凡田家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:57 UTC 版)
凡田 夏之介(ぼんだ なつのすけ) 声 - 落合福嗣 本作の主人公。投手、左投左打。背番号39→40→41。9月1日生まれ、作中開始時26歳。山梨県出身。178cm、79kg。 年俸:1800万円→2600万→3300万→8000万→9500万円→FA(3年、4億5000万円)。 所属球団:神宮スパイダース→ボストン・ブルーソックス→文京モップス→仙台ゴールデンカップス→ボストン・ブルーソックス。 山梨鶴見川高校から高校ドラフト最下位(5巡目)でプロ入りした8年目の選手。外見は元ヤクルトの佐藤賢に似ている。 主に中継ぎのワンポイントで起用されるが、ロングリリーフや谷間の先発を任されるなど重宝されている。球界でも限られた左のサイドスローという希少性を活かし、どうにか1軍に在籍し続けている。 狙ったコーナーにボールを投げ分ける技巧派。短所としては、球威がやや欠けている面が挙げられる。140㎞/h台(最速148km/h)のストレートをはじめ、スライダー、シンカー、フォーク、チェンジアップなどの球種を操り、MLB挑戦中は横に大きく割れるカーブも披露している。また、ツーシームも投げることができるが、球威が極端に落ちるため実戦では封印している。 投手ゴロなどで近距離から一塁にフワッとした送球ができず悪送球するというイップスを持っている。 プロはカネが全てと考えており、他球団の選手の年俸がかなり気になる性分。それ故に常に選手名鑑を持ち歩いており、12球団の1軍選手の年俸をソラで言えるほどの「年俸マニア」。 年俸マニアが高じすぎて自身の年俸である1800万円以下の打者相手には見下ろして投げられるが、それ以上の選手になると途端に萎縮して打たれてしまう特徴を持つ。ただし、年俸5000万円を超える選手相手だと逆に開き直って抑えてしまい、億プレイヤーともなるとかなりの確率で抑えることができる。このような人間の小ささをコーチの迫田からは悪い意味で中継ぎ向きの性格と評される(つまり、中継ぎ止まりということ)。 プロとしてはギリギリの位置にいる選手であるため引退後の生活に不安を持っており、常に「カネ」のことが頭から離れない。ドラフト最下位での高卒入団のため契約金は1500万円、プロ8年目の26歳と選手として絶頂期を迎え、一番の稼ぎ時である時期に年俸1800万円しか稼げない現状に不安を感じ、引退後のためにもっと稼がないといけないと考えている。 連載開始の翌シーズンからは、チームに左投げの先発がいないことから6番手の先発に回ったが、使い勝手がいい便利屋な中継ぎであった夏之介不在により、中継ぎの回りの悪さが生じている。 また本人は、先発と中継ぎの異なる登板間隔に戸惑っており、そのこともあり結果が残せず、一時2軍落ちしていたこともある。 1軍合流後は田辺監督の意向で先発として起用される。先発のコツを掴み出したことで9回を完封をするまでになる。しかしチーム事情もあり勝ち星がつかず(13回先発して0勝)、中継ぎへ戻るため調整のため2軍に戻される。このように、先発と中継ぎの起用法が右往左往したことによって、心と体のバランスが乱れスランプに陥る。元々は2週間の予定が復帰まで2カ月を要した。 次に1軍に呼ばれたときは、クライマックスシリーズ出場を賭けた試合で2カ月ぶりの1軍登板。無死満塁のピンチを三者連続三振で切り抜け、人生初のお立ち台に昇る。 クライマックスシリーズでは、ピンチの時にワンポイントで登板し完璧な火消し役として活躍。その結果クライマックスシリーズを勝ち抜き、中継ぎとして異例のシリーズMVPに選ばれる。 日本シリーズでは4番の丸金とともに不調に陥り、「逆・シリーズ男」と揶揄されるようになる。しかし、日本一をかけた最終戦では、先発が1回途中で崩れたことで第2先発として登板。7回2/3を無失点に抑え「優秀投手賞」を獲得した。 3年目オフにダーティーの提案で8000万の契約を勝ち取るためポスティングシステムによる移籍を打診したがスパイダースが受け入れてしまいボストンに移籍。予定されていたクローザーも、フロントが地元出身投手の現役復帰にこぎつけてしまい結局800万のマイナーリーグ契約となった。ボビーとコージのアドバイス等もありメジャーでの戦い方を身につけるもシーズン開幕前にある理由で解雇。結果、ポスティング成立から僅か数ヶ月で再び日本球界に戻りモップスとワイルドワンズの争奪戦の末、名古屋行きを嫌がったユキちゃんの一言でモップスに移籍した。 入団会見で、サプライズの一環として鈴木監督直々に駆けつけてモップスオレンジのグラブをプレゼントとして渡されるなどかなり期待されていた。二軍での調整を経てセットアッパーで初登板を飾ったがそれまで味わったことのない期待とモップス独特の重圧から試合を壊す場面が度々発生し、セットアッパー失格の烙印を押された。そして二軍のファームでコントロールのノウハウを教えていた杉里にその座を奪われてしまった。 しかし、オールスター後絶不調になった杉里とは違い、段々とだが本来の調子を取り戻した夏之助はセットアッパーの座を取り戻したかに思えたが、優勝に血走った鈴木監督の酷使によって夏之助の左肘に異変が発生、診断の結果左肘に損傷が見られこれ以上投げると壊れてしまうため、医師からトミー・ジョン手術を受けるように提案された。当初は(年俸条件の関係で)渋っていた夏之介だったが、現役時代に似たような境遇で肘を壊してしまった杉浦の説得で手術を受けることになった。この年チームはレギュラーシーズンで優勝したもののCSはワイルドワンズに敗れ、鈴木監督はこの責任に加えて凡田故障についても責任を取る形で辞任。後任の監督に就任した辺見が優勝奪還のために大型補強に走った影響から1年間は一軍戦力にならない凡田の支配下枠を惜しみ、投手コーチに就任した杉浦の反対を押し切り育成枠への契約変更を強行してしまう。 移籍3年目は手術から回復しふたたび支配下枠に戻ったものの、メスを入れた影響でなかなか球速が戻らないなど故障前のコンディションとのギャップに悩まされる。そんな中、杉浦の企図した復帰プランに基づき5イニング限定の先発(しかも登板後すぐに一軍登録抹消とするため中10日以上)として起用されることになる。防御率は1軍投手としては心もとない数字ながらも脅威の勝ち運で10連勝(10勝0敗)を記録する。しかし、最後の先発でピッチャーライナーが額を直撃し負傷してしまう。 第8話で0球セーブを達成している(現実のプロ野球での達成者は2012年現在通算2名のみ)。 高校時代のあだ名はナッツ。高校時代は1年先輩のエース西浦に使いっぱしりにされるが、今の小心的な性格とは全く違い、態度が尊大であったりスパイダース所属の徳永の面前で堂々とモップスファンであることを公言したりと自信家の面が強かった。 なお、連載最初の時点では、高校ドラフト5巡目で指名されたことになっていたが、のちに7巡目で指名されたことに変更になった。 ユキちゃん 声 - M・A・O 恵比寿の食堂で働く看板娘。24歳。なかなかの美人で気立ても良く、男擦れしておらずとてもウブ。夏之介が惚れて目を付けているが、他の客も大半がユキちゃん目当てでやってくる。 大阪府出身のため大阪テンプターズの大ファンで、テンプターズ以外の選手はテンプターズの勝ち試合で印象的なプレーをした選手しか知らない。また、テレビ観戦の場合は自制できるのだが、球場へ足を運ぶと熱が入る余り人が変わってしまい、相手選手に容赦ないヤジや罵声を浴びせ、観戦に誘った人を引かせてしまう。彼女を誘った男性は二度と誘おうとは思わないため、球場に誘われるたびに、性格を良く知る食堂のオバサンに心配そうな表情をされている。 特別に運動神経が良い描写はないが、アイススケートは大得意。店での人気ナンバー1メニューで、夏之介が店を訪れるたびに注文する「から揚げチャーハン」の考案者。 常連である夏之介のことはクライマックスシリーズなどを通して少しずつ知っていき、客としても選手としても数回会話をしたことがあるものの、それが同じ人物であると気付いていなかった。店の客らに誘われてたまたま行ったスパイダーズのファン感謝祭で夏之介と握手するも、店の常連とは気づかなかった。その後夏之介が店に行った際に周りの客に気付かれ、そのことがきっかけで夏之介がプロ野球選手と知る。 4年制の大学を卒業するも、昨今の就職難に当ったため内定が取れず就職浪人をしようと思っていたが、そのことを咎めた親への反発心で調理師の専門学校へ進む。しかしそこで自身の腕を認められたこともあり、現在の境遇には満足している。 夏之介のメジャーリーグ挑戦の際に夏之介からのプロポーズを受け入れ婚約。その後、夏之介がモップスへの移籍を決めたのを機に入籍、都内のマンションで同居を始めた。 凡田 金太郎(ぼんだ きんたろう) 夏之介とユキの長男。 凡田 裕子(ぼんだ ゆうこ) 夏之介とユキの長女で春樹と双子の姉弟。 凡田 春樹(ぼんだ はるき) 夏之介とユキの次男で裕子と双子の姉弟。
※この「凡田家」の解説は、「グラゼニ」の解説の一部です。
「凡田家」を含む「グラゼニ」の記事については、「グラゼニ」の概要を参照ください。
- 凡田家のページへのリンク