大和航空関係者 および その家族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 04:53 UTC 版)
「エリア88の登場人物」の記事における「大和航空関係者 および その家族」の解説
津雲 涼子(つぐも りょうこ) OVA:玉川砂記子、CB:潘恵子、テレビ:雪野五月 本作のヒロイン。大和航空の社長令嬢でシンの恋人。優しさや美しさだけでなく、芯の強さも兼ね備えた女性で、神崎の弁によれば彼の母に似ているという。シンの失踪後も神崎に対しては決して心を開かず毅然として潔癖な態度をとる。シンが突如行方不明となっても、一途に彼を想い続け、最終的にその想いを成就させた。 物事を直感的に判断する質で運命論者。父に同伴してシンと初めて出会ったときに一目惚れしただけでなく、将来彼のお嫁さんになると決めている。また、空港で孤児として困っていたジョゼを引き取ると決める際も運命が引き合わせたとして、父への報告を後回しにしてその場で義妹に迎えると決断している。こうした即断即決の気質は度々安田を困らせていたが、結果的には常に正しい選択で、その実シンは涼子を忘れ去ることが出来ず、ジョゼはシンの生還を待つ涼子にとって安田と共に欠くべからざる存在として彼女を支えることになり、後述のようにサキもまた涼子とシンへの理解者として行動することになった。また、シンへの一途な愛は彼女をお嬢様から世界的な影響力を持つ女性へと変貌させることになる。 シンの突然の失踪に心を痛めるが、サキと偶然機内で乗り合わせた際にシンに似ていると直感し、彼の口から部下としてシンの名前が出るやそれが風間真のことだと直感。ロッキーの撮影したサキ、シン、ミッキーの写真を目にとめるや確信に変わる。軍事専門家からシンがアスランにいると聞かされるや、安田を伴ってアスラン行きを決断したが、この時はシンによる大和航空機撃墜未遂事件が起きたため断念させられる。欧州で再会したサキから外人部隊の詳しい事情を聞き、シンの除隊に必要な費用を捻出するため父の残していた大和航空株を処分。それでも不足していたため、神崎から一夜妻になるよう申し出られ身を任せるつもりでいたが、暗殺の危機を辛くも逃れた安田が駆けつけたことで事なきを得る。ようやく念願だったアスラン入りを果たすも、シンは地上空母とグランドスラムへの対応のため奔走している状態ですれ違い、訓練教官としてギリシャ転属のチャンスもふいにしてしまう。その後、地上空母との戦いで部隊としての機能を喪失した外人部隊はアスラン正規軍に編入されることになって依願除隊が不可能となり、涼子の労は報われることがなかった。 それでもめげることなく、大和航空を退社した安田と共にパリでファッションブランドを立ち上げる。プロジェクト4の侵攻で王都が陥落し、セラがシンからの伝言役として彼の戦死を告げても信じなかった。だが、サキの命令で除隊したシンがパリでの平和な生活に馴染めず、マークIII参加を決断した際に別れの電話をかけてきたことにショックを受け、発作的に自殺を図るも安田により救われる。だが、心労を癒やすため日本に一時帰国を決め、八兵衛主催の園遊会に参加したことでシンとの再会を果たす。念願叶って結ばれ、結婚式も間近に迫っていたが、八兵衛の配慮でシンが日本を離れることになり、神崎との決着のためアスランに戻ると決めたため「シンを返して」と泣き叫ぶも、すぐに思い直し、夫のために「女の戦場」に出ると決断。反戦団体を立ち上げて欧州のプロジェクト4関連企業に不買運動などの圧力をかける。その結果国連婦人部に迎えられ、二度目のアスラン入りを果たすも、空港で緊急発進するシンの操縦するタイガーシャークとすれ違う。神崎との決着をつけ、瀕死の状態で生還したもののアスランでの過酷な記憶を喪ったシンと共に日本に帰国する。 劇中終盤はシンと神崎の対決というより、「愛」を信じる涼子と「愛」を信じない神崎の対決と言い換えても良い状態になっていく。神崎の野心を決定的に挫いたのは前線でスエズ侵攻を遅滞させたエリア88ではなく、プロジェクト4の後方を脅かし資金援助という糧道を断った涼子だったと言える。 作中たびたびシンとすれ違う場面が描かれているが、新谷によれば『君の名は』を意識したものであり、作中で二人をすれ違わせるのが快感になっていたという。 安田 妙子(やすだ たえこ) OVA:榊原良子、CB:上村典子、テレビ:山崎和佳奈 大和航空の社長秘書で、初登場時の年齢は28歳。神崎を嫌悪し涼子以上に警戒しており、神崎が社長となってからは退職、その後も涼子と共に行動するようになる。秘書としての手腕は一流であり、涼子以上の行動力を持つ女傑。メガネと巻き上げた髪型が特徴。脇役ではあるが、要所要所で涼子を救い、終盤ではかつての仇だったジュリオラをも救う働きぶりをみせる。 涼子のシンへの想いを他の誰よりも知っているがため、忠実な秘書として、時には友人として彼女を支え続けた。 結婚願望があるが、沢のプロポーズには本気になれず、からかわれていると思って激怒した(沢は強烈な平手打ちを浴びせられてしまった)。涼子がジョゼの身柄を引き取ろうとした際には当初反対したものの、彼女の境遇を知ると同情して涙を流し、賛成に回るなど人情家な一面も。 神崎の危険性を早期に察しており、彼の収賄罪を立証して失脚させた。それを阻止しようとしたジュリオラにより暗殺されそうになったが、後にジュリオラから神崎の命に逆らい極秘裏でソリアを治療していた件で相談を受けてから、涼子には内緒で彼女ともコンタクトを取るようになる。彼女から神崎の子を宿していることを告げられた際には「男と女の違い」を説いた。その後もジュリオラからアスラン王室としての記憶がないソリアのことで助けを求められるなど、彼女の心の支えとなった。「ふたり鷹」の最終回において、妙子は緋紗子が扮していたという描写があった。また、「ガッデム」においても、同名で出演している。 新谷の好みのタイプの女性像を反映したキャラクター。 ジョゼフィン・シトロン(後に津雲に改姓) 通称ジョゼ。初登場時は10歳でフランス国籍。 日本での事故で両親が死んだため孤児となるが、新東京国際空港で出会った涼子が保護者となる。その際に養子として姓を津雲と改め、津雲家の一員になってからは涼子の義妹に。 母の墓が日本にあり、パリに送り返されて施設に入れられると聞いたときにはいつか必ず日本に帰ってこようと考えていた。 読唇術が得意で、それを利用して後述する涼子の父・善三と同じくスイスの病院で入院していたサキに、彼が狙われていることを教え、シーツで作ったロープで階下に逃がすなど子供とは思えない働きぶりでサキを救う。また、涼子との再会を果たしたシンが尚も戦場での習性を忘れられずにいることをその言葉の端々から察し、酔って「ここには出撃なんかない」と絡むなど、シンを平和な世界に引き戻すために精一杯抵抗する。 シン、涼子、安田がそれぞれ日本を離れていたため最終回には登場していない。 津雲 善三(つぐも ぜんぞう) OVA:寺島幹夫、テレビ:宇垣秀成 涼子の父。 大和航空の社長だったが、謀略で大和航空の株を25%取得した神崎が新社長に就任したことによりその立場を追われる。 涼子が語ったシンと出会いの場面において、特攻隊の生き残りであったことが判明している。趣味は刀剣収集で、心臓を悪くして入院した際でも趣味の品として刀を持ってきており、涼子が呆れたほど。先述の通り、体調を崩していた一時期は失明したサキと同じスイスの病院で療養していた。 その後バンバラ大統領の遺産を受け継いだシンにより、大和航空の株は買い戻され社長の座に返り咲く。戦場に戻ろうとするシンに対し、経営を任せると言って防波堤を作ったが彼を引き止めることはできなかった。善三自身も戦闘機のパイロット経験者としてシンの決意に共感できる部分はあったものの、これから娘の涼子と結婚式を挙げようというところで戦場に戻るという彼の申し出に対し、父親の立場としては複雑な思いであった。 沢 松之助(さわ まつのすけ) 大和航空スイス支店宣伝部に勤務。初登場時の年齢は26歳で、スキンヘッドとサングラスが特徴。安田妙子に一目惚れする。 居合いの使い手で、一時期サキのボディガードを勤めていた。その腕前は銃を持つ男二人に前後を囲まれた際、一瞬で両者を気絶させることができるほどで、普段冷静沈着なサキも「な、なんて男だ」と驚愕した。なお、彼が使用している刀は涼子の父が趣味で集めていたもの。 並川(なみかわ) 大和航空の機長。神崎の弁では彼の機長昇格を一番嫌がったというが、神崎の逆恨み的な部分が強い。 大和航空在籍時の神崎をしごき、地中海上空において神崎への最後の試験としてボーイング747を電子装備や自動操縦装置なしで東京まで飛ばせれば国際線機長として認めることを約束した。しかし、このとき雲の中に入った際にちょうど仲間の捜索に出ていたシンの機体が雲の上に出ようとしてニアミスを起こしたため、神崎は腰を抜かしてしまい、操縦は無理と判断して彼が操縦を代わることになった。ニアミスに対して全く動じる様子がなかったことから、豊富な飛行経験を持ち合わせていることが窺える。
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