エムエス‐ティーファイブ【MS-T5】
読み方:えむえすてぃーふぁいぶ
⇒さきがけ
さきがけ
分類:月・惑星探査
名称:試験惑星探査機「さきがけ」(MS-T5)
小分類:彗星・小惑星探査
開発機関・会社:宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
運用機関・会社:宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げ年月日:1985年1月8日
運用停止年月日:1999年1月7日
打ち上げ国名・機関:日本・宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構(JAXA))
打ち上げロケット:M-3SII
打ち上げ場所:鹿児島宇宙空間観測所(KSC)
さきがけは、日本で初めて、地球重力圏から脱出して太陽を周回する人工惑星です。
1985年、76年ぶりに回帰してきたハレー彗星の探査のために打ち上げられました。太陽風イオン観測器と飛翔体試験装置を搭載して、のちに打ち上げられたすいせいとともに1986年3月、ハレー彗星を観測しました。
1.どんな形をして、どんな性能を持っているの?
円筒形をしており、上面に楕円形のアンテナが取り付けられています。重量は138kgです。
2.どんな目的に使用されたの?
さきがけはハレー彗星を観測する技術修得をするために開発されました。
3.宇宙でどんなことをし、今はどうなっているの?
あとから打ち上げられたすいせいとともにハレー彗星に接近して観測し、貴重なデータをもたらしました。
軌道図
※参考文献/大林辰蔵・監修「日本の宇宙科学1952→2001」東京書籍、山中龍夫・的川泰宣・著「宇宙開発のおはなし」日本規格協会
さきがけ (探査機)
(MST5 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/23 13:40 UTC 版)
ハレー彗星探査試験機 「さきがけ(MS-T5)」 |
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さきがけ
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所属 | 宇宙科学研究所(ISAS) |
主製造業者 | 日本電気 |
国際標識番号 | 1985-001A |
カタログ番号 | 15464 |
状態 | 運用終了 |
目的 | すいせい(PLANET-A)の試験機 |
観測対象 | ハレー彗星、惑星間空間 |
打上げ機 | M-3SIIロケット 1号機 |
打上げ日時 | 1985年1月8日04:26 |
最接近日 | 1986年3月11日 |
運用終了日 | 1999年1月7日 |
停波日 | 1999年1月8日 |
物理的特長 | |
本体寸法 | ⌀1.4m x 0.7m |
質量 | 138kg |
発生電力 | 100W |
主な推進器 | ヒドラジン1液スラスタ |
姿勢制御方式 | スピン安定方式 |
軌道要素 | |
周回対象 | 太陽 |
軌道 | 楕円軌道 |
軌道周期 (P) | 約319日 |
観測機器 | |
SOW | 太陽風イオン観測器 |
PWP | プラズマ波観測器 |
IMF | 太陽風・惑星間空間磁場観測器 |
さきがけ (MS-T5) は日本の宇宙科学研究所が初めて打ち上げた惑星間空間探査機(人工惑星)である。開発・製造は日本電気が担当した。1985年1月8日に鹿児島宇宙空間観測所からM-3SIIロケット1号機で打ち上げられた。
さきがけは、ハレー彗星を探査する すいせい(PLANET-A)の試験探査機として打ち上げられた。ハレー彗星の探査の他に、新たに改良された M-3SIIロケットの性能確認や深宇宙探査技術の習得などを目的としていた。姉妹機であるすいせいと異なり、さきがけには撮像装置は搭載されていない。
さきがけの打上げに先立つ1984年10月31日には、PLANET計画のための受信アンテナとして臼田宇宙空間観測所が新設され、64 mパラボラアンテナが建設された。
1986年3月11日には国際協力による探査機群・ハレー艦隊の一員としてハレー彗星に699万kmまで接近し、彗星付近の太陽風磁場やプラズマを観測した。
1987年に日本の探査機としては初の地球スイングバイを行って軌道を変更し、1992年1月7日から1月9日に掛けての地球スイングバイ(最近接距離8万キロ)で、日本の探査機として初めて、地球磁気圏の尾部から頭部へと突き抜ける磁気圏断面観測を行った。 1992年の地球スイングバイによって、更に軌道を変更した“さきがけ”は、地球と並走して太陽を公転する軌道に投入された。以降の“さきがけ”は、時折、地球の引力圏内(約150万キロ)に入りながら、地球からの距離を4000万キロ以内に保ち、太陽風と地球磁気圏との相互作用の観測を行った(これは、元々地球近傍にて太陽風と地球磁気圏の相互作用の観測を行っており、その後月スイングバイによりハレー彗星観測を行ったISEE-3とまったく逆の経緯である)。
1998年にはジャコビニ・ツィナー彗星への接近観測を行う計画も検討されたが、推進剤が不足していたために断念され、1999年1月8日に探査機の送信機が停止されて運用を終了した。
外部リンク
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