設消失事件調査のため横須賀へと向かい、海洋総合学院へ「刑部ハルナ」の名義で転入した。 そしてDepth:106で文化祭に紛れ第4施設を調査しようとするが、タカオとアタゴに阻まれ交戦に入り総旗艦であるヤマトの思惑に関して疑問を呈している。アニメ版 イ401との戦いで刑部邸の敷地内に吹き飛ばされた模様。刑部邸陸軍襲撃の戦いでイオナに助けられ、キリシマ、蒔絵と共に硫黄島に同行。そしてそのまま、群像率いる蒼き艦隊の一員となり、新しくなった401のサブをヒュウガと共に務めている。全てが終わった後はアメリカ政府の監視の下、ロサンゼルスでキリシマや蒔絵と共に暮らしている。劇場版「DC」では、「人類を信用してはいないが千早群像は信用している」という旨の発言をしており、横須賀で撃沈されたことについては恨んでいない模様。振動弾頭の起動不能トラップ発動を確認後に、蒔絵とキリシマと共に逃亡しており、逃亡中のメキシコでムサシの放送を見る姿が描かれている。劇場アニメ『Cadenza』では、各国の沿岸に接近していた霧の軽巡艦隊からナノマテリアルを強奪して船体を復活させ北極海に向かうイオナの援護に現れる。なお、この時に復活させた船体はハルナの船体にキリシマの艦橋、主砲は第1と第4がキリシマのもので第2と第4がハルナという構成の、いわばハルナとキリシマの船体が融合して1つの船体を構成しているといえるものである(言わば下記のイ401アルス・ノヴァモードに近いといえる)。名称はハルナキリシマ合体戦艦となっており、超重力砲発射形態時の船体展開も同型艦とは異なる(船体が上下に分割するのは同じであるが、艦底がさらに左右に分割して展開される)。艦長である蒔絵の指示の元、ハルナが操艦を、キリシマが火器管制を担当する。 キリシマ 声 - 内山夕実 旧帝国海軍金剛型戦艦四番艦・霧島の形状を模す。メンタルモデルはショートアップで、ショートパンツスタイルにコートを羽織った女性の姿。横須賀における海戦ではハルナに対し主導権を握って行動する。イ401との戦闘開始時に「ワクワクする」、自分たちが窮地に追い込まれた時に「楽しい」と発言するなど好戦的な性格。イ401に敗北し、船体とメンタルモデルは失ったが、ユニオンコアだけは生き残った。轟沈時には「後悔」を知ったが、後に語る所によると群像達に対しては「憎悪」のような感情は持っていない様子。蒔絵を霧側に取り込むようにコンゴウに提案するなど、一般のメンタルモデルより創意に富んでいる。 蒔絵によりハルナが保護された後、刑部邸にてハルナからナノマテリアルを分けてもらい、蒔絵所有のクマのぬいぐるみ「ヨタロウ」を外装として動かす形で再び自力で動けるようになった。これ以降は常にヨタロウの姿でいるようになっている。実はこのヨタロウは着ぐるみに改造されており、頭部には目が光るなどの細工が施されている。これを3頭身くらいにデフォルメされた姿のキリシマが着込んでおり、着ぐるみの手入れをするときや刑部首相と会食したとき以外は脱いでいない。現在はハルナやマヤと共に蒔絵を伴っての旅に出ている。 ハルナが第4施設焼失事件の調査を行うため行動を共にし、文化祭に紛れ第4施設を調査しようとするが、Depth:106でタカオとアタゴの妨害により交戦に入り、ナノマテリアルが自由に扱えることに気付いたため、Depth:110でデフォルメされてない自身のメンタルモデルを再生する。再生したものの、身体であった蒔絵のぬいぐるみであるヨタロウが入ったバックを忘れていたのか、それをタカオに奪取されていた。アニメ版 メンタルモデルのスタイルは同じだが、コートを羽織る描写はない。横須賀急襲においては、アニメ版に潜水艦「白鯨」が登場しないため、敗北のきっかけとなったのは「白鯨」が発射した侵食魚雷ではなく、水没した三笠公園の戦艦「三笠」に仕掛けられた自動発射装置から発射された侵食魚雷に変更されている。 ヨタロウの色は原作とは違い赤く、体長も大きく変更されている。また、動く度に女児向け玩具に仕込まれた空気笛的な「ぴこぴこ」音が、時々鳴るようになった。ヨタロウ姿になった後は、メンタルモデル姿のキリシマの描写はなく、ぬいぐるみの姿で生肉を貪り食ったりする。弱点は水濡れで、身体が重くなり動きがままならなくなる。刑部邸陸軍襲撃に居合わせ、囮役を買って出たハルナの頼みで蒔絵を守ることとなる。クラインフィールドの展開などはほとんどできないため、打撃技で兵士達を倒していくが、蒔絵とハルナともども戦車隊に追い詰められたところをイオナに助けられた。その後、ハルナから蒔絵に自分を含めて友達になってくれと言われた時は頬を染め、イオナには遠まわしのお礼の言葉を送った。彼女もハルナと共に蒼き鋼の一員としてアメリカに振動弾頭を届ける手伝いをする。 マヤ 声 - MAKO 旧帝国海軍高雄型重巡洋艦四番艦・摩耶の形状を模す。メンタルモデルは少女趣味な衣装をまとった、黒髪ロングヘアの少女の姿。横須賀襲撃の際には外洋待機で、それ以来長らく誰からも構ってもらえず放置されていたため、久しぶりに任務をくれたハルナを「心の旗艦」と呼び、個人的に慕っている状態となっている。音楽の趣味があり、ナノマテリアルで生成したピアノ(ただし、楽器に関する知識が不十分だったため、指摘されるまで鍵盤の配列がデタラメだった)で弾き語りをしたりして暇をつぶしていた。分身体で編成された楽団を持っている。Depth:076ではテルミンを生成して演奏もしている。 登場当初はかなり子供っぽい性格であったが、暇つぶしに上陸して町の見物をしたりする内に人間社会のことや感情について思いを巡らせるようになるなど、考え方や知識面で急速な進歩を見せつつあり、蒔絵が自分と会ってくれないことに苦悩するハルナに助言した。現在は蒔絵を伴ってハルナ達と共に旅に出ているが、出会ったばかりの蒔絵ともすぐに打ち解け友達になっている。アニメ版 もっとも大きく設定が変更されているキャラ。刑部邸襲撃の際の出番は無く、ハルナやキリシマとも行動を共にしないため、コンゴウ直属の艦として行動しており、彼女と共に硫黄島に向かう。コンゴウに唯一付き従っており、彼女を友達と称している。砂浜に絵を描いたり蒔絵とハルナで遊ぶなど原作より子供っぽさが強調されていた。実はアニメ版の重巡マヤはメンタルモデルを持っておらず、現在のマヤはメンタルモデルに偽装して400と402が構築した監視ユニットであり、プログラムされた思考パターンに従って行動していただけの人形に過ぎなかった。この事実は彼女に対して少なからず愛着を抱いていたコンゴウを大いに打ちのめし、己の感情を自覚させると同時に後の凶行の引き金となる。最終的にコンゴウに取り込まれて融合されてしまう。 アニメおよびゲームなどでは「カーニバルだよっ」が代表的なマヤの台詞だが、原作では一度使われただけである。
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