自衛隊でのCQB訓練
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 14:01 UTC 版)
日本の自衛隊では、戦車砲を含む直射火器の射程内における戦闘行為を既に「近接戦闘」と総称していたため、比較的新しい概念であるCQBに相当する状況を特に区別する場合には「人対人の至近距離戦闘」「閉所戦闘」などの表現が使われる。 自衛隊は、もともと大規模な侵略行為に対しての対処をしてきた。しかし、ソビエト連邦の崩壊や、アメリカ同時多発テロ事件などの世界情勢の変化によって、特に陸上自衛隊は大規模な侵略行為だけでなく、テロリストやゲリラが市街地などに侵入した際の対策を強化している。 2001年12月に発生した北朝鮮の工作船事件などから、このような船で特殊部隊や工作員が上陸する可能性への警戒が強まった。事実上の空白地帯だった九州南西部の防衛を担う西部方面普通科連隊が創設されたのをきっかけに、他の全国の陸上自衛隊の部隊でも対ゲリラ・特殊部隊(ゲリラコマンド)や対テロ対策のための試みが行われている。近年は各地の駐屯地祭などでも市街地での戦闘などが訓練展示として行われており、89式小銃型の電動ガンを使用した近接戦闘訓練も一部の部隊で実施されている。 陸上自衛隊だけではなく、航空自衛隊の基地防衛を任務とする基地警備隊も市街地戦闘を重視した訓練を行っている。基地警備教導隊がその中心である。海上自衛隊や海上保安庁でも船舶の臨検などにおいて、こうした近接戦闘訓練を行っているとされる。
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