ディストピア
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ディストピア(英: dystopia)または逆ユートピア(英: anti-utopia)は、反理想郷・暗黒世界[1]、またはそのような世界を描いた作品[1]、「否定的に描かれたユートピア」を指す言葉[2]。産業革命後に発達した機械文明の、否定的・反人間的な側面が強調されて描き出された「未来社会」像[2]。典型例は反自由的な社会であり、隠れた独裁や横暴な官僚システム、性愛制御などが描かれる[3][注 1]。
注釈
出典
- ^ a b "ディストピア". デジタル大辞泉. コトバンクより2023年5月1日閲覧。
- ^ a b c 田中義久. "逆ユートピア". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2023年5月1日閲覧。
- ^ a b c d e f "逆ユートピア". ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. コトバンクより2023年5月1日閲覧。
- ^ “δυ^σ- , insepar. Prefix, opp. εὖ, (LSJ *d.110.dus)” (ギリシア語、英語). Perseus. Henry George Liddell, Robert Scott, A Greek-English Lexicon. 2022年2月27日閲覧。
- ^ “τόπος , ὁ (fem. by attraction (LSJ *t.45.to/pos)” (ギリシア語、英語). Perseus. Henry George Liddell, Robert Scott, A Greek-English Lexicon. 2022年2月27日閲覧。
- ^ “κα^κός , ή, όν, (LSJ *k.16.kako/s)” (ギリシア語、英語). Perseus. Henry George Liddell, Robert Scott, A Greek-English Lexicon. 2022年2月27日閲覧。
- ^ 森村進 著「デイヴィット・アスキュー「リバタリアンSF:『月は無慈悲な夜の女王』を中心に」」、森村進 編『リバタリアニズム読本』勁草書房、2005年3月、84頁。ISBN 978-4-326-10154-2。
- ^ “From the second edition (1989): dystopia” (英語). Oxford English Dictionary. OED. 2022年2月27日閲覧。
- ^ a b 巖谷 2002, p. [要ページ番号].
- ^ アントニイ・バージェス『1985年』中村保男 訳、サンリオ〈サンリオ文庫〉、1984年、[要ページ番号]頁。ASIN B000J74UIC。
- ^ 巖谷 2002, pp. 201–202.
- 1 ディストピアとは
- 2 ディストピアの概要
- 3 概要
- 4 主な特徴
- 5 参照文献
逆ユートピア(ディストピア)
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「ユートピア」の記事における「逆ユートピア(ディストピア)」の解説
20世紀に入ると、「理想郷」と宣伝されていた社会主義国家や独裁国家が現実の存在となったが、その理想と現実の落差を批判したり、科学の負の側面を強調した小説が描かれた。転倒したユートピア文学であることからこれらは逆ユートピア(ディストピア)と呼ばれる。たとえばH・G・ウェルズの『モダン・ユートピア(英語版)』(1905年)、エヴゲーニイ・ザミャーチンの『われら』(1924年)、オルダス・ハックスレーの『すばらしい新世界』(1932年)、ジョージ・オーウェルの『1984年』(1949年)や、エルンスト・ユンガーの『ヘリオーポリス』、レイ・ブラッドベリの『華氏451度』、星新一の『白い服の男』などの小説によって管理社会、全体主義体制の恐怖が描かれた。また、手塚治虫の『火の鳥未来編』は『1984年』を粉本にしているとみられている。これらに描かれた国家は、一見すると平和で秩序正しい理想的な社会であるが、徹底的な管理により人間の自由が奪われている。当時の共産圏や今日の管理社会に対する予見であり、痛烈な批判である。またそれを生み出した過去のユートピア思想や、その背景となった文明自体も攻撃対象である。
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