竜宮島関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 08:03 UTC 版)
L計画(エルけいかく) 無印の約1年前、『RIGHT OF LEFT』で生駒正幸が立案し、実行された。フェストゥムや新国連から竜宮島の位置を隠すための作戦。指揮官、オペレーター、メカニック、医師、そしてファフナーパイロットに選ばれた8人の少年少女の、計40名で構成されている。フェストゥムの読心能力による計画の破綻を防ぐため、参加者全員が計画の全容を知らされずに従事した。 アルヴィスの左翼部分L区画を分離させてLボートとし、潜行してアルヴィスの防空圏外を離脱、事前プログラムで定められた航路を竜宮島に偽装し進むことで敵を引き付ける。作戦終了をもってLボートは破棄され、自爆する。作戦期間は2か月で、一定時間が過ぎる毎にLボート内の閉鎖区画が解放され、そこに蓄えられていた物資を補給とし与えられるシステムによって作戦期間を耐える仕様になっていた。L計画のLはLEFT(左、あるいは去りゆく者)という意味を持つ。4機あるファフナーに選抜された8人が、1機につき2人ずつ15分ごと(1人あたりの担当時間は450秒、つまりは7分30秒)に交代しながら敵を倒す。計画途中、弾薬などの問題から早乙女が戦闘時間の延長を提案していたが、僚や裕未の説得により延長は行われなかった。最終段階で計画参加者の人数と同じ容量の脱出艇が解放されるシステムになっており、全員の生還を見越しての計画ではあったものの、フェストゥムの海中への適応という想定外の事態が原因で参加者は全員死亡した。4か月後、僚が残したテープレコーダーが竜宮島に流れ着いたコクピットから見つかり、本編での重要なデータとなった。『EXODUS』ではLボートを含めてそれまで切り離して消滅させたブロック同様再建されており、第二次L計画や右翼Rボートと共にアルヴィス本島から一時離脱するプランデルタが提案されている。第二次L計画 『EXODUS』にて鏑木彗の母・香奈恵が立案し、たびたびアルヴィス上層部に提出している計画。名称通り、かつて娘を喪った「L計画」を再び実行しようとするのが主旨であるが、竜宮島の現状では全く実行する必要の無い「机上の空論」に過ぎず、却下され続けている。彗は妄執じみた母親の行為を「姉ちゃんのところに行きたがっている(のだろう)」と思っている。 実行された場合は前回同様帰還者なし、島の戦力が半減してフェストゥム襲来によって壊滅する未来をカノンは見ていた。彗が引き寄せた早苗のお守りをきっかけに、香奈恵はようやく気持ちの整理を付けてこの計画書を海へ投げ捨て、実行される未来は消滅した。 島外派遣 『EXODUS』にて実行された竜宮島からエリア・シュリーナガルへの派遣行動。日野美羽をシュリーナガルの世界樹と対話させ、同時にアルタイルにコンタクトを取るのが目的である(当初の派遣期間は1か月を予定)。 シュリーナガルはインドの奥地にあり、竜宮島で直接行くことが出来ず、また幼い美羽を1人で行かせることなど論外であったため、彼女を護るために母親である日野弓子およびアルヴィスから数十人が選ばれ同行した。主な同行メンバーは堂馬広登・西尾暉(竜宮島へ映像記録を伝えるためのテレビカメラマン役も兼ねる)、そして彼らを引率する溝口恭介と遠見真矢(ナレインと配下のエスペラント、およびエメリーも帰還するため随行)。 彼らが島を出た直後に目覚めた皆城織姫は迫る危機を察知し、皆城総士と真壁一騎にマークザイン・マークニヒトでエリア・シュリーナガルへ向かわせる。アルヴィスはこれを受け、CCTSキャリー・スラスターを使い、弾道飛行で高速に両機を目的地へ撃ち込んだ。脱出行 島外派遣の目的であったアルタイルとの対話は、新国連の目論見で誘導されたロードランナー群の襲撃により世界樹が破壊されてしまったために不可能となった事態から生じた想定外の行動。裏切り者に気付いたナレインは疑心暗鬼と混乱を避けるために内通者の存在を伏せ、目的地はナレインさえ知らない状態で移動することとなる。 シュリーナガルから約2,500kmにある人類軍のダッカ基地におよそ22,000人の生存者を避難させ、その後に戦力を整えて摘出した世界樹のコアを新天地たる第三アルヴィス・海神島に移植、再び成長させてアルタイルとの再対話を実行する(可能な限り安全なルートを選ぶためにダッカ基地まで約2週間ほどの行程となる)。 この時点で残ったペルセウス中隊の戦力は42機のファフナー(320名の軍人と特に優秀なエスペラント100名が同行)。1機のファフナーで車に乗りこんだ500人の民間人を護衛しながら移動する、過酷なミッションとなる。加えて輸送機は車に速度を合わせなければならないので一度に移動できる距離はあまりに短い。 一足先に戻った派遣部隊の高速機パイロットの報告を受けたアルヴィスはこの事態に際し、第3の派遣は人員的な意味でも不可能であったために島ごと派遣部隊との合流を決定する。 しかし、新国連が潜入させたパペット=ジョナサンが模擬人格をもって稼働するという性質上、フェストゥム並の読心能力を持つエメリーでも彼のベイグラントへの干渉を感知できず、引き続きベイグラントによって誘導されてきたアビエイター群の襲撃を受けることになる。 更にダッカ基地がアルゴス小隊に乗っ取られたことで竜宮島の派遣部隊とペルセウス中隊、シュリーナガルの市民は交戦規定アルファの対象とされる。派遣部隊にも広登とオルガの死亡(攻撃後に島へ帰還を試みた際にウォーカーに襲われ、データ送信後に死亡)とマークフュンフの強奪という被害をもたらし、投降した隊員と市民も皆殺しにされた。ダッカ基地への反撃も出来ず、すぐに次の爆撃機が来るという八方塞がりの状況に追い込まれ、派遣部隊とペルセウス中隊は孤立無援と化してしまう。 攻撃を受けたナレインは後述の第二次脱出行を決定する。 第二次脱出行 交戦規定アルファによってダッカ基地への合流が不可能となった派遣部隊とペルセウス中隊による第二次移動。北西へ転進し、「トリプルプラン」の一つ「シャッター作戦」により作られたフェストゥムの密集地を通り、さらに大陸消滅後のモンゴル海峡を経由してハバロフスク・エリアから「希望の地」へ向かう。シュリーナガルからダッカ基地までの道のりの4倍を超える1万km以上の距離を移動する上に、輸送機半数の損失と物資を消費した状態でのさらに過酷な状況での移動となる。 ダッカ基地までの移動で消費した物資を放棄された基地で確保すると共に、世界樹の力でフェストゥムのコアを燃料に変化させて移動する。しかし、攻撃を受けた翌日に荒れ地を経由するこの移動と人類軍からの攻撃に絶望した市民の多くが命を絶ち、引き返そうとする市民の説得に1日を要したために、移動の開始はダッカ基地部隊の攻撃を受けた2日後となった。 孤立無援のこの状況下、美羽とエメリーはかつて竜宮島が対話を交わしたボレアリオスに救援を要請、総士にだけその存在を教える。また、オルガ達が命と引き替えに届けた報告書、そしてカノンが消滅してまで予知した未来から割り出した座標を受け取ったアルヴィスも進路を変更、派遣部隊との合流を継続する。 「シャッター作戦」の壁を越えて1か月後に拮抗薬が底をつき、同化現象によりファフナーパイロットが激減する。さらに北へ進めば進むほどに敵意を持つフェストゥムに襲われ、生存を諦めた怪我人や老人達が自らを囮にフェストゥムの犠牲になる。壁を超えた40日後には8機しかない輸送機のうち1機を失うと共に冬が到来し、多くの凍死者と餓死者を出して全員が心身共に疲弊していく。56日後に竜宮島のバードとの接触に成功する。 その後、3/4をも超える犠牲の果てに残った6機の輸送機と15機のファフナーで合流が図られるが、かねてからの追手であるアビエイターやアルゴス小隊だけでなく、ベイグラントに誘導されたクローラー群や新国連に操られたジョナサンまでもが攻撃を開始、輸送機は全て撃墜され、拮抗薬の枯渇により同化現象が進行していた竜宮島パイロットにもついに結晶化症状が現れ、絶体絶命の窮地に陥るも、ボレアリオスと竜宮島が合流し、戦略ミサイルの撃墜とマークザインの捨て身の同化でアビエイターの撃破に成功したことで長き旅が終わった。しかし、真矢がマークジーベンと共に鹵獲された上にペルセウス中隊もジョナサンとビリーが回収、アイとウォルターは戦死してしまう。 最終的にシュリーナガルの市民は5001名が生存、ペルセウス中隊は隊員の9割を失い、エスペラントも相当数が死亡した。また、残骸化したマークザイン、マークニヒト、マークツェン、ナレインのサンダルフォンの4機以外ファフナーも全てが失われた。 プランデルタ 正式名称「PLAN DIVISION PHASE EXODUS」。アルヴィスがメインボート、Rボート、Lボートにより構成されている性質を利用し、RボートとLボートに島民を乗せて一時的に撤退し、体制を整えた後に島を奪還する、「L計画」とは逆の性質を有するプラン。 ウォーカーの攻撃によって彦島を奪われたことで、存在が明かされるとともに実行が考慮された。澄美や佐喜が立案に携わったが、脱出の時点で島が沈められる恐れに加え、ミールの影響下を離れたことによる大人達の後遺症の発症(船にミールの大気が満ちているため一時的にはもつ)など、「L計画」以上に危険度の高い計画である。 最終的に第四次蒼穹作戦にて、竜宮島がアルタイルを封印した上で海中に没したことで実行された。その後、シュリーナガルの生存者及びペルセウス中隊と共に世界樹を根付かせた海神島へ移住し、『THE BEYOND』で帰還を図ることとなる。 N48 E135 【EXODUS】第17話でカノンが残したメッセージの一つ。 48°00'00.0"N 135°00'00.0"E(北緯48度、東経135度)は、ロシア連邦ハバロフスク地方ペレヤスラフカの近く(ペレヤスラフカから北西西に約5キロの辺)。
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