ジャコビニ・ツィナー彗星とは? わかりやすく解説

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ジャコビニツィナー‐すいせい【ジャコビニツィナー×彗星】


ジャコビニ・ツィナー彗星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/11 09:52 UTC 版)

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ジャコビニ・ツィナー彗星
21P/Giacobini-Zinner
彗星
周期彗星の一覧 / 非周期彗星の一覧
ジャコビニ・ツィナー彗星。
NASA/JPL撮影。
発見
発見者  ミシェル・ジャコビニ
エルンスト・ツィナー(再発見)
発見日  1900年12月20日(ジャコビニ)
1913年10月23日(ツィナー)
符号・別名  21P/1900 = Y1 1900 III = 1900c =
21P/1913 U1 = 1913 V = 1913e =
1926 VI = 1926e =
1933 III = 1933c =
1940 I = 1939l =
1946 V = 1946c =
1959 VIII = 1959b =
1966 I = 1965g =
1972 VI = 1972d =
1979 III = 1978h =
1985 XIII = 1984e =
1992 IX = 1991m

ジャコビニ・ジンナー彗星
ジャコビニ・ツィンナー彗星
ジャコビニ・チンナー彗星
Comet GZ(略称)
1900 III (Gianobini)(旧称)
ジャコビニ彗星(旧称)

軌道要素 - IAUNASA
元期 2005年7月2.74969日
離心率 (e)  0.7056436
近日点距離 (q)  1.03787099 AU
軌道長半径 (a)  3.525899 AU
遠日点距離 (Q)  6.013927 AU
公転周期 (P)  6.620829
軌道傾斜角 (i)  31.81110°
近日点引数 (ω)  172.53547°
昇交点黄経 (Ω)  195.42887°
前回近日点通過  2012年2月11日
次回近日点通過  2018年9月10日

ジャコビニ・ツィナー彗星(ジャコビニ・ツィナーすいせい、21P/Giacobini-Zinnerジャコビニ・ジンナー彗星ジャコビニ・ツィンナー彗星ジャコビニ・チンナー彗星とも。略称Comet GZ)は、1900年ミシェル・ジャコビニが発見し、1913年エルンスト・ツィナーが再発見した、公転周期6.6年の周期彗星である。10月りゅう座流星群(旧称ジャコビニ流星群)母天体である。なお、ツィナーの再発見まではジャコビニ彗星と呼んだが、現在ではジャコビニ彗星は別の彗星の名前である。

発見

1900年12月20日UTフランスニースニース天文台ミシェル・ジャコビニは、みずがめ座彗星を発見した。10.5〜11だった。彗星はジャコビニ彗星と命名され、翌1901年2月16日まで観測された。6.8年の公転周期が求められ、1907年回帰が予言されたが、その年には現れなかった。

1913年10月23日ドイツバンベルクエルンスト・ツィナーは、たて座β星の近くの変光星を観測中に、ジャコビニ彗星を再発見した。彗星はジャコビニ・ツィナー彗星と呼ばれるようになった。

ジャコビニ流星群

ジャコビニ・ツィナー彗星は、ジャコビニ流星群母天体である。なお、流星群の名前は、彗星にともなって改名はされず、古い呼び名が残っていた。なお2009年に公式名称として、放射点の星座に基づく「10月りゅう座流星群」が付与されており、彗星名に基づく慣習名は非推奨となった。

ジャコビニ・ツィナー彗星は、遠日点木星軌道のすぐ外側にある木星族彗星であり、木星の重力の影響で軌道を変える。とくに、この彗星は近日点が1 AUよりわずかに遠いので、わずかな変化で地球の軌道との位置関係が変わり、流星群の規模が大きく変わる。

20世紀には、3回の大きな変化があった。

  1. 1910年2月、この彗星は木星から1 AU以内を通り、軌道は地球に接近し、大流星雨をもたらした。
  2. 1958年1月、この彗星は木星から0.93 AU以内を通り、軌道は地球から遠ざかり、これ以後、ジャコビニ流星群は見えなくなった。
  3. 1969年9月、この彗星は木星から、20世紀で最も近くである0.58 AU以内を通り、軌道は地球に近づいた。これ以降、再びジャコビニ流星群を見ることができるようになった。

ICEによる探査

彗星に向かうICE(想像図)

1978年8月12日アメリカ航空宇宙局 (NASA) は太陽風探査機ISEE-3を打ち上げた。ISEE-3は地球-L-1点で長く運用された後、軌道を変更し、彗星探査機ICEとして運用されることになった。

ICEは、1981年に月の重力を使った軌道変更を開始、1983年12月に地球重力圏脱出軌道に乗った。1985年9月11日、ジャコビニ・ツィナー彗星から7862 kmの距離でプラズマテイルを通過し、一酸化炭素イオンを検出した。

ICEはその後、1986年3月28日ハレー彗星に接近、探査した。

なお、日本宇宙科学研究所 (ISAS) のハレー彗星探査機さきがけが、1998年にジャコビニ・ツィナー彗星を探査することが検討されたが、推進剤の不足により断念された。

フィクション

松任谷由実のアルバム『悲しいほどお天気 』収録曲に「ジャコビニ彗星の日」がある。1972年10月9日のジャコビニ流星群を歌った歌である。ただし、歌詞には「72年10月9日」「流星群」という言葉はあるが、彗星自体は出てこない。

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