自衛隊 各国軍隊との関係

自衛隊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 23:54 UTC 版)

各国軍隊との関係

他国の軍隊との防衛交流を図り、防衛省高官の訪問、世界各国国防省高官の招待などを繰り返している。また、自衛官と外交官の身分を併有し、駐在武官に相当する防衛駐在官を関係の深い主要国に派遣している。海上自衛隊の初任幹部を乗せた練習艦隊の派遣もこれに貢献している。

同盟国

アメリカ合衆国

2011年(平成23年)3月26日
東日本大震災東北地方太平洋沖地震)における自衛隊の災害派遣活動と在日米軍トモダチ作戦における陸上自衛隊とアメリカ陸軍アメリカの協力。

1997年(平成9年)日米両政府により締結された「SACO合意」(Special Action Committee on Okinawa沖縄に関する特別行動委員会)により、日本の国防については日本が主に対処し、米軍は補助であるという原則が、文書の上で確認された。 連携を保つための共同演習では、戦闘のほか「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」に基づく非戦闘員の救出・輸送訓練など、多様な形態の演習を定期的に実施している[59]在日米軍の全兵力は、約5万人である。

在日米軍は条約に従い日本の領土内に駐留する唯一の外国の軍隊であるが、日米地位協定の第二条第四項(b)に基づき、日米合同委員会での合意のもと在日米軍が自衛隊基地を利用することが広く行われている[60][61][62]。またエリア567のように、自衛隊の訓練空域を米軍が使う例もある。

協力国

オーストラリア

日本とオーストラリアは、双方ともアメリカ合衆国と極めて緊密な軍事関係を構築しており、その関係から防衛首脳の会談も他国と比べて頻繁に行われている。自衛隊がイラクに派遣されたときには、サマーワオーストラリア軍と共に復興活動に従事した。

オーストラリア軍の全兵力は、約9万人である。[63]

2003年(平成15年)9月、日本国防衛庁とオーストラリア国防省との間の防衛交流の発展に関する覚書に署名。

2007年(平成19年)2月15日には、外務・防衛当局の審議官級協議が行われ、自衛隊とオーストラリア国防軍の共同演習などを今後行うという方針を確認した。同年3月には、ジョン・ハワードオーストラリア首相が来日し、安倍晋三首相と「安全保障協力に関する日豪共同宣言(日豪安保共同宣言)」に署名、PKOの共同訓練、ミサイルなど大量破壊兵器遮断とテロ対策、国境を越えた犯罪予防協力など9項目での協力が成立した。

両国の外交・防衛閣僚による定期協議(2プラス2)の実施も盛り込まれ、これにより日本にとってオーストラリアは米国に次いで2番目の安保分野の協力国となった。

2008年(平成20年)12月、日本国防衛庁とオーストラリア国防省との間の防衛交流の発展に関する覚書を改定。

2010年(平成22年)5月19日には、両国は「物品役務相互提供協定(ACSA)」に署名した。日本がACSAを結ぶのは、アメリカに続き2か国目である[64][65]

2012年(平成24年)2月11日 - 24日、航空自衛隊は、アメリカ空軍オーストラリア空軍と初の3者共同訓練をアメリカ領アンダーセン空軍基地で実施した。規模は空自約330人、アメリカ空軍は約400人、オーストラリア空軍は約300人である[66]

2012年(平成24年)6月4日 - 5日に日豪共同訓練、6月6日 - 6月8日に日米豪共同訓練を実施した。九州南東方海域で海上自衛隊からは護衛艦潜水艦1隻、航空機1機。アメリカ海軍はミサイル駆逐艦原子力潜水艦1隻、航空機1機、オーストラリア海軍は駆逐艦「バララット」、オーストラリア空軍の航空機1機が参加した。

2012年(平成24年)5月、玄葉光一郎外相とオーストラリアのカー外相が外務省飯倉公館で会談、情報保護協定を締結した。

2012年(平成24年)8月31日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣している陸上自衛隊の現地支援調整所に日豪防衛協力の一環で、オーストラリア軍の要員2人を受け入れた。オーストラリア軍との情報共有を進め、現地支援調整所が担う国連やNGOとの連絡調整の効率化を図る。

2015年(平成27年)7月、米豪合同軍事演習「タリスマン・セーバー」に自衛隊が初めて参加し、日米豪で上陸訓練を行った[67]

2022年(令和4年)1月、共同訓練を行う際などの対応をあらかじめ取り決めておく「日・豪円滑化協定英語版」に署名、自衛隊とオーストラリア軍が円滑に活動できることになる[68]

イギリス

2015年(平成27年)2月17日
自衛艦隊司令部に派遣するイギリス王立海軍連絡官 サイモン・ステイリー中佐
2015年(平成27年)10月25日
航空自衛隊の美保基地を訪問したイギリス王立空軍(RAF)所属のA400Mアトラス輸送機

海上自衛隊の前身組織である大日本帝国海軍は設立時にイギリス海軍の教官が指導にあたっており、現代でも海軍カレーなどの文化が海上自衛隊に受け継がれている。

2011年(平成23年)10月31日、一川保夫防衛相はフィリップ・ハモンド英国防相と会談し、2004年(平成16年)1月に署名した旧覚書を発展させた、両国の防衛協力についての新たな覚書の策定作業を開始することで合意した[69]

F-35に敗れはしたが、イギリスは航空自衛隊の第4次F-X計画に、ユーロファイターを日本に積極的に売り込んできた。このF-Xでの積極的な売り込みの結果、日本とイギリスの間に国防関係の交流が発生した。2011年(平成23年)12月の武器輸出三原則緩和を受けて、2012年(平成24年)4月10日、野田佳彦首相はイギリスのデーヴィッド・キャメロン首相と首脳会談を行い、防衛装備品の共同開発・生産を早期に開始することで合意した[70]。2013年3月、テロへの対処能力を向上させるため「化学防護服」を共同開発する方針で調整していることが判明している[71]

2012年(平成24年)6月、「日英防衛協力覚書」を取り交わす。

2012年(平成24年)7月7日、イギリスのフェアフォード王立空軍基地(RAF Fairford)で開催されるロイヤル・インターナショナル・エア・タトゥー(RIAT)に、初めて航空自衛隊のKC-767Jが参加した。

2015年(平成27年)7月14日、イギリスのフェアフォード王立空軍基地でのロイヤル・インターナショナル・エア・タトゥーに海上自衛隊のP-1が2機参加した。

2017年(平成29年)1月26日、ロンドンにおいて両国は「物品役務相互提供協定(ACSA)」に署名し、8月18日に外交上の公文を交換し発効した[72]。日本がACSAを結ぶのは、アメリカ、オーストラリアに続き3か国目である。

2018年9月30日から10月12日まで、陸自の約60人と英陸軍の約50人が参加して富士学校や北富士演習場など3カ所で行われる、陸自が国内で米軍以外と2国間訓練を行うのは初めてだという[73][74][75]

2021年9月8日、イギリス海軍空母クイーンエリザベスが、横須賀に初寄港。

2023年1月11日、ロンドンにおいて円滑化協定に署名[76]。オーストラリアに続き2か国目。

インド

インド海軍艦艇の初訪日は1969年(昭和44年)。また、2007年(平成19年)4月16日には、日米印3ヶ国間訓練が初めて実施された。房総南方海域で行われ、海上自衛隊からは第1護衛隊群司令の指揮する護衛艦4隻、米海軍からは第5空母打撃群司令の指揮する駆逐艦2隻、インド海軍からは東部方面艦隊司令官であるR・K・ドワン海軍少将の指揮する駆逐艦「マイソール」とミサイルコルベット艦「クタール」、補給艦ジョティ」が参加し、通信訓練、近接運動、戦術運動等が行われた。

2006年(平成18年)3月、国連平和維持活動の国際連合兵力引き離し監視軍の派遣(自衛隊ゴラン高原派遣)で、ゴラン高原で同一宿営地に住居し、給食業務等を共同で行なっている。

2008年(平成20年)10月には、両国首脳が日印安全保障協力共同宣言に署名し、日本にとって、インドはアメリカ、オーストラリアに次いで、安全保障分野で正式な協力関係を結んだ3番目の国となった[77]

また、インドは国防の充実を図るため、これまで武器の輸出を事実上禁止してきた武器輸出三原則の緩和を睨み、防衛関連技術に関する協力強化を求める方針を示唆している[78]

2012年(平成24年)には、海上自衛隊とインド海軍による2国間演習を実施することを決めた。中国への対抗を目的としている[79]

日本とインドの交流は、2006年(平成18年)3月に森陸幕長がインドに訪問、2007年(平成19年)4月にシン陸軍参謀長、2009年(平成21年)8月にカプール陸軍参謀長が来日、2011年(平成23年)2月には火箱陸幕長がインドを訪問した。2011年(平成23年)8月にはインド陸軍の准将以下4人が富士総合火力演習を研修し、2012年(平成24年)1月には富士学校の陸自幹部がインドのトプチ火力演習を研修している。日本はインドに防衛駐在官を置き、インド防軍幕僚大学に留学生を送っているほか、インド陸軍も陸上自衛隊幹部学校の指揮幕僚課程(CGS)多国間セミナーなどに参加している。また、ゴラン高原の国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)に派遣されている陸上自衛隊ゴラン高原輸送隊は、現地でインド陸軍とともに後方任務に当たっている。

2013年(平成25年)には、インドの防衛駐在官を陸海空の3人に強化する方針を決めた。3人体制はに続く5カ国目であり、近隣諸国や同盟国以外では初めてとなる[80]

2020年(平成2年)9月9日、ニューデリーにおいて両国は「物品役務相互提供協定(ACSA)」に署名し、2021年6月11日に外交上の公文を交換し7月11日発効した[81]。日本がACSAを結ぶのは、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランス、カナダに続き6か国目である。

ドイツ

日本とドイツは、2024年(令和6年)1月、日・独物品役務相互提供協定(日独ACSA)への署名を実施した[82]

フィリピン

日本とフィリピンは、2006年(平成18年)6月に日比防衛首脳会談を行うなど、定期的に防衛首脳、次官級の交流を行なっている[83]。2012年3月から4月にかけて行われるアメリカとフィリピンの合同演習に自衛隊が参加することが決定した[84]。また、フィリピン軍の基地や訓練施設を、自衛隊が共同使用することも検討されている[85]

2013年(平成25年)には、フィリピンを襲った台風ヨランダの甚大な被害を救援するため、フィリピン政府に要請に基づき、過去最大の1180人からなる海外派遣が行われた[86]

2016年(平成28年)5月、日本から最大5機のTC-90フィリピン海軍へ有償貸与する事が両国間で合意した。自衛隊装備の他国供与第一号となる。南シナ海での監視能力強化を図りたいフィリピンはP-3C対潜哨戒機を希望していたが、高度な運用能力を要するP-3Cに代わり、より扱い易いTC-90の移転が前年から検討されていた[87]。 専用の哨戒装備を持たないTC-90であっても、フィリピン海軍現有のBN-2に比べて大幅な能力向上が見込める。 防衛省においては、人道支援・災害救援での能力向上を挙げている[88]

ベトナム

2011年(平成23年)10月24日、ベトナムフン・クアン・タイン国防相が来日し、防衛省で「日越防衛協力・交流に関する覚書」を交わし、海上安保における協力関係を確認した[89]。防衛大学校ではベトナム軍少尉候補生の交換留学の受け入れを継続的に行っている。

フランス

2010年(平成22年)5月には、外薗健一朗航空幕僚長フランスを訪問し、同年9月にはピエール・フランソワ・フォリシェフランス海軍参謀長が来日するなど、日本とフランスは友好的な交流を続けている[90]

2011年(平成23年)10月に、「日仏情報保護協定」を締結した。

2012年(平成24年)2月22日には、ヴァンデミエール佐世保港へ入港[91]。2月27日、海上自衛隊およびアメリカ海軍と共同訓練をおこなった[92]。また、武器輸出三原則緩和を受けて、武器や防衛装備品の共同開発・生産を進める方向で調整されている[93]

2017年(平成29年)6月19日、 パリ航空ショーにP-1哨戒機1機が地上展示された。

2018年(平成30年)7月13日 パリにおいて両国は「物品役務相互提供協定(ACSA)」に署名し、2019年5月27日に外交上の公文の交換を完了、6月26日発効した[94]。日本がACSAを結ぶのは、アメリカ、オーストラリア、イギリスに続き4か国目である。

カナダ

2010年(平成22年)11月、カナダと「日加政治・平和安保共同宣言」を発表。

2018年(平成30年)4月21日 トロントにおいて両国は「物品役務相互提供協定(ACSA)」に署名し、2019年6月18日に外交上の公文を交換、7月18日発効した[95]。日本がACSAを結ぶのは、アメリカ、オーストラリア、イギリス、フランスに続き5か国目である。

イタリア

2012年(平成24年)6月、イタリアと「日伊防衛交流・協力の意図表明文書」に署名した。

シンガポール

2009年(平成21年)12月、シンガポールは日本にとって東南アジアで最初の防衛協力・交流の覚書を締結した国である。拡大ASEAN国防相会議で防衛医学分野の専門家会合の共催。

モンゴル

2012年(平成24年)1月、「日モンゴル防衛協力・交流の覚書」を署名した。また、モンゴルが主催したPKO多国間訓練「カーン・クエスト」に自衛隊が参加している[96]

バーレーン

2012年(平成24年)4月、バーレーンと「日バーレーン防衛交流に関する覚書」を署名した。

ケニア

2024年(令和6年)2月、ケニアと「日ケニア防衛協力・交流に関する意図表明文書」を署名した[97]

その他

北大西洋条約機構

2010年(平成22年)6月に北大西洋条約機構(NATO)と「日・NATO情報保護協定」を締結している[98]

ジブチ共和国

アフリカジブチには自衛隊初の海外活動拠点がある。ジブチ国際空港の北側の土地約12ヘクタールを借り上げて、司令部庁舎・隊舎・P3C哨戒機の整備用格納庫・体育館などがある。

周辺諸国

中国

2009年(平成21年)11月6日
漢級原子力潜水艦領海侵犯事件では、海上自衛隊のP-3C哨戒機が海上警備行動に基づき、アクティブソノブイなどを投下して中国の潜水艦を追跡した。

日本政府尖閣諸島は日本固有の領土であり、領有権問題は存在しないとしているが、1971年(昭和46年)に地下資源埋蔵の可能性が確認されて以降、中国政府は尖閣諸島の領有権を主張し、日本が沖ノ鳥島排他的経済水域を設定していることに異議を唱えている。吉林省新疆ウイグル自治区はミサイル基地が存在し、通常弾頭、核弾頭双方の中距離弾道ミサイル約25基の照準を日本の主要都市や在沖縄米軍基地へ向けている可能性が指摘されており[99]、アメリカ海軍の空母機動部隊の軍事プレゼンスを排除する目的で、対艦弾道ミサイルの能力向上と配備を推進している。また、日本領海内を潜水航行する原子力潜水艦を海上自衛隊が追跡した漢級原子力潜水艦領海侵犯事件の事例がある。中国人民解放軍の全兵力は約230万人である。

2007年(平成19年)11月、中国海軍のミサイル駆逐艦深圳」が中国艦艇では戦後初めて日本に親善入港した[100]

2008年(平成20年)に発生した四川大地震では海上自衛隊の護衛艦が海南島に援助物資を緊急輸送した。

2009年(平成21年)11月、中国海軍の練習艦鄭和」が江田島に入港した[101]

2010年(平成22年)4月、東シナ海で中国海軍の軍事訓練を監視中の護衛艦あさゆきに中国海軍の哨戒ヘリが異常接近する威嚇行為事件が発生した。

2013年(平成25年)1月、東シナ海で中国海軍フリゲートが護衛艦ゆうだちを射撃管制レーダーでロックオンする中国海軍レーダー照射事件が発生した。

2019年(令和元年)10月、令和初の国際観艦式に招待されて初参加した中国海軍の艦艇が日本に寄港するも令和元年東日本台風(台風19号)で観艦式は中止となり[102]、8年ぶりかつ日本近海で初の共同訓練を海上自衛隊と行った[103]

2021年(令和3年)10月、中国海軍とロシア海軍の軍艦10隻が、対馬海峡津軽海峡大隅海峡を航行した。

2022年(令和4年)8月、中国軍が、台湾周辺での軍事作戦を実施した。

ロシア

ロシアは日本と北方領土問題を有している。歴史的には日ソ中立条約の背信行為やシベリア抑留などが禍根となっている。不定期に電子戦機爆撃機を日本領空付近まで進出させ、電子情報の収集などを行なっており、この場合は、航空自衛隊によるスクランブルを受ける。また、情報収集艦を日本近海に配置して海上からも電子情報の収集および潜水艦を展開するための海洋観測をおこない、海上自衛隊による監視の対象となっている。ロシア軍の全兵力は約100万人である。

1970年(昭和45年)陸上自衛隊第11戦車大隊は、占守島の戦い赤軍ソ連陸軍)の侵攻を撃砕した日本陸軍の士魂精神を受け継ぎ「士魂戦車大隊」と命名された。

1996年(平成8年)に海上自衛隊艦艇がウラジオストクを訪問して以来、毎年艦艇の相互訪問を行っている。1998年(平成10年)以降は捜索・救難共同訓練を行っている。「日露海上事故防止協定」も結んでいる。

1999年(平成11年)に「日露防衛交流に関する覚書」を締結した。

2002年(平成14年)10月には、海上自衛隊50周年を記念した国際観艦式に招待されソ連海軍時代を含めて初めてロシア海軍潜水艦の日本寄港があった。

2006年(平成18年)に「日露防衛交流に関する覚書」を改定した。

2012年(平成24年)に「日露防衛交流に関する覚書」を改定した。安全保障分野で日露両政府の協力関係を拡大する。

2021年(令和3年)10月、中国海軍とロシア海軍の軍艦10隻が、対馬海峡津軽海峡大隅海峡を航行した。

北朝鮮

2006年(平成18年)の北朝鮮のミサイル発射実験によって、テポドン2号が着弾したと推測される海域(青色)

北朝鮮は韓国およびアメリカ合衆国(国連軍)と休戦中であり、準戦時状態を維持していることから、事実上の軍事同盟国である日本も敵視している。また、北朝鮮の工作員による日本人の拉致が行われている。

また、北朝鮮は、国際的に非難を浴びた度重なる核実験の強行と、度重なる北朝鮮によるミサイル発射実験により、日本と高い軍事的緊張状態にある。日本は北朝鮮の船の入港禁止、および輸出入の全面禁止という経済制裁を実施しており、事実上、北朝鮮とは断交状態にある[104]

防衛白書では北朝鮮による核兵器や、化学兵器、生物兵器などの保有を「重大な脅威」と公式表明し、自衛隊は朝鮮人民軍を特に強く警戒している。

朝鮮人民軍の全兵力は約190万人である。

2008年(平成20年)5月31日、人民軍上層部が「日本の反動勢力は、日本列島がわが革命的武装力の容赦ない打撃圏内にあるということをひとときも忘れてはならない」と警告し敵対姿勢を改めて鮮明にしている。

日本国内には、北朝鮮のミサイル攻撃への抑止力となる反撃能力と有事法の整備を求める世論がある。

2014年(平成26年)現在、北朝鮮は核弾頭の小型化に成功し、多数のノドンミサイルで日本を核攻撃できる能力を既に備えていることが米韓当局から確実視されており、更に日韓両国を黄海上から核攻撃できる潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の開発もかなり進展しているとされ[105]、日朝の軍事関係は緊張が高まっている。

韓国

日韓海軍捜索・救助訓練

日本と韓国とは竹島(韓国名:独島)の領有権問題を抱えている。一方、アメリカ合衆国を介した間接的な協力関係にもある。中曽根内閣時代に日米韓関係の強化が図られ、合同訓練、武官の交換や学生の留学、艦艇の派遣や音楽隊の派遣・招致など防衛交流がある。

大韓民国国軍の全兵力は約62万人である。

1994年(平成6年)から海上自衛隊と韓国海軍との間で艦艇の相互訪問が開始された。

1999年(平成11年)には初の捜索・救難共同訓練を行った。

2013年(平成25年)日本政府及び自衛隊は国際連合、韓国軍からの要請により韓国軍南スーダンPKO部隊に弾薬1万発を供与した。

2018年(平成30年)韓国国際観艦式に海上自衛隊の護衛艦の参加を要請されたが、参加条件として自衛艦旗の掲揚を自粛するよう韓国政府から求められたため、日本政府は韓国国際観艦式に参加することを中止した[106]。また、2018年12月20日には 能登半島沖で韓国海軍クァンゲト・デワン」級駆逐艦から厚木基地の海上自衛隊第4航空群所属P-1が火器管制レーダーを照射された韓国海軍レーダー照射問題が発生した[107]

台湾

国交のない台湾中華民国)とは、具体的な軍事的交流もない。台湾も尖閣諸島の領有を主張していて、日本との領有権に関する問題があり、民間船舶の他、海巡署の巡視船がしばしば領海侵犯を起こしている。台湾の航空機が、航空自衛隊によるスクランブルの対象になる事案は、ロシア、中国についで三番目に多い[108]

2008年(平成20年)3月13日、防衛省の高見沢将林防衛政策局長は、「台湾有事は日本の問題」であり、周辺事態法の適用可能性もあると語り、自衛隊にとって台湾の政治事情は重要である認識を示した[109]

また、アメリカの沖縄占領時アメリカ空軍が設定していた防空識別圏を、日本はそのまま引き継いだため、与那国島の西側2/3は台湾の防空識別圏として扱われるようになった。日本と台湾に重要な懸案が無かったため、このことは長年、重大な問題にはならなかったものの、与那国島の島民を含む沖縄県では、自分たちの空の一部を外国の軍が管理するという現状に不安を持っていた[110]台湾軍の全兵力は、約30万人である。

2010年(平成22年)5月26日、防衛省は長年放置されていたこの問題を解消するため、防空識別圏の見直しを検討する方針を示し、台湾側にも通知した[111]台湾外交部は遺憾の意を表明し、認めないことを明言している[112]

防衛省は2010年(平成22年)6月24日、防空識別圏見直しについての防衛省訓令を翌6月25日から実施することを発表した[113]


注釈

  1. ^ 航空自衛隊は、2027年までに"「航空宇宙自衛隊」に改称される。
  2. ^ 栗栖弘臣は、2000年に上梓した『日本国防軍を創設せよ』中でこう述べた――「国民の生命、身体、財産を守るのは警察の使命(警察法)であって、武装集団たる自衛隊の任務ではない。自衛隊は『国の独立と平和を守る』(自衛隊法)のである。『国』とは、わが国の歴史、伝統に基づく固有の文化、長い年月の間に醸成された国柄、天皇制を中心とする一体感を享受する民族、家族意識である。決して個々の国民を意味しない」。
  3. ^ 防衛省職員自衛官のほか事務官等(防衛書記官防衛部員など)から構成されているが、そのほとんどは同時に自衛隊員でもある。
  4. ^ 「自衛隊」の定義について規定する自衛隊法第2条第1項には「政令で定める合議制の機関並びに防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)第四条第二十四号又は第二十五号に掲げる事務をつかさどる部局及び職で政令で定めるものを除く」との除外規定が含まれており、防衛省に属する機関のうち独立行政法人評価委員会、防衛人事審議会、自衛隊員倫理審査会、防衛調達審議会、防衛施設中央審議会、防衛施設地方審議会、捕虜資格認定等審査会、防衛省地方協力局労務管理課については「自衛隊」の範囲から除外されている(自衛隊法施行令第1条第1項・第2項)。従って、「自衛隊」と「防衛省」とでは組織の範囲が完全に一致するわけではない。
  5. ^ ごく稀に、自衛隊そのものも自らを「軍」と呼称することがある。例: modchannel - 昭和36年防衛庁記録(1分17秒からの統幕会議に関する説明において)
  6. ^ 方面総監旗、師団長旗、旅団長旗、団長旗、海将旗、海将補旗、代将旗、隊司令旗(甲)、隊司令旗(乙)、長旗、先任旗、航空総隊司令官旗、航空方面隊司令官旗、航空混成団司令旗、航空支援集団司令官旗、航空教育集団司令官旗、航空開発実験集団司令官旗、航空団司令旗、第83航空隊司令旗、航空警戒管制団司令旗、航空救難団司令旗、飛行開発実験団司令旗、航空医学実験隊司令旗及び航空安全管理隊司令旗。
  7. ^ 1999年の第13旅団が編成されるまでは、桜星は階級では無く部隊規模を示していた。例としては、桜星3個が方面総監・2個が師団・1個が団及び将補が指定階級の部隊長等となっていた
  8. ^ 統合幕僚長陸上幕僚長海上幕僚長航空幕僚長
  9. ^ 但し、かつては桜星1個の団旗も存在していた。北恵庭駐屯地資料館に帽章に桜星1個の戦車団旗として現存、詳細は東長崎機関を参照
  10. ^ 学説については野中俊彦高橋和之中村睦男高見勝利『憲法(1)第4版』(2006年)有斐閣、164-166頁も参照のこと。
  11. ^ 違憲判決として、2009年現在、1973年の長沼ナイキ事件札幌地方裁判所判決、2008年4月17日のイラク派遣事件の名古屋高等裁判所判決、の2例があるが、いずれも下級審の判決である。
  12. ^ 1999年(平成11年)9月13日、参議院予算委員会における大森内閣法制局長官の答弁を参照
  13. ^ 1967年(昭和42年)3月31日参議院予算委員会における増田甲子七国務大臣の答弁。これは、1954年(昭和29年)4月1日衆議院内閣委員会における木村篤太郎国務大臣の発言等を前提としたもの。
  14. ^ 佐々淳行の次男が通っていた小学校の日教組組合員の女教師が、父親が警察官・自衛官である生徒を立たせて「この子達の親は悪人です!」と吊し上げた。佐々は激怒し、教師は家庭訪問を行ったが、その席で反省の弁は無く、自民党や自衛隊、警察を口汚く罵るばかりであったが、教育委員会に訴え出て免職させると佐々が言うと、教師は一転して土下座して謝罪しはじめた。この際、この教師は「日教組の組織をあげて戦う」と発言したという[167]
  15. ^ 産経新聞社会部次長大野敏明は、1996年2月2日付産経新聞東京夕刊において、「自衛隊員の息子として教師から虐めを受け、登校拒否になった」「同じく自衛官の息子だった友人は内申書の評価を下げられた、親の職業を言いたがらない者もいた」と述べている。
  16. ^ 最も被害の大きかった広島県では、土砂崩れや土石流が多発して死者・行方不明者が31人に上った。6月29日の夕方から被害が拡大しはじめ、死者・行方不明者が続々と確認される中、20時の時点で自衛隊から広島県に対して災害派遣要請の必要性の確認が行われた。これを受け広島県は広島市の意向を確認したが、広島市は自衛隊の派遣は必要ないとして断っている。一夜明けた30日、被害はさらに拡大。結果、6月30日午前4時の時点で広島市は県へ災害派遣要請を行った。産経新聞は1999年7月1日の記事で『秋葉忠利・広島市長は「何かできなかったかという思いはある。教訓として生かしたい」と述べたそうだが、冗談ではない。その能力を十分に持っている自衛隊を活用する気がなかったとしか思えない。自分のイデオロギーのために広島市民の生命をないがしろにした、重大なる「人災」と言っても過言ではないだろう』と批判した。この件では、広島市が対策に忙殺されており、広島県も災害対策本部の設置が遅れ、情報を消防庁に送ることが遅滞していたため、国土庁総理大臣官邸に連絡することが出来ないまま時間が経過していた。災害派遣要請の決め手となる被害地域の航空写真が広島市消防局長の手元に届いたのは30日午前零時であり、その4時間後には広島県知事に対して自衛隊派遣要請が行われている[169][170][171]

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