震源過程解析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/27 21:49 UTC 版)
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震源過程解析 (しんげんかていかいせき) とは、地震における断層面の破壊過程(震源過程)を解析することである。
概要
地震とは、断層面が破壊する現象であり、その破壊の伝播は不規則かつ不均一である。破壊伝播方向と観測点の相対的な位置関係により、同じ地震でも観測点毎に波形が異なる。 この性質を用いて、色々な方向の観測点にある地震波形から、破壊伝播の様子(震源過程)を解析することを「震源過程解析」と呼ぶ[1]。
日本の気象庁では、原則として、海外で発生したモーメント・マグニチュード(Mw、CMT解析による)7.0以上の地震、 国内で発生したMw6.5以上の地震、被害を伴うなどの顕著な地震について、遠地実体波、または、近地強震波形を用いた震源過程解析を行っている[1]。
すべり量分布図
すべり量分布図は、断層破壊による断層面上でのすべり量とすべり方向を表示した図である。 解析では、発震機構解や余震分布などに基づいて設定した 断層面をいくつかの小断層に分割し、各小断層でのモーメント解放量とすべりの方向を求める[1]。 各小断層のモーメント解放量(M0)は、M0=μDS(μ:剛性率、D:小断層面上のすべり量、S:小断層の面積)と表される。 小断層の面積(S)は既知であるため、剛性率(μ、例えば地殻内の標準値は30GPa)を与えれば、各小断層のすべり量(D)が得られる。 この各小断層でのすべり量とすべり方向がすべり量分布図に表示される[1]。
震源時間関数
震源時間関数は、断層面でのモーメント解放量の時間変化を表したものである。 震源時間関数から、地震が発生してからどのぐらいの時間で大きな破壊が起きたのか、 また、破壊がどのくらいの時間継続したのかが分かる[1]。
脚注
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