下痢 原因

下痢

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/14 17:35 UTC 版)

原因

通常、便は大腸内にて水分ミネラル吸収された上で排出されるが、何らかの原因で水分を多分に残したまま便意を催して排便されることがある。浸透圧により、腸壁から腸管内に水分が排出される。これが下痢である。

治療方針を決定するため原因鑑別を行う。

  • 内的要因
    • 吸収不良
    • 消化管の器質的異常
      • 消化管穿孔、炎症性腸疾患、悪性腫瘍
    • 消化管の機能的異常
      • 便の大腸から回腸部への逆流[7]
  • 外的要因
    • 食中毒
      • 病原性、腐敗物の喫食
      • 化学物質、薬剤
    • 生活習慣
      • 飲酒、過食、冷熱刺激
    • ストレス
      • 過敏性腸症候群

腹痛を伴わない、何らかの摂取物や疾病による症候としての下痢(機能性下痢)としては[8]

  • 食物起因性、薬剤起因性、乳糖不耐性、胆汁酸吸収不良、セリアック病、ランブルべん毛虫症、慢性膵機能不全、クローン病、顕微鏡的大腸炎、小腸内細菌の異常増殖、全身疾患に伴う下痢、腸管スピロヘータ
  • 下痢を伴う全身疾患の例[8]
    • 内分泌疾患(糖尿病、甲状腺機能亢進症、アジソン病)
    • ホルモン.生理活性物質産生腫瘍(カルチノイド症候群、WDHA症候群、ゾリンジャー=エリソン症候群、甲状腺髄様癌)
    • 免疫不全状態(AIDS、低ガンマグロブリン血症)
    • 心不全
    • 食物アレルギー
    • 吸収不良症候群
    • 蛋白漏出性胃腸症

感染症

感染性の下痢は、ウイルス、細菌、寄生虫など多くの原因がある[10]。感染性下痢はよく胃腸炎に関連づけられる[11]

成人の下痢で最も一般なのはノロウイルスであり[12]、5歳以下児童の下痢で最も一般なのはロタウイルスである[13]。さらにアデノウイルスタイプ40,41や[14]、アストロウイルスによる感染性下痢も一般的である[15]

また赤痢コレラ病原性大腸菌などによる感染症や、クリプトスポリジウムといった病原性原虫寄生虫の寄生でも発生し、に至る場合もある。

吸収不良

小腸、膵臓の障害により、栄養分の吸収が十分にできないことによる。

炎症性腸疾患

過敏性腸症候群

そのほか


  1. ^ a b c d e whqlibdoc.who.int (PDF)”. World Health Organization. 2012年7月19日閲覧。
  2. ^ The global burden of disease: 2004 update (Report). 世界保健機関. Part.4 Table 12: Leading causes of burden of disease (DALYs), all ages, 2004. ISBN 9241563710. http://www.who.int/healthinfo/global_burden_disease/2004_report_update/en/. 
  3. ^ a b c Diarrhoeal disease Fact sheet N°330 (Report). http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs330/en/. 
  4. ^ a b c d 小林健二、「下痢止めはいつ投与する?」JIM., No.18(9), doi:10.11477/mf.1414101515
  5. ^ ブリストル便性状スケール(BSスコア) ヤクルト中央研究所
  6. ^ Mortality and Burden of Disease Estimates for WHO Member States in 2004 (xls)”. World Health Organization. 2012年7月19日閲覧。
  7. ^ a b 洲崎文男, 寺澤捷年、宿便についての一考察.について 『日本東洋医学雑誌』 Vol.66 (2015) No.2 p.173-174, doi:10.3937/kampomed.66.173
  8. ^ a b c 穂苅量太, 三浦総一郎、「5.機能性下痢や機能性便秘へのアプローチ―診断特にIBSとの鑑別,一般的治療法-」 『日本内科学会雑誌』 2013年 102巻 1号 p.77-82, doi:10.2169/naika.102.77
  9. ^ 奥恒行、「難消化吸収性糖質の消化・発酵・吸収ならびに許容量に関する研究」『日本栄養・食糧学会誌』 2005年 58巻 6号 p.337-342, doi:10.4327/jsnfs.58.337, 日本栄養・食糧学会
  10. ^ Navaneethan U, Giannella RA (November 2008). “Mechanisms of infectious diarrhea”. Natgyure Clinical Practice Gastroenterology & Hepatology 5 (11): 637–47. doi:10.1038/ncpgasthep1264. PMID 18813221. 
  11. ^ David Schlossberg (2008). Clinical Infectious Disease. Cambridge University Press. p. 349. ISBN 9781139576659. https://books.google.ca/books?id=-wWY1_mSeq0C&pg=PA349. 
  12. ^ Patel MM, Hall AJ, Vinjé J, Parashar UD (January 2009). “Noroviruses: a comprehensive review”. Journal of Clinical Virology 44 (1): 1–8. doi:10.1016/j.jcv.2008.10.009. PMID 19084472. 
  13. ^ Greenberg HB, Estes MK (May 2009). “Rotaviruses: from pathogenesis to vaccination”. Gastroenterology 136 (6): 1939–51. doi:10.1053/j.gastro.2009.02.076. PMC: 3690811. PMID 19457420. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3690811/. 
  14. ^ Uhnoo I, Svensson L, Wadell G (September 1990). “Enteric adenoviruses”. Baillière's Clinical Gastroenterology 4 (3): 627–42. doi:10.1016/0950-3528(90)90053-J. PMID 1962727. 
  15. ^ Mitchell DK (November 2002). “Astrovirus gastroenteritis”. The Pediatric Infectious Disease Journal 21 (11): 1067–9. doi:10.1097/01.inf.0000036683.11146.c7. PMID 12442031. 
  16. ^ 猪熊哲朗 ほか、「穿孔性腹膜炎をきたした小腸結核の1例」日本消化器病学会雑誌 Vol.98 (2001) No.5 P553-558, doi:10.11405/nisshoshi1964.98.553
  17. ^ 米沢健 ほか、「穿孔性腹膜炎を起したアメーバ赤痢の2手術例」『日本臨床外科医学会雑誌』 Vol.42 (1981) No.3 P322-328, doi:10.3919/ringe1963.42.322
  18. ^ 浅野史雄 ほか、「腹膜炎症状で発症し異所性膵を伴った成人回腸重複腸管の1例」『日本臨床外科学会雑誌』 2009年 70巻 7号 p.2008-2012, doi:10.3919/jjsa.70.2008, 日本臨床外科学会
  19. ^ 腸管出血性大腸菌Q&A 厚生労働省


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