方向指示器の用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 09:33 UTC 版)
右左折時日本では交差点(環状交差点を除く)、または道路外に出るため右折(交通整理が行われている交差点で二段階右折をする場合も含む)または左折する際の合図である。道路交通法第53条各項および道路交通法施行令第21条には、右左折時は、交差点または道路外に出ようとする地点の30 m手前から合図を開始することが定められている。右左折待機中には点滅させず、運転者が求める進行方向に対して進入する直前にしか合図しないのは道路交通法違反の「合図不履行」に該当する。 日本では交差点または道路外に出るための右左折の前段階として、あらかじめ道路の左側端、中央または右側端などに寄るため、進路変更を伴う場合もある。右左折の合図開始は30 m手前からとなっているため、交通の流れに沿ったうえで交差点30 m以上手前までには進路変更を終える。進路変更時の合図は後述。 環状交差点を出る時日本の環状交差点では、環状交差点を出る際にだけ合図が必要である。具体的には、出ようとする出口の1つ手前の出口を通過したら(入口のすぐ次の出口で出ようとする場合には、環状交差点に入るときに)、左折の合図を開始する事が定められている。入口でも左に曲がることになるが、それが左折にはあたらないので、その意図で左折の合図は行わない事に注意が必要である。 日本の環状交差点に入る時はその前段階として、あらかじめ道路の左側端に寄るため、進路変更を伴う。ただし、通常の交差点と異なり、左側端に寄って進路変更が終わったらいったん合図を止めなければならない(前述のとおり、そのすぐ次の出口で左折する意思表示になるため)。進路変更時の合図は後述。 進路変更時進路変更する(車線を跨ぐか否かにかかわらず進路を左側もしくは右側に寄せる)際の合図である。日本の道路交通法第53条各項および道路交通法施行令第21条には、進路変更動作の3秒前に合図することが定められている。 駐停車時および発進時路肩などに駐停車しようとし、または駐停車中に、左側(右側)に駐車する場合には左(右)方向指示器によって合図を行う。日本の法定合図としては、駐停車のために左に進路変更しようとしてから進路変更を終わるまでの間には左方向指示器の合図が必要だが、完全に停止し駐停車状態となった場合には合図義務はない。 駐停車中に左など片側の方向指示器だけの合図を継続するのは、厳密には日本の道路交通法の法定合図ではないが、例えば日本の路線バスが停留所で停車しようとし、またはしている時には常態として行われている。 また、駐停車のあと発進しようとする時も、例えば左側(右側)から発進する場合には右(左)方向指示器を出す。この合図は、発進時に進路変更を伴うのであれば進路変更の合図となる。しかし進路変更を伴わない場合には、厳密には日本の道路交通法の法定ではないが、発進する時には路線バスに限らず常態として行われている。 後退時の方向指示日本の道路交通法では、左折、右折、転回は前進時を想定して規定されており、また後退時には転回時と同様に、他の車両や歩行者の交通の妨げとなる時は停止しなければならない(最も優先度が低い)。以上から、後退時には後退にともない右左折、転回する時も後退灯の合図だけで適法である。またアメリカにおいては、後退しながら進路を変えるときには、後退灯および方向指示器により合図をしなければならない州がある。 低速車の警告表示後述のハザードランプにおける用法も参照。通常四輪車ではハザードランプにより表示するが、道路の左側端によって左方向指示器で示すこともある。オートバイのうちハザードランプ機構の無いものは左方向指示器(右側通行では右方向指示器)により提示する。いずれも法定外の用法である。 パッシングの代用前車に道を譲ってほしい場合、本来の合図は前照灯のハイビームを点滅させるパッシングを用いるが、不必要に威圧的な印象を相手に与える場合があるため、最も右の車線において右の方向指示器(右側通行の国では最も左の車線において左の方向指示器)にて代用することがある。法定外の用法である。 排気ブレーキ使用時かつては排気ブレーキとブレーキランプを連動させることができなかったため、主に大型貨物自動車において、強力な排気ブレーキを使用する際に後続車への合図として方向指示器を使用することがあった。現在の日本においては1993年の法改正により排気ブレーキ使用時にブレーキランプを点灯させることができるようになったため、この用法はほとんどみられない。
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