震度7 家屋倒壊率と震度

震度7

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/14 10:12 UTC 版)

家屋倒壊率と震度

1923年関東地震、1948年福井地震、1952年十勝沖地震では、墓石の転倒と木造建築の被害率を検討した結果、これら3つの地震は平均的に見れば同一震度で木造建物はかなり近い全壊率を生じたことが判明している[18]。さらに、家屋全壊率と死者数との関係は、1891年濃尾地震と1948年福井地震では大きく変わっておらず、少なくとも濃尾地震から福井地震に至る同一震度における家屋の全壊率は大きくは変わっていないとする研究がある[5][18]

1894年庄内地震の被害住宅の復興家屋構造の指針として、1914年に震災予防調査会が「木造耐震家屋構造要領」を出したが適用範囲は6大都市に限られていた。さらに第二次世界大戦の激化に伴い1943年から1947年までこの規定の適用は中止された[5]。事実上1950年に制定された建築基準法施行令[19]まで、ほとんどの木造家屋は耐震構造規定の洗礼を受けていないと考えられている[5]。その後耐震基準は1981年に見直され、震度7(激震)が始めて適用された1995年兵庫県南部地震当時では木造家屋の耐震性が1948年福井地震当時とは異なっており、福井地震における家屋倒壊率30 %以上の領域は兵庫県南部地震における家屋倒壊率10 %以上の領域に相当するとの見積もりがある[20][21]。福井地震の家屋被害の範囲は兵庫県南部地震より遥かに広いものであったが、強震動を評価すると両地震共計測震度7に相当すると推定される領域は限定的なものとなる[20]

また、2011年東北地方太平洋沖地震では、計測震度7を観測した栗原市築館は加速度2700 galと、兵庫県南部地震の葺合観測点の802 galより大きいものであったにもかかわらず、周辺の住宅全壊率は築館は0 %であったのに対し、兵庫県南部地震の葺合は35 %と高かった。これは東北地方太平洋沖地震では加速度が高かったのは周期0.5秒未満の短周期成分であったのに対し、兵庫県南部地震では家屋に被害をもたらしやすい周期1 - 2秒の加速度応答スペクトルが東北地方太平洋沖地震を約4倍も上回っていた為であると解釈されている[22]


注釈

  1. ^ 神戸海洋気象台(観測点名:神戸中央区中山手)の震度計(計測震度6.4)による。洲本測候所(洲本市小路谷)の震度計は地震によって壊れてしまったが気象庁職員が状況から判断して震度6とした。
  2. ^ 4月14日の地震は震度7が速報されたが、4月16日の地震は当初データが気象庁に送信されておらず、後日に気象庁職員が益城町と西原村に設置されていた震度計のデータを解析した結果、震度7を計測していたことが判明した。
  3. ^ かつての測候所は現在はそのほとんどが特別地域気象観測所に移行し気象官署でなくなったが、ここでは気象官署に含めている。
  4. ^ 兵庫県神戸市、芦屋市、西宮市、宝塚市、北淡町(現淡路市)、一宮町(同)、津名町(同)
  5. ^ JR鷹取の地震計では震度6相当。1995年当時は現地調査により震度7が適用された。
  6. ^ 同じ場所で震度7が複数回観測された史上初の事例となった[39]
  7. ^ 防災科学技術研究所の面的推定震度分布によれば、震度計で震度7が観測された石川県志賀町輪島市に加えて、珠洲市能登町穴水町七尾市でも震度7と推定される領域がある[46]。また、気象庁の推計震度分布でも、七尾市能登島で震度7と推定される領域がある。

出典

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