行先標
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/31 01:20 UTC 版)
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行先標(ゆきさきひょう、いきさきひょう)は、鉄道の列車やバスに掲出される行き先などを示した板。行先票と表記されることもあり[1]、方向板、系統板、行先板、行先標示板ともいう。幕式のものについては「方向幕」の項を参照されたい。列車の前面に掲示され、列車種別ならびに行先を表示する板を特に運行標識板と称することもある。列車愛称のみを掲示するものについては、同じく「方向幕#ヘッドマーク」を参照のこと。
概要
列車やバスなどの行き先を示すため、車体前面や側面に掲出される。
鉄道車両
日本
日本国有鉄道(以下国鉄)では「列車行先札」の電報略号を「サボ」としていた[2]。これは、「サインボード」の略称といわれる。
その他にも、中・長距離列車が機関車牽引の客車列車を中心とした時代、行き先は車体側面に表示されるのが一般的だったため、それを意味する「サイドボード」や「サービスボード」の略であるという説もある。
呼称は各鉄道事業者によって異なっており、一般的には「方向板」と称していたが、近畿日本鉄道では、前面に掲出する方向板のことを「運行標識」と称していた。
行先標の設置方式(「サボ受け」の形状)には差込式、落し込み式、吊り下げ式の3種類があり、また、サボ受けの設置場所も車両により様々である。
韓国
韓国鉄道公社 (KORAIL) 在来線では、2000年代以降も行先標が主流となっている。韓国では、日本のような種別はなく、列車名によって区別されているため、行先標には「列車名|出発駅→到着駅」のように記載されており、裏面は出発駅と到着駅が逆となっている。なお、行き先には英語とともに漢字でも表記される(ただし、新しい行先標では漢字は省略されている場合もある)。
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韓国における通勤列車の行先標
スイス
ベルニナ特急の行先標は出発駅(クール)・中間駅(ポントレジーナ)・到着駅(ティラーノ)の表示で「Chur - Pontresina - Tirano」と表記されている[3]。
中国
中国国鉄(現・中国鉄路総公司)のほとんどは行先標を車体側面に設置するだけだ。 列車の番号、出発駅、到着駅が書かれたもので。中国語で一般に「水牌」として知られています。
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Z15/16次列車の行先標
バス
バスにおいては、日本では幕式が主流となっているが、台湾などでは行先標式が多い。LED式の行先表示器を装備したバスも増えてきている。
号車札・種別札・愛称札
車両の番号を示す表示として号車札(ごうしゃふだ)、列車種別・列車愛称を示すものに種別札(しゅべつふだ)・愛称札(あいしょうふだ)がある。
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455系電車の側面に掲げられた行先標・愛称札(左上)号車札(右上)種別札(左下)
脚注
- ^ “東京駅から被災地へ つなげる・つながる・支援のこころ 震災復興支援イベントを東京駅で開催します” (PDF) (2011年8月12日). 2015年11月30日閲覧。
- ^ 正しい「電略」。(上) 鉄道ホビダス「編集長敬白」2010年01月13日版(ネコ・パブリッシング)
- ^ 『るるぶスイス』JTB、2012年、45頁
関連項目
方向板
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 13:58 UTC 版)
列車の先頭車両に掲げられていた種別や行き先を示す方向板は、縦長の四角形で、起点と終点の両方が入っており、本線系は青文字、支線系は黒文字で縦書きとなっていた。 普通に関しては、最終まで使用されたタイプは行き先が交換できる方式となっていた。武庫川線はワンマンになる直前までは、緑地に白文字で書かれた行き先同士を波で結ぶ形となっていた。これは普通で使用されたほか、赤胴車では方向幕が設置されている車両は、2016年までは普通の行き先幕が全く入っておらず、「普通」の表示で方向板が使用されていた。このような形式は普通車の方向幕設置車と非設置車が混結される場合でも同様となっていた。 特急は行き先の方向板に加え、横長の四角形で黄色の翼形のマーク(マークの下に赤文字で「特急」)が描かれた種別板を貫通扉に掲げて併用していた。ただし、高校野球の開催期間中は翼形ではなく「高校野球」「センバツ」と書かれた専用マークのものを使用していた。また、梅田駅 - 元町駅間の特急に限り、横長の四角形で中央に青色の翼形のマーク、その上に「特急」、その下に「梅田⇔元町」と書かれた方向板を掲げていた。なお、「特急」の種別板だけは、表示幕が設置されてからもそのまま継続して使用された(貫通扉にサボ受けがない8000系以降の車両を除く)。 急行は縦長の四角形で、上半分は赤文字で「急行」と縦書きされ、行き先はその下に青文字横書きで入っていた。 準急は縦長の四角形で、上半分は赤文字で「準急」と縦書きだがその両脇に青の縦長の帯が入っており、行き先はその下に縦書きで入っていた(「尼崎行」のみ横書き)。 丸形は縦書きの「回送」「試運転」「貸切」「工事」のほか、「A」「B」というものもあった(いずれも白地に黒文字)。このほか、白地に赤丸と黒文字「急」や、カモメをモチーフとした「快速急行」、「うずしお」、「競艇マーク」(準急と準急のないバージョン両方あり)、「梅田甲子園ノンストップ特急」、団体用の「もみじ」「あおば」などもあった。 8000系などの新形式車両で使用される前面左側窓のマークは運行開始直後からしばらく使用された直通特急「大阪ライナー」(青地に黒文字、川の流れを示すマーク)、「姫路ライナー」(赤地に白文字、白鷺のマーク)と、タイガースバージョン(黄地に黒文字、タイガースマーク)もあった。他にタイガースマーク(直通特急でも使用)、「高校野球」(直通特急では2013年春までは未使用で、夏以降からは使用)、「区間特急梅田行き」などもあった。 赤胴車においては、表示幕が設置される以前は、車体側面のドア3か所のうち両端2か所のドア横にサボ受けが設けられており、運用する種別によって白地に赤文字で「特急」「急行」(準急は白地に緑文字で「準急」)と書かれたサボを掲げていた。 5261形で使用されていた方向板。行き先を交換できるタイプだった。 3561形の方向板。行き先と特急マークを併用していた。特急マークは高校野球仕様のもの。 翼形の特急マーク。方向幕になってからも特急マークは2000系の全車廃車直前まで使用されていた。
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