ジャコビニ彗星 (205P)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ジャコビニ彗星 (205P)の意味・解説 

ジャコビニ彗星 (205P)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/17 20:59 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
ジャコビニ彗星
205P/Giacobini
仮符号・別名 205P/1896 R2=1896Ⅴ;
205P/2008 R6
分類 彗星
軌道の種類 短周期彗星
発見
発見日 1896年9月4.84日UT
発見者 ミシェル・ジャコビニ
軌道要素と性質
元期:2015年5月18.0日TT
近日点距離 (q) 1.5366755 au
離心率 (e) 0.5669751
公転周期 (P) 6.69 年
軌道傾斜角 (i) 15.28478 °
近日点引数 (ω) 154.23509 °
昇交点黄経 (Ω) 179.61769 °
前回近日点通過 2015年5月13.96732日TT
次回近日点通過 2022年1月13.76553日TT[1]
物理的性質
絶対等級 (H) H1(10)=14.1等
光度係数 (G) 10[2]
Template (ノート 解説) ■Project

ジャコビニ彗星(ジャコビニすいせい、Comet Giacobini、205P)は1896年に発見された短周期彗星である。発見後に行方不明となったが、2008年に再発見された。

ジャコビニ流星群の母天体であるジャコビニ・ツィナー彗星とは異なる。

発見

1896年9月4日、フランスの天文学者ミシェル・ジャコビニは、へび座に微光で1分角の円形のコマを持つ新彗星を発見した。翌5日にはドイツの天文学者ヴァルター・フィリガーによって11.3等級で観測された。

近日点通過は1896年10月28日で、発見時以上に明るくなることはなく、1897年1月に観測は終了した。周期6.55年から6.65年の軌道が計算されたが、その後の予想された回帰で彗星は観測されず、見失われた彗星と見なされていた[3]

再発見

山形県のアマチュア天文家板垣公一と北海道の金田宏は、2008年9月10日夜(JST)、わし座みずがめ座の境界付近をε-210反射望遠鏡(21cmf/3.0)+CCDを用いて彗星捜索中に、13等級の新彗星を発見した。板垣は、発見直後に60cmf/5.7反射望遠鏡で存在を確認し、既知の彗星でないことを確認した上で、新彗星として中野主一IAU小惑星センター・アソシエイツ)を通じ、天文電報中央局(CBAT)に報告した。

発見情報がThe NEO Confirmation Page[4] に掲載された直後、ドイツのマイク・メイヤー(de:Maik Meyer)は新彗星が1896年以来見失われていたD/1896 R2(ジャコビニ彗星)と同定可能であることを指摘した。この同定で、1896年の出現から17公転して2008年に再発見されたことが明らかとなった。

彗星発見を公表するIAUCが発行[5] される前に周期彗星の再現(検出)であることが判明したため、板垣・金田の名前が彗星名に追加されることはなかった。

2008年の回帰では、彗星は9月10日(TT)に近日点を通過した。最大11等級前後で眼視観測され、観測は翌年2月まで続いた。また、2つの分裂核も見つかり、B核(205P-B)は9月に18等級、C核(205P-C)は9月に19等級で観測された[6][7]。彗星核の分裂による増光が再発見につながったと思われている。

2015年の回帰では、彗星は5月に近日点を通過した。この頃は17等級前後で推移していたが、9月に14等級まで増光していることが観測された[8]

脚注・出典

参考文献

外部リンク

前の彗星:
LINEAR・NEAT彗星 (204P)
周期彗星
ジャコビニ彗星 (205P)
次の彗星:
バーナード・ボアッティーニ彗星



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ジャコビニ彗星 (205P)」の関連用語

ジャコビニ彗星 (205P)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ジャコビニ彗星 (205P)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのジャコビニ彗星 (205P) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS