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こうしん‐せい〔カウシン‐〕【更新世】

読み方:こうしんせい

地質時代の区分の一。新生代第四紀大部分で、170万年前から1万年前まで。氷期と間氷期繰り返した氷河時代で、人類の歴史では旧石器時代にあたる。最新世洪積世

「更新世」に似た言葉

更新世

170万年前~約1万年前までの期間。
洪積紀洪積世

更新世

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/02 05:43 UTC 版)

地質時代新生代[* 1][* 2]
累代 基底年代
Mya[* 3]
顕生代 新生代 第四紀 完新世 メガラヤン 0.0042
ノースグリッピアン 0.0082
グリーンランディアン 0.0117
更新世 後期更新世 0.129
チバニアン 0.774
カラブリアン 1.8
ジェラシアン 2.58
新第三紀 鮮新世 ピアセンジアン 3.6
ザンクリアン 5.333
中新世 メッシニアン 7.246
トートニアン 11.63
サーラバリアン 13.82
ランギアン 15.97
バーディガリアン 20.44
アキタニアン 23.03
古第三紀 漸新世 チャッティアン 27.82
ルペリアン 33.9
始新世 プリアボニアン 37.8
バートニアン 41.2
ルテシアン 47.8
ヤプレシアン 56
暁新世 サネティアン 59.2
セランディアン 61.6
ダニアン 66
中生代 251.902
古生代 541
原生代 2500
太古代[* 4] 4000
冥王代| 4600
  1. ^ 基底年代の数値では、この表と本文中の記述では、異なる出典によるため違う場合もある。
  2. ^ 基底年代の更新履歴
  3. ^ 百万年前
  4. ^ 「始生代」の新名称、日本地質学会が2018年7月に改訂
北極側の氷河の再拡大域。
更新世の地層、Scarboro Cliffs (カナダオンタリオ州トロント

更新世(こうしんせい、Pleistocene)は、地質時代の区分の一つで、約258万年前から約1万1700年前までの期間。第四紀の第一の。かつては洪積世(こうせきせい、Diluvium)[注 1]ともいい、そのほとんどは氷河時代であった。

この前の鮮新世(せんしんせい、Pliocene)と合わせて鮮新・更新世Plio-Pleistocene)として扱われることもある。

分類

更新世は、前期、中期、後期に分けられ、前期はさらにジェラシアン及びカラブリアンに分けられている。

  • 後期更新世(0.126 - 0.0117 Mya[注 2]、12万6000年〜(西暦2000年から数えて)1万1700年前)[1] - 現在、タランティアン (Tarantian) の名称がIUGS-ICSで検討されている[2]
  • チバニアン(0.781 - 0.126 Mya、78万1000年〜12万6000年前) - 名称について、2017年6月に日本の1チームがチバニアン (Chibanian)[注 3]、イタリアの2チームがイオニアン (Ionian) を申請。審査の結果2020年1月、「チバニアン」と命名された。
  • カラブリアン(1.806 - 0.781 Mya、180万6000年〜78万1000年前)[1]
  • ジェラシアン(2.588 - 1.806 Mya、258万8000年〜180万6000年前)[1]

大陸

大陸の形は現在とほとんど変わらないが、氷期間氷期の氷床の拡大・縮小による海水準変動に伴って、海岸線の位置が移動した。更新世の後期では海水準にして百数十メートルの変動があった。海水準が低下した時期は、現在浅い海である海域の多くが陸地となっている。

気候

氷期と間氷期を繰り返した[注 4]。総計で15回の氷期があった。その主たる要因は地球の回転軌道の性質からもたらされる変化のために生じる太陽放射量の周期的な変動である(ミランコヴィッチ周期[3]

更新世

  • 200万年前 - ヒーバー氷期、ヒーバー-ドナウ間氷期
  • 100万年前 - ドナウ氷期、ドナウ-ギュンツ間氷期
  • 80万年前 - ギュンツ氷期(ネブラスカ)
  • 50万年前 - ギュンツ-ミンデル間氷期(アフトニア)、ミンデル氷期(カンザス)
  • 40万年前 - ミンデル-リス間氷期(イリノイ)、リス間氷期
  • 25万年前 - 12万年前 リス氷期、
  • 7万年前 - ヴュルム氷期(ウィスコンシン)(最終氷期)、リス-ヴュルム間氷期(サンガモン) - 北半球に巨大な氷床が発達しはじめた。カナダおよび米国北部、北西ヨーロッパの大部分を覆い、別の氷床がアルプス山脈とシベリアの一部を覆った。南半球ではそれほどでもなかったと考えられている。南極大陸は第四紀を通じて棚氷に覆われていた。[4]
  • 2〜1.8万年前 - 最寒冷期
  • 1.4〜1.2万年前 - 古ドリアス期(小寒冷期)

完新世

生物

脚注

注釈

  1. ^ 洪積世の名は地質学に時期区分が導入された17世紀にこの時代の地層がノアの洪水の反映と信じられたことによる。現在では神話に結びつけることは望ましくないため、この区分名は使われなくなった。
  2. ^ mya、m.y.a.とは million years ago の略で、百万年前のこと。英語版Wikipedia参照 ⇒ mya (unit)
  3. ^ 千葉県市原市養老川沿いに、この時期に発生した地磁気逆転の痕跡の残る露頭があることから。 小湊鉄道公式ウェブサイト. “市原のパワースポット(地球磁場逆転地層)のご案内”. 2017年11月16日閲覧。
  4. ^ 地域によって異なった名称が与えられている。以下の名称はアルプス地域名(北アメリカ)(リチャード・サウスウッド著、垂水雄二訳 『生命進化の物語』 八坂書房 2007年 301ページ)より。

出典

  1. ^ a b c INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART (国際年代層序表)” (PDF). 日本地質学会. 2015年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月19日閲覧。
  2. ^ 日本第四紀学会#第四紀学最新情報#第四紀と更新世の新しい定義に関連する地質時代・年代層序の用語について 2010年9月17日 (金) 16:57 (UTC)閲覧
  3. ^ リチャード・サウスウッド著、垂水雄二訳 『生命進化の物語』 八坂書房 2007年 299-300ページ
  4. ^ リチャード・サウスウッド著、垂水雄二訳 『生命進化の物語』 八坂書房 2007年 301ページ
  5. ^ a b Wangjie Hu; Ziqian Hao; Pengyuan Du; Fabio Di Vincenzo; Giorgio Manzi; Jialong Cui; Yun-Xin Fu; Yi-Hsuan Pan; Haipeng Li (2023年8月31日). "Genomic inference of a severe human bottleneck during the Early to Middle Pleistocene transition". サイエンス (英語). 381 (6661). doi:10.1126/science.abq7487
  6. ^ a b 「約100万年前、人類は絶滅寸前だった」『Newton』第43巻第12号、2023年10月26日、4頁、ISSN 0286-0651JAN 4910070471234 

参考文献

関連項目

外部リンク

  • 仲田崇志 (2009年10月29日). “地質年代表”. きまぐれ生物学. 2011年2月14日閲覧。

更新世

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/20 00:16 UTC 版)

古瀬戸内海」の記事における「更新世」の解説

東海堆積盆および古琵琶湖堆積盆は約300万年前から北上しその後大阪盆地奈良盆地京都盆地播磨盆地淡路島を含むような広範囲大阪堆積盆形成された。東海堆積盆・古琵琶湖堆積盆大阪堆積盆の3盆地河川接続され広大な淡水域形成されていた。大阪盆地沈降続き、さらに当時地球間氷期突入して海水面の上昇起きたことで、約150万年前に紀伊水道を介して太平洋海水盆地流れ込むことになった地球氷期迎えると海水面低下し、砂や礫が河川堆積して平野湖沼形成した。約130万年前には再び海進起き大阪平野京都・奈良盆地を完全に水没させるほどの範囲まで湾が拡大し第二瀬戸内海形成された。ただしその規模はかつての第一瀬戸内海比べる遥かに限られたものであった第二瀬戸内海は約30万年前に至るまで計10発生していた海進海退サイクル伴って姿を何度も変えていた。 氷期間氷期サイクルに伴う海水準変動に際して海面下で侵食されていた地形離水して海岸段丘形成されたのも氷河期の頃である。ウルム氷期とも呼ばれる最終氷期では、莫大な量の水分氷河・氷床として固定されたため海水面130 - 140メートル低下し第二瀬戸内海陸地変化したウルム氷期終了後縄文海進により海水準回復し現在の瀬戸内海形成されることになる。

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「更新世」を含む「古瀬戸内海」の記事については、「古瀬戸内海」の概要を参照ください。


更新世

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 03:21 UTC 版)

グレートブリテン島の地質」の記事における「更新世」の解説

更新世中の大きな変化幾度か最近氷期によってもたらされた。最も厳しかったのはアングリア氷期英語版)で、厚さが1,000 mにもなる氷河が島の最南端のロンドンブリストルにまで達した。これはおよそ478000年前から424000年前の間に起きテムズ川迂回路がちょう現在の進路をとるように至らしめた。 石器形態数々証拠がみられ、イングランド南部には、アングリア氷期続いて訪れた温暖なホクソニアン間氷期英語版)に、ヒト集団住み着いたイギリス海峡はこの時期繰り返し開いた閉じたりし、時折グレートブリテンを島にした。ブリテン諸島見つかった年代の特定された最古のヒト化石には、25万年前からのスワンズクーム人(英語版)の頭蓋骨含まれ、より早い年代のクラクトニアン人(英語版)の化石もこの時代のものである。 およそ352000年前から13万年前まで続いたウルストニアン氷期英語版)は約15万年前にピーク達した考えられており、その名前はコヴェントリー南東にあるウルストン英語版)に因み同地氷河の南限と考えられている。 ウルストニアン氷期続いてイプスウィッチアン間氷期英語版)が訪れ同時期は最北リーズカバ生息していたことが知られている。 最終氷期であるディベンシアン氷期は約115000年前始まり、およそ2万年前にピーク迎え、ほんの1万年前に終わった考えられており、アスク谷(英語版)とワイ谷が氷河により侵食され氷床自体ウルヴァーハンプトンカーディフの南にまで達したとされている。グレートブリテン島最古のヒト遺骨は「パビランドの赤い貴婦人英語版)」と呼ばれる男性遺骨で、29000年前のものである氷床ピークに達する遂に人々はその土地去り氷床後退すると再び入植した考えられている。5000年前までには、グレートブリテン島は現在よりも温暖であった考えられている。 氷河によって残され特徴中にはスコットランド西海岸フィヨルド湖水地方U字谷、そしてノルウェーオスロ地域から運搬されヨークシャー沿岸堆積した迷子石などがある。

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