国鉄キハ44100形・キハ44200形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 14:13 UTC 版)
「日本の電気式気動車」の記事における「国鉄キハ44100形・キハ44200形」の解説
キハ44000形増備形の兄弟形式と言うべきグループである。1953年(昭和28年)に3両編成5本15両が製造された。 キハ44100形・キハ44200形の外観・性能は、44000形量産車と共通のバス窓タイプだが、中央扉を廃して2扉車となっており、3扉構造のキハ44000形よりも車体強度と重量の面で有利になっている。なお、2扉・立ち席窓という形態は、後の45000系(キハ10系)液体式気動車に引き継がれている。 画期的な特徴として、気動車で初めての自動扉が採用された。これに際しては電車用標準型ドアエンジンのTK4Dを装備したことから、その仕様に合わせ、客室扉の幅は通勤電車並みの1,000 mmとなった。これに応じ、扉閉確認のため車側の戸袋窓に隣接して赤色信号車側灯が設けられた。液圧式化改造時、キハ10系と合わせるために、後部客室扉ドアエンジンは気動車用の半自動式TK6に交換され、前部の郵便荷物室用扉は手動として運用するためドアエンジンを取り外している。 中央扉に付随するステップと戸袋が廃されたことで台枠の切り欠きも不要となり、強度や艤装上の制約が減った。これを活かし、エンジンと発電機はキハ44000形では運転台側扉と中央扉間の床下にずらして搭載したのに対し、キハ44100形・キハ44200形では前後ボギー台車の中間に配置して、重量バランスを改善している。燃料タンクは運行距離が長くなることを考慮して400Lに増強された。 キハ44200形は基本的にキハ44100形と同形だが運転台の無い中間車に便所を設置しており、水タンクは通路をはさんだ反対側の床上配置とした。ただしスペースが余ったため、水タンクと客室扉の間に、便所側を向く形で2人分のロングシートが配置された。 キハ44100+キハ44200+キハ44100という、Mc-M-Mcの3両固定編成を組み、登場当初、鹿児島本線の門司港駅 - 久留米駅間で主に快速列車に用いられた。
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