軍事思想とは? わかりやすく解説

軍事思想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 05:55 UTC 版)

アントワーヌ=アンリ・ジョミニ」の記事における「軍事思想」の解説

ジョミニ各地軍務に就きながら軍事学研究行っており、数多く著作論文発表した。最も初期の研究1804年から1816年にかけて書かれた全8巻の『大陸軍作戦論』であり、この著作ジョミニ近代戦争における戦略と戦術専門家として国際的な評価獲得していった。1806年書かれた全5巻の『革命戦争批判的戦史』、1819年から1824年書かれた全15巻の『革命戦争批判的戦史 続』、1827年書かれた全4巻の『ナポレオン政治的軍事的生涯』などの戦史研究執筆している。さらに1829年には『戦略戦術総合研究入門』、1830年ニコライ1世勧告の下に『戦争術分析要約』を作成し1837年から1838年にかけて加筆加えて2巻書籍として編集し戦争概論』を完成させた。この著作は、ジョミニそれまで研究してきた戦争術普遍的な原理について詳説された。ちなみにジョミニ最後に発表したのは、1839年出された『1815年会戦政戦略概要』である。これらの一連の研究の中で特に重要な業績は、ユリウス・カエサルからナポレオンの時代まで戦略家たちが依拠してきた一般的原理存在主張するジョミニの軍事思想が展開された『戦争概論』である。 不変的確実な原則存在提唱したロイド啓蒙主義な軍事思想をジョミニ賞賛しており、またナポレオン実践した戦略観察してその原則明らかにすることに努めていた。なぜなら、ジョミニ見解によればナポレオンは常に不変的戦略の原則適用していたために勝利していたためである。それは、古代から近代にかけて変化してきた戦争様相によって左右されない戦争術法則であってジョミニはある戦力戦場において決定的な地点を脅かすように運動させる簡潔な一般的原則提唱した。ここでの決定的な地点とは決勝点でもあり、敵にとって致命的または弱体化余儀なくされるような地点という性格がある。具体的に交通路渡河点、隘路兵站基地、または敵の側面背後などが、その地点となりうると考えられるジョミニはさらにこの決勝点概念関連してロイド同様の作戦線に関する主張展開している。ただしこの論点に関してジョミニ基本的な主張作戦線性質識別することにあり、彼は河川山岳などの障害地形越えて軍事作戦遂行する際に絶対的距離として現れる自然的な作戦線と、自然環境制約の中で戦略的選択に関して現れる作戦線二つ区別したジョミニ簡潔さ追求しながらも10種類上の作戦線区分作っており、また内線作戦外線作戦の関係について内線作戦価値強調した

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軍事思想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/13 14:08 UTC 版)

軍事著作家一覧」の記事における「軍事思想」の解説

田穰苴司馬穰苴)(紀元前6世紀ごろ) - 『司馬法』著者とされる孫武紀元前5世紀ごろ) - 『孫子』著者兵家代表的人物 孫臏紀元前4世紀ごろ) - 『孫臏兵法』の著者孫武の子とされる戚継光 (1528 - 1587) - 対倭寇戦の経験から『紀效新書』、『錬兵実紀』を著し中国日本兵学大きな影響与えた。 趙士楨 (1567? - ?) - 火縄銃製造法火器用いた戦術研究し神器譜』を著した小幡景憲 (1572 - 1663) - 甲州流兵学者。『甲陽軍鑑』の作者であると言われている 北条氏長 (1609 - 1670) - 北条流兵学の祖。小幡景憲学んだ 山鹿素行 (1622 - 1685) - 山鹿流兵学の祖 長沼澹斎 (1635 - 1690) - 長沼流兵学の祖 片山良庵 (1601 - 1668) - 軍学者北条氏長学び北越学統を残す。 有沢永貞 荻生徂徠 (1666 - 1728) - 当時兵学が非実用的であることを批判し兵学書鈐録』を著した徳田邑興 (1738 - 1678)- 火器重視する兵学である合伝流の祖。

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軍事思想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/14 14:47 UTC 版)

ジャック・アントワーヌ・ギベール」の記事における「軍事思想」の解説

ギベールは啓蒙主義の時代生まれ、フォラールやピュイセギュールサックス研究調べながら独自の軍事思想を形成していった。ギベールにとって重要だった論点戦争学方法論軍事組織、そして火力機動の関係、それに伴う補給の問題などがある。ギベールは戦争学方法論として科学的方法適用することを構想していた。ギベールによれば戦争には規則原理によって支配され機械的要素不確定的な要素区別することが可能であり、前者については科学によって解明することが可能であると考えていた。同時に彼は伝統的な戦争について研究には方法論重大な欠陥があったことを指摘しており、普遍的な戦争原理明らかにする戦争科学確立提唱している。またギベールは軍事組織について市民軍創設主張していた。この主題当時サロンでよく論じられていた主題であり、ギベールは階級的な区分しばられていない国民全体から組織され軍隊創設こそが精強軍隊もたらす考えていた。彼は国民性観念軍事組織分析反映させながら、この見解補強している。しかし実際に市民軍のような軍隊革命起こらない限り不可能であると思われたために、プロイセン軍が行たような厳格な軍事訓練を行うことを論じるに留まっている。さらにギベールは火力に対して機動重要性主張する立場にあり、軍隊主体騎兵砲兵よりも歩兵であるべきである考えていた。騎兵急襲追撃で有効であるが、歩兵部隊支援不可欠であることから主体ではありえず、砲兵という戦力はギベールが期待する機動力から考えれば鈍重過ぎる戦力であった。そして歩兵部隊縦隊迅速に機動することを提案し、また補給方法として倉庫方式ではなく現地調達が望ましいと考えていた。

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軍事思想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 07:43 UTC 版)

コルマール・フォン・デア・ゴルツ」の記事における「軍事思想」の解説

ゴルツ当時対立的であったクラウゼヴィッツ派とジョミニ派の軍事思想を両方から受け入れていた。ジョミニ派の「戦争普遍的な原則」を認めながらも、クラウゼヴィッツの「摩擦」、「偶然」などによって原則適用が困難となると考え、両派の考え方融合した軍事思想を展開した。またクラウゼヴィッツの『戦争論』における「防御攻撃よりも強力である」との記述反論し攻撃こそがすぐれた戦闘行動であると考え、さらにクラウゼヴィッツによる改訂が行われていれば防御優位内容変更されていたはずだと主張した

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軍事思想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 01:48 UTC 版)

ウェゲティウス」の記事における「軍事思想」の解説

彼の軍事思想の資料に『軍事論』(DE RE MILITARI)があるが、これはウェゲティウス純粋な著作ではなく古代ローマ人軍事研究資料編纂したのであるウェゲティウス扱っている時代ローマ軍歴史的にどの時代ローマ軍であるかは明確ではなく史料として参照する際には注意が必要である。この著作冒頭では「ウァレンティニアヌス帝」への献辞述べられており、執筆された時期についてはウァレンティニアヌス2世時代であると大まかに推測できる当時ローマで人口減少経済破綻により、軍隊成員安価な賃金雇われ傭兵へと移行していた。このような時代背景の中で、ウェゲティウス古代ローマ軍制再考しており、かつてのレギオン伝統再建することを試みている。 彼の著作ヨーロッパの軍事思想史において重要な影響及ぼした考えられており、10世紀には最古写本があったことが分かっているが、既にこの頃多く写本流通していた。イングランド王ヘンリー2世イタリア行政官マキアヴェリフランス軍人モーリス・ド・サックスなどの軍事思想に影響与えたとされている。 その内容は、兵士対す軍事訓練軍規レギオン編制運用戦略と戦術、そして陣地戦闘や海戦などを論じたのである。 「汝、平和を欲するなら、戦い戦争)に備えよ」 「危急の際に要することは平穏な時代から継続的に為すべきである」 「生まれながら勇者はいない。勇者訓練軍紀によって育てられる」 などの格言残しており、現代において引用される文献である。

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