ヴォルスンガサガとは? わかりやすく解説

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ヴォルスンガ・サガ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/03 01:19 UTC 版)

フェロー諸島で発行された郵便切手に描かれた『ヴォルスンガ・サガ』の一場面。ブリュンヒルド(ブリュンヒルデ)と父ブズリ。

ヴォルスンガ・サガ』(Völsunga saga)とは、北ヨーロッパサガ(伝説物語)である。現在はアイスランド語のものが伝わっており、1260年ごろにアイスランドで書かれたとも、それ以前にノルウェーで書かれたものが翻訳されて残ったともいわれている[1]ニーベルンゲン伝説ドイツ語版英語版がその大元となっている。

ヴォルスングの一族の起源と衰退を描いており、シグルドブリュンヒルドの物語、およびブルグント族の滅亡に関する記述も含んでいる。

『ヴォルスンガ・サガ』の大部分は、『古エッダ』の『シンフィエトリの死について』などに見られるような古代の伝説に基づいている。この伝説は、古くは西暦1000年ごろに作られたとされるスウェーデンラムスンド彫刻画英語版などに見られる。しかし、その原型はずっと古く、5世紀から6世紀の間に中央ヨーロッパで起こった実際の出来事に基づいているのではないかと考えられている。

中高ドイツ語で書かれた叙事詩ニーベルンゲンの歌』は、その大部分を中世初期からドイツで広く知られていた古い物語から取っており、『ヴォルスンガ・サガ』とはその祖を同じくしているものと考えられている。しかし『ニーベルンゲンの歌』において、その伝説の骨子は中世風の設定に作り直されている。

脚注

  1. ^ 『アイスランドサガ』p.853

日本語訳

関連項目

外部リンク


ヴォルスンガ・サガ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/21 16:53 UTC 版)

ジークフリート」の記事における「ヴォルスンガ・サガ」の解説

『ヴォルスンガ・サガ』は、『詩のエッダ』並んで北欧大陸双方においてシグルズ物語が最も詳細に記載され文献である。『詩のエッダ』プロットに非常に近い筋をたどるが、著者『詩のエッダ』知っていたと示すものはない。著者ノルウェー働いていて『シズレクのサガ』知っていたと考えられており、したがって『ヴォルスンガ・サガ』は13世紀後半作られとされる。このサガでは、シグルズ物語の舞台ドイツでなくスカンディナヴィアとしている。このサガには続編ラグナル・ロズブロークのサガ』があり、ラグナル・ロズブロークシグルズブリュンヒルドの娘アスラウグ結婚するというエピソード加えられている。 『ヴォルスンガ・サガ』によればシグルズシグムンド王とヒョルディース妃の間に生まれたとされる。王は恋敵であったリュングヴィと戦って死んだシグムンドの斃れた戦場一人残されたヒョルディースは、そこでアールヴ王に見初められ結婚することになるが、彼はシグムンド遺品である毀れた剣を回収する。幾ばくもせずヒョルディースはシグルズ生むが、シグルズはヒャルプレク王の宮廷仕え鍛冶師レギンのもとで育てられた。ある日レギンシグルズに、ファーヴニル竜の守る財宝の話を聞かせる。それはドヴェルグオトの死への賠償としてオーディンロキヘーニルから支払われたものであるという。シグルズレギンに、竜を屠るための剣を作るよう頼むが、作られた剣をシグルズ鉄床打ちつけるとどれも折れてしまった。最後にシグムンド毀れた剣を打ち直してもらい、シグルズがその剣で試し切りしてみると鉄床真っ二つになったレギン財宝分け前要求するが、シグルズはまず父の仇を取ることに決める。シグルズオーディン助け得て、兵を引き連れてリュングヴィを攻め、殺す。 その後シグルズは竜を殺すべく竜の住まうグニタヘイズに向かいファーヴニル通り道掘った穴に身を隠したファーヴニルが上を通ったとき、シグルズは下からその心臓を一突きにして殺したレギン現れ、竜の血を飲み、竜の心臓料理するようシグルズに言う。シグルズ焼け具合確かめるために指で心臓触り、やけどしてしまう。指を口に入れたシグルズは、鳥の声分かるうになるたちは、レギンシグルズ殺そうとしていて、レギン殺せばシグルズ財宝独り占めしてブリュンヒルドところに行けるのに、などと話している。シグルズはこの言葉のとおりにレギン殺し財宝得てブリュンヒルドの眠る地に向かう。彼女は囲まれ、肌から直接生えているかのような鎧を着て眠っていた。シグルズは鎧を切り裂いて脱がしブリュンヒルド目覚めさせるブリュンヒルドシグルズ結婚約束をし、ブリュンヒルド義理の兄であるへイミル王の宮廷でも改め結婚を誓う。 その後シグルズはギューキ王の宮廷訪れる。妃グリームヒルドに忘れ薬飲まされシグルズは、ブリュンヒルドとの婚約をすっかり忘れてしまい、ギューキ王の娘グズルーン結婚することに同意してしまう。シグルズは、ギューキ王の息子グンナルとホグニと忠義誓いを結び、義兄弟となる。その間に、グリームヒルドはグンナル説得してブリュンヒルド結婚させようとし、ブリュンヒルド一族もそれに同意する。しかし、ブリュンヒルドは、城を廻る炎の壁越えられないのならばグンナル結婚しないという。グンナルはこれをなすことができず、グリームヒルドから教わった呪文互いの姿を交換するグンナル代わりにシグルズ炎の壁越えると、それができるのはシグルズだけのはず、とブリュンヒルドは驚く。シグルズは三晩ブリュンヒルド寝床共にするが、二人の間に剣を置いて過ごす。ブリュンヒルドグンナルグズルーンシグルズは、同じ日に結婚するある日、川で水浴びをしているグズルーンブリュンヒルドが、お互いの夫のどちらが高貴かでもめる。グズルーンブリュンヒルドに、グンナルシグルズによるぺてんを暴露し、その証拠としてシグルズブリュンヒルドとの初夜くすねた指輪見せる。激高したブリュンヒルド復讐求める。ブリュンヒルドに話をしに行ったシグルズは、お互いに愛を告白しグズルーン離婚してブリュンヒルド結婚する提案するブリュンヒルドはそれを拒否しグンナルシグルズを殺すよう求める。グンナルは、シグルズ義兄弟になっていない弟グットルムにシグルズを殺すように言う。グットルムはの肉を食べシグルズ寝室押し入り、剣で背中突き刺すシグルズ反撃してグットルムを殺しグンナル裏切ってなどいないことをグズルーン伝え、息絶えたブリュンヒルド直後自殺し二人は同じ炎で荼毘付された。

※この「ヴォルスンガ・サガ」の解説は、「ジークフリート」の解説の一部です。
「ヴォルスンガ・サガ」を含む「ジークフリート」の記事については、「ジークフリート」の概要を参照ください。

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