日本の電気式気動車
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電気式気動車(でんきしききどうしゃ)は、自車に搭載したディーゼルエンジン等の内燃機関(ICE)で発電機を駆動し、その発生電力で台車の主電動機を駆動して走行する気動車である。原動機の種類により、「ガス・エレクトリック方式」、「ディーゼル・エレクトリック方式」、「ターボ・エレクトリック方式」に大別される。
注釈
- ^ 国鉄・JR以外での電気式ディーゼル機関車では、GE(ゼネラル・エレクトリック)の輸出向けナローゲージ用ディーゼル機関車であるU10B形を、1970年に日本車輌でノックダウン生産した55 t機が、釧路市の太平洋石炭販売輸送で2019年の同社線運行終了まで稼働した。
- ^ 日本国外においては機械式の総括制御運転が実用化されていて、液体式に比べ伝達効率が高いため、エネルギーの損失が少ないという特徴を発揮している。デンマークでは実用化に向け200 km/hでの試験走行も行われている。
- ^ 機械式で4両編成を組んだ私鉄の例もあるが、その場合最後尾の1両はエンジンをアイドリングさせた状態で牽引されるトレーラー扱いとなることが多かった。
- ^ 初期の電気式動力伝達車両が出現し始めて間もない1933年(昭和8年)時点で日本の学会誌にも、海外文献(1932年11月)翻訳による情報が紹介されている(「内燃動車の電気式動力傳達方法に付て」機械學會誌193号(1933年5月)p345-347)。この翻訳ではレオナード式、レンプ式、ゲブス式といった欧米諸国で実用化された直流電源制御各種が、既に配線つなぎの略図、基礎理論とともに列挙されている。
- ^ 車端部の運転席横まで座席があり、「先頭部で窓を開けて立ち上がればそのまま頭が窓から突き出す」と評されるほどであった。
- ^ ただし、湯口徹『日本の内燃動車』(成山堂書店 2013年)p74では同車の総括制御の目論見について「成功はせず、単行走行に徹し」と、その試みが失敗に終わったことを示唆する。湯口説が正しければ、付随車サハ1100は完全なトレーラとしての運用のみで、配線引き通しによる中間車としては運用できなかったと考えられる。
- ^ 横堀章一(当時、国鉄鉄道技術研究所次長 のち東急車輛製造に移籍)は1951年後期時点で記述されたと思われる「鉄道に関する展望」(「日本機械学會誌」396号 1952年1月1日発行 p10-17)で「ディーゼル機関車と内燃車両」の項目において「『電気式ディゼル動力』の44000形式(2車編成)と、45000、45500形式(3車編成)が新たに制作されている」と記述しており、電気式気動車製作の企画は1951年中の早期から始まっていた模様である。横堀の記述における「3車編成」用の2形式は、のちのキハ44100・44200の両形式を指すものと見られる。なお横堀の記述では、ヨーロッパで流体式(液体式)動力伝達が研究されていることは言及されているものの、1951年時点では技術的安定・完成に至っていなかった国鉄自身の液体式気動車開発については一切言及されていない。
- ^ 以上の経緯は、岡田誠一『キハ07ものがたり(上)』(2002年 ネコ・パブリッシング)P.36、北畠自身の証言による。岡田は服部朗宏とともに、1950年代当時国鉄運転局車務課に所属していた西尾源太郎に2007年にインタビューを行っている(『国鉄の気動車1950』2007年 鉄道図書刊行会)が、ここで西尾は、1952年当時の総括制御気動車研究における電気式・液体式並立の頃について、北畠ら国鉄工作局陣営が三菱電機の協力の下に電気式44000形を開発し、これに対し運転局列車課長の石原米彦(のち帝都高速度交通営団副総裁)ら運転局陣営が液体式導入を推進したと説明している。しかし、運用に当たる運転局の技術のみでは工作局の動向と無関係に液体式変速システムを導入することは実際問題として不可能で、裏付けとなる検証が求められるところである。
- ^ 九州の国鉄で当時電化されていたのは関門トンネルを挟む下関駅 - 門司駅間だけで、しかも電気機関車牽引列車のみであった。因みに九州に国鉄の電車が初めて運行されるのは、1961年の門司港駅 - 久留米駅間電化の時である。
- ^ 房総地区は国電運行区間に接し、東京駐在の開発技術陣との連携も取りやすかったため、この面での障害は小さかった。
- ^ 鉄道ジャーナル誌の検証では近年の実情につき「日本鉄道車両工業会が明らかにする近年の鉄道車両の国内生産実績において、気動車生産の両数は2011年度8両、2015年度67両、ある程度の置き換え需要があった2019年度ですら106両。このような数字ではもはや産業として成り立つ状況にない」と評する[3]。
- ^ 参考までに日本ではないが、営業用でない(試作車・デモンストレーション車)ハイブリッド気動車では、2000年にアルストムなどが製作した、ドイツ鉄道の618型気動車「コラディア・リレックス」 (Coradia LIREX) の事例が存在する。こちらは電池ではなく、フライホイールにエネルギーを蓄えるシステムである。また、燃料電池の搭載も可能としている。2000年に開催された鉄道技術見本市「イノトランス」で実車が出展された。
- ^ Hは「Hokkaido」の頭文字として採用されており(H5系と同様)、個別の形式記号ではない。
出典
- ^ 白土貞夫『ちばの鉄道一世紀』、崙書房、105 頁
- ^ 以下44000・44100・44200の記述については、平石大貴『キハ17系ディーゼル動車のあゆみ』(鉄道ピクトリアルNo.980(2020年12月)p52-88)に基づく。
- ^ 鉄道ジャーナル編集部「続々登場、『電気式気動車』は電車か気動車か」東洋経済オンライン 2020年8月24日[1]
- ^ 営業車として世界初のハイブリッド鉄道車両の導入 -キハE200形式- (PDF) - JR東日本 プレスリリース(2005年11月8日)
- ^ 新型一般気動車の試作車(量産先行車)について (PDF) - JR北海道 プレスリリース(2017年7月12日)
- ^ 世界初の環境に優しい『モータ・アシスト式ハイブリッド車両』の開発に成功! (PDF) - JR北海道 プレスリリース(2007年10月23日)
- ^ 『新型特急車両の開発中止について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2014年9月10日 。2014年11月28日閲覧。
- ^ “新型電気式気動車(DEC700)試験運転の開始について”. 西日本旅客鉄道 (2021年7月28日). 2021年7月28日閲覧。
- ^ “東海旅客鉄道(株)殿向け HC85系”. 日本車輌製造. 2020年9月19日閲覧。
- ^ “ハイブリッド方式の次期特急車両の名称・シンボルマークの決定について” (PDF). 東海旅客鉄道 (2019年10月28日). 2019年11月3日閲覧。
- ^ 『九州を明るく照らす次世代の車両が誕生します!!』(PDF)(プレスリリース)九州旅客鉄道、2018年1月26日 。2018年1月28日閲覧。
- ^ JR東海の次期特急型、量産第一陣は2023年3月に納車…日車がHC85系64両を受注 レスポンス、2021年6月25日
- 1 日本の電気式気動車とは
- 2 日本の電気式気動車の概要
- 3 2000年代以降のハイブリッド・電気式気動車
- 4 脚注
- 日本の電気式気動車のページへのリンク