ドネリーの疑似歴史的アトランティスとは? わかりやすく解説

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ドネリーの疑似歴史的アトランティス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/25 14:53 UTC 版)

アトランティス」の記事における「ドネリーの疑似歴史的アトランティス」の解説

イグネイシャス・ロヨーラ・ドネリー(英語版)は、近代大衆におけるアトランティスブームの火付け役であるとみなされている。その功績には、ヴェルヌによって、アトランティス教養人の間から大衆へと広められたことが大きく寄与している 貧しアイルランド系移民息子だったドネリーは、事業失敗し財産取り戻そう政界に進出した。共和党アレクサンダー・ラムジー腹心となって実業界結託しラムジーのもと、様々な汚職不正に手を染めたが、元来人のいい人物だったこともあり、良心目覚めてラムジー決別し1868年民主党員になり、当時ミネソタとしては非常に大胆なことに、アメリカ先住民アフリカン・アメリカン白人同等教育機会処遇与えるべきと主張し選挙落選したラムジー和解して共和党に戻るが、政治家盛り過ぎており、1870年代には農場経営始めるが失敗し様々な本を読んでアトランティス大洪水前の世界』(1882年)を出版した。また偽名で、格差拡大したアメリカで労働者反乱を起こす逆ユートピア小説カエサル円柱』を著して人気博し農民都市労働者などの社会的弱者のために活動して富裕層主流政治家からは煙たがられた。 ドネリー時代地質学者たちは、失われたといわれる大陸なくなったとされる地形は、全て実在していたと信じていた。ドネリーの『アトランティス大洪水前の世界』(Atlantis: The Antediluvian World)は、1890年23版に達するほど好調な売り上げだった。歴史学者ロナルドH. フリッツェは、現在からみると学術的な裏付け乏しく間違い多く当時においても「あり得ること」程度信憑性だったが、正統学術書ではないものの筆致には説得力があり、イギリスの首相ウィリアム・グラッドストンドネリー称賛の手紙を送っていると述べている。なお、この当時大陸移動説はまだ発表されていないドネリーは、キリスト教教義ダーウィンの進化論融和させよう試みたアレキサンダー・ウィンチェル(英語版)の著作今日では科学進歩によって信憑性失い、ほとんど忘れられている)を、権威ある論拠として幾度も引用している。ドネリー500ページ近く使ってアトランティス実在様々な根拠並べたが、それは科学的調査というより自説展開する弁護士のような論調である。 ドネリー著作主張13まとめて紹介した彼の主張は、近代アトランティス神話ベースとなっており、今日では、その著作疑似歴史代表的なもの考えられている。 アトランティスは、かつて地中海入り口向こう側大西洋上に実在した島で、古代アトランティス大陸呼ばれた大陸残骸である。 プラトン記述寓話ではなく史実である。 アトランティス人類初めての文明である。 アトランティス多く住民が暮らす強国になり、文明化された住民一部アトランティス出てメキシコ湾岸ミシシッピー川流域アマゾン川流域南米太平洋岸、地中海ヨーロッパアフリカ西岸バルト海沿岸黒海沿岸カスピ海沿岸移住したアトランティスノアの箱舟以前エデンの園など、古代人伝承してきたアスガルド時代実在し初期人類長く平和と幸福の中で暮らした理想郷普遍的記憶表している。 古代ギリシャ人、フェニキア人ヒンドゥー人、スカンジナビア人などが崇めた神々は、アトランティスの王や女王英雄たちであり、神話はそうした史実混乱して伝わったのであるエジプトペルー太陽信仰アトランティス宗教名残である。 アトランティス最初の植民地はおそらくエジプトであり、エジプト文明アトランティス島の文明再現である。 ヨーロッパ青銅器時代アトランティス派生で、世界で初め鉄器製造したのもアトランティス人である。 フェニキアアルファベットアトランティスアルファベットから派生したもので、アトランティスアルファベットマヤ文明にも伝播した。 アトランティスは、アーリア人つまりインド・ヨーロッパ語族発祥の地であり、セム語族、おそらくウラル・アルタイ語族発祥の地でもある。 アトランティス甚大な自然災害滅亡し、島は住民大半と共に海に沈んだ一握りの人がこれを逃れ世界洪水伝説広まった。 なお、同時代アトランティス興味持ったオカルティストたち、その端緒であるヘレナ・P・ブラヴァツキードネリー影響関係あったか否か、あったとすればどのようなものかは不明である。ドネリー以降アトランティス学の著作家たちは彼の主張ベースに、超自然現象科学知見超えた知識技術異星人などの要素追加し、さらに理想化したアトランティス像を作っていった。

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