第一の破壊過程
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 04:07 UTC 版)
「東北地方太平洋沖地震及び津波のメカニズム」の記事における「第一の破壊過程」の解説
多くの震源過程解析を総合すると、東北地方太平洋沖地震の震源過程は大きく三つの段階に分けられるとの分析が受け入れられている。震源は宮城県沖で、プレート境界面上の日本列島が乗る島弧地殻が、地殻からマントルに移り変わるモホ面付近であると考えられている。震源からまず第一の破壊が始まった。破壊方向は震源から全方向に広がっているが、特に西側の宮城県沖のプレート境界深部に広がった破壊が、宮城県や岩手県の強震観測で検出された第一のピークの短周期地震波をもたらしたと考えられる。宮城県沖の震源から広がった最初の破壊は約40秒間継続し、破壊速度は1.5㎞/s程度と見られ比較的ゆっくりしたもので、また破壊の規模は続く第二段階の破壊と比較して小さい。なお、第一の破壊過程を震源周辺の3秒間の破壊と、プレート境界深部の陸地方向へ向かう40秒の破壊の2つの過程に分けるとする研究もある。 震源付近の第一の破壊過程の変位は約15メートルと開析されている。これは2003年の十勝沖地震の変位の約2倍であり、後述の海溝軸付近の大規模な第二の破壊過程に先立つ第一の破壊の段階から、通常の大地震を上回る規模の地震であった可能性が高いとされる。
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