電気式への回帰とその趨勢(ハイブリッド気動車・新世代の電気式気動車)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 14:13 UTC 版)
「日本の電気式気動車」の記事における「電気式への回帰とその趨勢(ハイブリッド気動車・新世代の電気式気動車)」の解説
「鉄道車両におけるハイブリッド」も参照 JR各社では2000年代以降、電気式気動車の可能性を模索する動きが見られるようになった。それは蓄電池を搭載したハイブリッド気動車に始まり、やがてそれよりも低コストな(ハイブリッド方式を採らないタイプの)電気式気動車導入の試みに発展している。 日本で電気式気動車が顧みられるようになったことには、次のような背景がある。 性能面:ディーゼルエンジン技術向上によるエンジンの軽量・高効率化が進み、ステンレス素材等による車体の軽量化も進展する一方、軽量な交流モーターや発電機が鉄道車両用に実用化され、電気式気動車が液体式気動車と遜色ない性能を得られるようになった。 液体式気動車に対する総合的な優位性:液体式気動車における専用機器類として、液体変速機、変速機と台車間の推進軸(プロペラシャフト)、駆動力を台車内で直角に方向転換する減速機といった装置が挙げられる。これらは日本国内の限られた気動車向けに比較的少数が供給されているに過ぎず、コスト高の原因となっている。加えて、走行中に角度を変えながら高速回転する推進軸回りは脱落事故のリスクが付きまとい、安全上問題視されるようになった。電気式気動車は、台車および主電動機、動力伝達装置を電車と共用でき、制御装置や補助機器類についても電車と共通化させやすい。電車の駆動系機器は液体式気動車のそれより格段に量産規模が大きく、台車内でパッケージ化されていて安全性・信頼性にも優れるため、その採用はコスト、メンテナンス面で得策である。 技術的拡張性:電気式気動車は、エンジンと駆動系が機械的に切り離されているため、電車同様、システム全体のモジュラー化が容易となる。これにより、ハイブリッド方式の採用や、発電ユニットをエンジンから燃料電池に置き換え得るなど、技術の進展に合わせた拡張性に優れる。 以下、登場時期順に事業者ごと記述する。
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