偏見
「偏見」とは、偏った見方・根拠のない差別的な考え・好意的ではない判断のことを意味する表現である。
「偏見」とは・「偏見」の意味
「偏見」とは、偏った見方・根拠のない差別的な考えのもと、特定の集団や特徴的な個人・人種に対し、根拠もなく悪い評価で判断することだ。「偏見」は、差別的な意味合いを持った言葉で、基本的に良い意味で使うことはない。「偏見」を英語で表記すると、先入観という意味の「prejudice bias」である。また、固定観念という意味がある「stereotype」を使うケースも見られる。しかし、相手を見下すというニュアンスを持った「prejudice bias」の方が、より「偏見」の英語表記に適しているといえる。
広辞苑では、人種問題にも言及している。具体的には、黒人やユダヤ人に対する人種的差別は偏見の典型的な例であると表記している。また、偏見が生まれる背景には、幼少時に体験した大人とのコミュニケーションが大きな影響を与えているとも記載されている。
例えば、大人が持っている差別的考えを幼いころから聞き続けていると、知らずしらずのうちに正しい判断ができなくなってしまうことを挙げている。偏見を改善する方法としては、直接偏見を持っている対象と接する経験を持つことが重要との記載もある。
「偏見」の類語は、不当に取り扱いを区別すること・差をつけて分けることという意味がある「差別」、最初に知った知識を基に判断するという意味の「先入観」、「先入主」、「固定観念」などが挙げられる。
「偏見」の熟語・言い回し
「偏見」の熟語・言い回しは、勝手な偏見・独断と偏見・偏見的・巣喰う偏見などがある。勝手な偏見とは
勝手な偏見とは、自分でも気が付かないうちに抱いている偏った考えのことである。今までの経験や思考パターンに基づいて自然に差別的考えが生じる「アンコンシャスバイアス」と同じ意味がある言葉だ。
独断と偏見とは
独断と偏見とは、自分自身で判断して決定することである。具体的には、何かを決める際に公正・公平に判断・決定するのではなく、すべて一人の好みに基づき選択する状況のことをいう。
偏見的とは
偏見的とは、偏った考えを持った性質という意味がある。偏見という名詞の語尾に「的」が付いたことにより形容動詞化した言葉だ。ちなみに、「的」とは、~のような・~に関する・~の性質という意味がある。
ド偏見とは
ド偏見とは、極端に偏ったものの見方・考えという意味がある。ド偏見という言葉は、Twitterの「ド偏見bot」が由来だ。「ド偏見bot」は、DMで募集したド偏見をTwitter上で紹介している。主に若者が使うネット用語なので、目上の人やビジネスシーンで使ってはいけない。
巣食う偏見とは
巣食う偏見とは、差別的考えが根強いこと・ある場所や地域に偏った考えが根付いていること・凝り固まった差別的思考という意味がある。ちなみに、「巣食う」とは、あまり好ましくないものが多く住みつく、たまり場にするという意味がある言葉だ。
「偏見」の使い方・例文
「偏見」の使い方・例文は、「恋愛体質の女性に対して思慮が浅いという偏見を持っている」、「インスタグラマーは、必ず友人が多いことを強調するという偏見の目で見ている」、「私は、絵文字を多用する男性に対して、女々しいという偏見の目で見てしまう」、「彼の勝手な偏見は、いつも私を苦しめている」などがある。その他には、「今日の話し合いは、私の独断と偏見で中止することにする」、「私は、○○町に住んでいる人を偏見的な目で見てしまう」、「Twitterのド偏見botにはまり、定期的にチェックするようになった」、「私は、この地域に巣食う偏見に苦しめられている」、「私には、美意識が高い男性ほど部屋が汚いという偏見がある」、「私の父は、フルタイムで働く女性に対して偏見を持っている」なども挙げられる。
へん‐けん【偏見】
バイアス、偏り、偏見
偏見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 21:55 UTC 版)
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偏見(へんけん、英語: prejudice、bias)とは、客観的な根拠なしに共通の特徴をもつモノに対する画一的な見方をすること、特定の集団や属するモノに対して画一的な感情を抱くことをいう[1][2]。先入観、(アンコンシャス)バイアスやステレオタイプともいい[3][4]、差別と密接な関係を持つ。一般的に悪い意味として使われる。全ての人が持つとされ、「偏見がない」と主張する人は無自覚な偏見を持つ者として批判される[5][6]。
概要
偏見の言い換えとして、『バイアス』(意義的には感情バイアスあるいは認知バイアス。bias:本来『偏り』を意味する英語)という外来語が用いられる場合がある。ラテン語のpraejudiciumは経験に基づく判断を意味だったが、英語化されたprejudiceは未熟な・軽率な判断という意味の現在の偏見という言葉に当たる。 また『色眼鏡』で見る。『フィルタを通して見る』と言う言い回しも使われる。
2003年から始まった「大人のセサミストリート」と言われるパペット・ミュージカルアベニューQから「Everyone's a Little Bit Racist(皆多少は差別主義者)」という歌が出ている。この曲を、ガーディアンは本質的に誰もが、気づかないうちに、何らかの固有の偏見を持っているという事実を指摘する驚くほど洞察に満ちた曲と評価している[7][8]。
対策
精神障害者
精神障害者の障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳の表紙には『障害者手帳』と書かれ、一見して、何の障害の種類が分からないようになっている。2006年(平成18年)10月1日申請分からは証明写真を貼付されることになったが、それ以前は貼付されることはなかった。当初は貼付する予定であったが、紛失や手帳提示をしたことにより、差別等の不利益を得る可能性が大きいと、一部の精神障害者団体が反対したためである。今でも都道府県や政令指定都市によっては、本人の希望した場合は貼付け無しにすることが認められることがある[9]。
1950年代の後半に精神障害者家族会が、病院スタッフや市町村や保健所の職員の働きかけで結成している。滝沢武久によると家族会メンバーの多くは精神分裂病患者(現:統合失調症)の家族であり、さらに家族会の連合化も困難を極めた。1964年3月には駐日アメリカ合衆国大使のライシャワーが統合失調症の少年に刺される事件(ライシャワー事件)が起きた。アメリカと日本の間の重大な外交問題に発展しかねない大事件となったため、活動が停滞した。精神障害者家族会が家族側から自主的に設立されなかった背景について、滝沢は精神病患者に対する偏見が余りに強いため、家族は表面に出たがらなかったためとの意見がされている[10][11]。
脚注
- ^ 字通,世界大百科事典内言及, 最新 心理学事典,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版 日本国語大辞典,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,世界大百科事典 第2版,普及版. “偏見とは”. コトバンク. 2022年5月4日閲覧。
- ^ “偏見(へんけん)の意味 - goo国語辞書”. goo辞書. 2022年5月4日閲覧。
- ^ 小項目事典,デジタル大辞泉, 日本大百科全書(ニッポニカ),精選版 日本国語大辞典,ブリタニカ国際大百科事典. “先入観とは”. コトバンク. 2022年5月4日閲覧。
- ^ “無自覚の偏見に立ち止まる”. 西日本新聞me. 2022年5月4日閲覧。
- ^ “「私は○○に偏見がないから」にモヤる理由【アルテイシア】|ウートピ”. ウートピ. 2022年5月4日閲覧。
- ^ “偏見がない人はいない。川内有緒さん×木ノ戸昌幸さん『わたしの偏見とどう向き合っていく?』イベントレポート | こここ”. co-coco.jp. 2022年5月4日閲覧。
- ^ February 23, Florida Weekly Staff | on (2022年2月23日). ““Avenue Q” musical kind of a Sesame Street for adults - Fort Myers Florida Weekly”. Fort Myers Florida Weekly -. 2022年5月4日閲覧。
- ^ “Everyone’s a little bit racist, sometimes | Dean Burnett” (英語). the Guardian (2014年5月29日). 2022年5月4日閲覧。
- ^ 精神障害者保健福祉手帳の項参照
- ^ 精神障害者家族会の組織と活動 滝沢武久 2010年3月31日閲覧
- ^ こころの病と家族のこころ 滝沢武久 中央法規出版 ISBN 9784805811665 199~203頁
参考文献
- G.W.オルポート 著、原谷達夫、野村昭 訳『偏見の心理』培風館、1961年。doi:10.11501/3028918。 NCID BN01071804。全国書誌番号:61009576。
関連項目
偏見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 14:41 UTC 版)
日本では、(成人)男性が甘党であることを忌避したり、軟弱であるとする偏見が見受けられたが、「スイーツ男子」という言葉が登場するように、徐々に受け入れられるようになってきた。一方、ヨーロッパやインド、中近東諸国にはこのような風潮はあまり見られない。特に中近東では、飲酒が戒律によりご法度であることから甘党の男性が多く、中年の男性が砂糖をたっぷり入れたミルクティーを飲みつつ、甘い菓子を食べる姿も街角でよく見受けられる。
※この「偏見」の解説は、「甘党」の解説の一部です。
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偏見
出典:『Wiktionary』 (2021/11/17 16:46 UTC 版)
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偏 | 見 |
へん 常用漢字 |
けん 第一学年 |
音読み |
発音
名詞
翻訳
- 英語: prejudice (en)
- オランダ語: vooroordeel (nl) 中性
- スペイン語: prejuicio (es)
- チェコ語: předsudek (cs) 男性
- ドイツ語: Vorurteil (de)
- ハンガリー語: előítélet (hu)
- フィンランド語: ennakkoluulo (fi)
- フランス語: préjugé (fr)
- ポーランド語: uprzedzenie (pl) 中性
- ポルトガル語: preconceito (pt)
- ロシア語: предвзя́тость (ru) 女性, предрассу́док (ru) 男性, предубежде́ние (ru) 中性
「偏見」の例文・使い方・用例・文例
- 外国人に対する偏見
- 彼はその計画に偏見を持っていた
- 彼が他人を見る目は偏見でゆがんでいた
- 偏見と戦う
- 偏見と憎しみは互いに助長し合う
- 偏見のない人
- 偏見を持った見方で
- 偏見のない考え方をしている
- そのことで彼は私に偏見を抱くようになった
- 偏見がない
- 彼は人種的な偏見にすっかりとらわれている
- 彼はだれでも写せるカメラに偏見を持っている
- 偏見のある態度
- 彼は彼女に偏見を持っている
- 人種偏見
- 私は同性愛者に対する偏見について彼と議論した。
- クリティカルシンキングでは、自分の持っている仮定や偏見、傾向を知るために、自分自身について意識的である必要がある。
- いつものごとく、会議で偏見にとらわれずに話しを聞いて下さり、ありがとうございます。
- 偏見や差別が大嫌いです。
- それは甚だしい偏見です。
偏見と同じ種類の言葉
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