アーサー・C・クラーク賞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/02 17:39 UTC 版)
アーサー・C・クラーク賞 Arthur C. Clarke Award |
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受賞対象 | 前暦年にイギリス国内で出版されたSF小説長編 |
国 | ![]() |
主催 | 英国SF協会、サイエンス・フィクション・ファウンデーション、サイファイ・ロンドン |
初回 | 1987 |
公式サイト | clarkeaward.com |
アーサー・C・クラーク賞(アーサー・C・クラークしょう、Arthur C. Clarke Award)は、イギリスにおけるSF小説の文学賞である。「イギリスで最も名誉あるSF賞」と言われる[1]。アーサー・C・クラーク財団賞(Arthur C. Clarke Foundation Awards)とは異なる。
前暦年にイギリスで刊行された英語のSF長編(翻訳を含む。イギリス国内で初刊行であれば、アメリカなど他国で刊行済の作品も対象となる)のうち、最も優れている作品に与えられる。
SF作家アーサー・C・クラークの寄付に基づき、1987年に発足した。受賞者にはブックエンドと賞金が贈られる。賞金額は2000年までは1000ポンドで、2001年以降はその年と同額(2018年は2018ポンド)となっている。
最終候補作6編と受賞作の選出は、英国SF協会をはじめとする3団体から選ばれた人々が構成する選考委員会が行う。候補となる作品は、イギリス国内の出版社が提出するリスト(2016年からは個人出版者による提出も認められた)の中から選ばれる。選考委員と主催団体は、提出してほしい作品を呼びかけることもできる。
第31回(2018年)までに125人の著者がノミネートされ、受賞者は27人いる。複数回受賞者はチャイナ・ミエヴィル(3回)、パット・キャディガンとジェフ・ライマン(2回)の3人。ノミネート回数ではスティーヴン・バクスターとギネス・ジョーンズ(7回)が最多であり、以下ニール・スティーヴンスン、ケン・マクラウド、キム・スタンリー・ロビンソン(6回)が続く。
受賞作一覧
本賞の年度表記は受賞年を基準としている(刊行年はその前年となる)。
受賞年 | 作品名 | 作者名 |
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1987年 | 『侍女の物語』The Handmaid's Tale | マーガレット・アトウッド |
1988年 | 『沈みゆく塔』Drowning Towers | ジョージ・ターナー |
1989年 | 『消えない火』Unquenchable Fire | レイチェル・ポラック |
1990年 | The Child Garden | ジェフ・ライマン |
1991年 | Take Back Plenty | コリン・グリーンランド |
1992年 | Synners | パット・キャディガン |
1993年 | Body of Glass | マージ・ピアシー |
1994年 | 『ヴァート』Vurt | ジェフ・ヌーン |
1995年 | Fools | パット・キャディガン |
1996年 | 『フェアリイ・ランド』Fairyland | ポール・J・マコーリイ |
1997年 | 『カルカッタ染色体』The Calcutta Chromosome | アミタヴ・ゴーシュ |
1998年 | The Sparrow | メアリ・ドリア・ラッセル |
1999年 | 『ドリーミング・イン・スモーク』Dreaming in Smoke | トリシア・サリバン |
2000年 | Distraction | ブルース・スターリング |
2001年 | 『ペルディード・ストリート・ステーション』Perdido Street Station | チャイナ・ミエヴィル |
2002年 | Bold as Love | ギネス・ジョーンズ |
2003年 | 『双生児』The Separation | クリストファー・プリースト |
2004年 | Quicksilver | ニール・スティーヴンスン |
2005年 | Iron Council | チャイナ・ミエヴィル |
2006年 | 『エア』Air | ジェフ・ライマン |
2007年 | Nova Swing | M・ジョン・ハリスン |
2008年 | Black Man | リチャード・モーガン |
2009年 | Song of Time | イアン・R・マクラウド |
2010年 | 『都市と都市』The City and the City | チャイナ・ミエヴィル |
2011年 | 『ZOO CITY』Zoo City | ローレン・ビュークス |
2012年 | 『世界を変える日に』The Testament of Jessie Lamb | ジェイン・ロジャーズ |
2013年 | Dark Eden | クリス・ベケット |
2014年 | 『叛逆航路』Ancillary Justice | アン・レッキー |
2015年 | 『ステーション・イレブン』Station Eleven | エミリー・セントジョン・マンデル |
2016年 | 『時の子供たち』Children of Time | エイドリアン・チャイコフスキー |
2017年 | 『地下鉄道』The Underground Railroad | コルソン・ホワイトヘッド |
2018年 | Dreams Before the Start of Time | アン・チャーノック |
2019年 | Rosewater | テイド・トンプソン |
2020年[2] | The Old Drift | ナムワリ・サーペル |
2021年[3] | The Animals in that Country | ローラ・ジーン・マッケイ |
2022年 | Deep Wheel Orcadia | Harry Josephine Giles |
2023年 | Venomous Lumpsucker | Ned Beauman |
2024年 | In Ascension | Martin MacInnes |
2025年 | Annie Bot | Sierra Greer |
脚注
- ^ Flood, Alison (2010年4月28日). “China Miéville Wins Unprecedented Arthur C Clarke Award Triple”. The Guardian. 2014年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月3日閲覧。
- ^ “sfadb: Arthur C. Clarke Award 2020”. www.sfadb.com. 2021年8月11日閲覧。
- ^ “McKay Wins Clarke Award” (英語). Locus Online (2021年9月27日). 2021年9月28日閲覧。
外部リンク
- The Arthur C. Clarke Award 公式ウェブサイト
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