方向指数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 09:30 UTC 版)
二次元結晶の結晶軸とは本来、基本並進ベクトルと称される2本のベクトルであるべきだが、実際には回転対称性などを考慮し、基本並進ベクトルとは限らない(2本の)格子ベクトルが取られることもある。ただ、代表的な表面についてはどのような格子ベクトルを結晶軸とするか決められている。 ある結晶の結晶軸として a → 1 {\displaystyle {\vec {a}}_{1}} , a → 2 {\displaystyle {\vec {a}}_{2}} , a → 3 {\displaystyle {\vec {a}}_{3}} を取ったとする。このとき、格子点同士を結ぶ任意のベクトル A → {\displaystyle {\vec {A}}} は、整数の組 K, L, M を用いて A → = K a → 1 + L a → 2 + M a → 3 {\displaystyle {\vec {A}}=K{\vec {a}}_{1}+L{\vec {a}}_{2}+M{\vec {a}}_{3}} の形で書き表される。この事実により結晶学では『方向 A → {\displaystyle {\vec {A}}} 』のことを『[KLM]方向』と呼ぶ。但し、[−1 0 0] のように(K=−1, L=0, M=0)負の成分を持つ方向は数字の上にバーをつけ、 [ 1 ¯ 00 ] {\displaystyle [{\bar {1}}00]} のように書く。また、[1,0,0]のような書き方、つまり成分の間にカンマを入れるような書き方はしない。 さらに、対称性(空間群対称性)の観点から等価な方向指数は、そのうちもっともシンプルなもので代表させることが多い。例えば、単純立方晶においては [ 100 ] , [ 010 ] , [ 001 ] , [ 1 ¯ 00 ] , [ 0 1 ¯ 0 ] , [ 00 1 ¯ ] {\displaystyle [100],[010],[001],[{\bar {1}}00],[0{\bar {1}}0],[00{\bar {1}}]} は、点群対象性の観点から全て等価であるため、これらは ⟨ 100 ⟩ {\displaystyle \langle 100\rangle } で代表させる。
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