多数意見とは? わかりやすく解説

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たすう‐いけん【多数意見】

読み方:たすういけん

合議体評決もしくは表決多数占めた意見

最高裁判所における裁判裁判官過半数占め意見となり、判決とされた意見のこと。日本の裁判所では、最高裁においてのみ各裁判官意見表示され下級裁判所では裁判官個別意見示されない法廷意見

[補説] 最高裁の判決文には、多数意見とは別に、各裁判官個別意見表示することができる。個別意見には、多数意見に賛成する意見補足する補足意見」、多数意見の結論には賛成する理由づけ異なる「意見」、多数意見と結論異にする反対意見」がある。


多数意見

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 07:26 UTC 版)

婚外子国籍訴訟」の記事における「多数意見」の解説

最高裁判所大法廷は、平成20年6月4日判決で、次のような判断示した。 これは島田、泉、才口、今井中川那須涌井田原近藤裁判官による多数意見である。 国籍法3条1項による国籍取得の区別の憲法適合性について 憲法10条と憲法14条の関係 憲法14条1項は、法の下の平等定めており、この規定は、事柄性質即応した合理的な根拠に基づくものでない限り法的な差別的取扱い禁止する趣旨であると解すべきことは、当裁判所の判例するところである(最高裁昭和39年5月27日大法廷判決地方公務員待命処分無効確認事件)、最高裁昭和48年4月4日大法廷判決尊属殺重罰規定違憲判決))。 憲法10条は、「日本国民たる要件は、法律でこれを定める。」と規定し、これを受けて国籍法は、日本国籍得喪に関する要件規定している。憲法10条の規定は、国籍国家構成員としての資格であり、国籍得喪に関する要件定めるに当たってそれぞれの国の歴史事情伝統政治的社会的及び経済的環境等、種々の要因考慮する必要があることから、これをどのように定めるかについて、立法府裁量判断ゆだねる趣旨のものである解されるしかしながらこのようにして定められ日本国籍取得に関する法律要件によって生じた区別が、合理的理由のない差別的取扱いとなるときは、憲法14条1項違反問題生ずることはいうまでもない。すなわち、立法府与えられ上記のような裁量権考慮しても、なおそのような区別をすることの立法目的合理的な根拠認められない場合、又はその具体的な区別上記立法目的との間に合理的関連性認められない場合には、当該区別は、合理的な理由のない差別として、同項に違反するものと解されることになる。 日本国籍は、我が国構成員としての資格であるとともに我が国において基本的人権保障公的資格付与公的給付等を受ける上で意味を持つ重要な法的地位でもある。一方父母婚姻により嫡出子たる身分取得するか否かということは、子にとっては自らの意思努力によっては変えることのできない父母身分行為係る事柄である。したがってこのような事柄をもって日本国籍取得要件に関して区別生じさせることに合理的な理由があるか否かについては、慎重に検討することが必要である。 国籍法3条1項の合理性に関する検討 国籍法3条が設けられた沿革と立法当時における同条の合理性に関する検討 国籍法3条規定する届出による国籍取得制度は、法律上婚姻関係にない日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した子について準正のほか同条1項要件満たした場合限り法務大臣への届出によって日本国籍取得認めるものであり、日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した嫡出子生来的に日本国籍取得することとの均衡を図ることによって、同法基本的な原則である血統主義補完するものとして、昭和59年法律45号による国籍法改正において新たに設けられたものである日本国民血統上の親として出生したであっても日本国籍生来的に取得しなかった場合には、その後の生活通じて国籍国である外国との密接な結び付き生じさせている可能性があるから、国籍法3条1項は、同法基本的な原則である血統主義基調としつつ、日本国民との法律上親子関係存在加え我が国との密接な結び付き指標となる一定の要件設けて、これらを満たす場合限り出生後における日本国籍取得認めこととしたものと解されるこのような目的達成するため準正その他の要件設けられ、これにより本件区別生じたのであるが、本件区別生じさせた上記立法目的自体には,合理的な根拠があるというべきである。 また、国籍法3条1項規定設けられ当時1984年当時)の社会通念社会的状況の下においては日本国民である父と日本国民でない母との間の子について、父母法律上婚姻をしたことをもって日本国民である父との家族生活通じた我が国との密接な結び付き存在を示すものとみることには相応理由があったものとみられ、当時諸外国における前記のような国籍法制の傾向かんがみても、同項の規定認知加えて準正日本国籍取得要件としたことには、上記立法目的との間に一定の合理的関連性があったものということができる。 国籍法制をめぐる情勢の変化 しかしながらその後我が国における社会的経済的環境等の変化伴って夫婦共同生活在り方を含む家族生活親子関係に関する意識一様ではなくなってきており、今日では、出生数占め非嫡出子の割合増加するなど、家族生活親子関係実態変化し多様化してきている。このような社会通念及び社会的状況変化加えて近年我が国国際化進展に伴い国際的交流増大することにより、日本国民である父と日本国民でない母との間に出生する子が増加しているところ、両親一方のみが日本国民である場合には、同居有無など家族生活実態においても、法律上婚姻やそれを背景とした親子関係在り方についての認識においても、両親日本国民である場合比べてより複雑多様な面があり、その子我が国との結び付き強弱両親法律上婚姻をしているか否かをもって直ち測ることはできない。これらのことを考慮すれば、日本国民である父が日本国民でない母と法律上婚姻をしたことをもって初めて子に日本国籍与えるに足りるだけの我が国との密接な結び付き認められるものとすることは、今日では必ずしも家族生活等の実態適合するものということはできないまた、諸外国においては非嫡出子対す法的な差別的取扱い解消する方向にあることがうかがわれ我が国批准した市民的及び政治的権利に関する国際規約及び児童の権利に関する条約にも、児童出生によっていかなる差別受けないとする趣旨規定存する。さらに、国籍法3条1項規定設けられた後、自国民である父の非嫡出子について準正国籍取得要件としていた多くの国において、今日までに、認知等により自国民との父子関係成立認められ場合にはそれだけ自国籍の取得認める旨の法改正が行われている。 以上のような我が国取り巻国内的国際的な社会的環境等の変化照らしてみると、準正出生後における届出による日本国籍取得要件としておくことについて、前記立法目的との間に合理的関連性見いだすことがもはや難しくなっているというべきである。 父から胎児認知を受けた子との区別の合理性の検討 一方国籍法は、前記のとおり、父母両系血統主義採用し日本国民である父又は母との法律上親子関係があることをもって我が国との密接な結び付きがあるものとして日本国籍付与するという立場立って出生時に父又は母のいずれか日本国民であるときには子が日本国籍取得するものとしている(2条1号)。その結果日本国民である父又は母の嫡出子として出生した子はもとより日本国民である父から胎児認知され非嫡出子及び日本国民である母の非嫡出子も、生来的に日本国籍取得することとなるところ、同じく日本国民血統上の親として出生し法律上親子関係生じた子であるにもかかわらず日本国民である父から出生後認知され子のう準正により嫡出子たる身分取得しないものに限っては、生来的に日本国籍取得しないのみならず同法3条1項所定届出により日本国籍取得することもできないことになる。このような区別結果日本国民である父から出生後認知されたにとどまる非嫡出子のみが、日本国籍取得について著し差別的取扱い受けているものといざるを得ない日本国籍取得が、前記のとおり、我が国において基本的人権保障等を受ける上で重大な意味を持つものであることにかんがみれば、以上のような差別的取扱いによって子の被る不利益看過し難いものというべきであり、このような差別的取扱いについては、前記立法目的との間に合理的関連性を見いだし難いいわざるを得ないとりわけ日本国民である父から胎児認知された子と出生後認知された子との間においては日本国民である父との家族生活通じた我が国社会との結び付き程度一般的な差異存するとは考え難く日本国籍取得に関して上記区別設けることの合理性我が国社会との結び付き程度という観点から説明することは困難である。また、父母両系血統主義採用する国籍法の下で、日本国民である母の非嫡出子出生により日本国籍取得するにもかかわらず日本国民である父から出生後認知されたにとどまる非嫡出子届出による日本国籍取得すら認められないことには、両性の平等という観点からみてその基本的立場沿わないところがあるというべきである。 法3条1項区別について、これを生じさせた立法目的自体には合理的な根拠認められるものの、立法目的との間における合理的関連性は、我が国内外における社会的環境変化等によって失われており、今日においては3条1項規定は、日本国籍取得につき合理性欠いた過剰な要件課すのである。すなわち、日本国民である父から出生後認知されたにとどまる非嫡出子に対して日本国籍取得において著し不利益な差別的取り扱い生じさせていると言わざる得ず国籍取得要件定めるに当たって立法府与えられ裁量権考慮しても、この結果について、立法目的との間において合理的関連性があるものということはもはやできない小括 上記説示し事情併せ考慮するならば、国籍法が、同じく日本国民との間に法律上親子関係生じた子であるにもかかわらず上記のような非嫡出子についてのみ、父母婚姻という、子にはどうすることもできない父母身分行為が行われない限り生来的にも届出によっても日本国籍取得認めないとしている点は、今日においては立法府与えられ裁量権考慮しても、我が国との密接な結び付き有する者に限り日本国籍付与するという立法目的との合理的関連性認められる範囲著しく超える手段採用しているものというほかなく、その結果不合理な差別生じさせているものといざるを得ない簡易帰化や仮装認知のおそれとの関係 確かに日本国民である父と日本国民でない母との間に出生し、父から出生後認知された子についても、国籍法8条1号所定簡易帰化により日本国籍取得するみちが開かれている。しかしながら帰化法務大臣裁量行為であり、同号所定条件を満たすであっても当然に日本国籍取得するわけではないから、これを届出による日本国籍取得代わるものとみることにより、本件区別前記立法目的との間の合理的関連性を欠くものでないということはできない。 なお、日本国民である父の認知によって準正待たず日本国籍取得認めた場合に,国籍取得のための仮装認知がされるおそれがあるから、このような仮装行為による国籍取得防止する必要があるということも、本件区別設けられ理由一つであると解される。しかし、そのようなおそれがあるとしても、父母婚姻より子嫡出子たる身分取得することを日本国籍取得要件とすることが、仮装行為による国籍取得防止要請との間において必ずしも合理的関連性有するものとはいい難く上記オの結論覆す理由とすることは困難である。 まとめ 本件区別については,これを生じさせた立法目的自体合理的な根拠認められるものの、立法目的との間における合理的関連性は、我が国内外における社会的環境変化等によって失われており、今日において、国籍法3条1項規定は、日本国籍取得につき合理性欠いた過剰な要件課するものとなっているというべきである。しかも、本件区別については、胎児認知受けた子との他の区別存在しており、日本国民である父から出生後認知されたにとどまる非嫡出子に対して日本国籍取得において著しく不利益な差別的取扱い生じさせているといわざる得ず国籍取得要件定めるに当たって立法府与えられ裁量権考慮しても、この結果について、上記立法目的との間において合理的関連性があるものということはもはやできないそうすると本件区別は、遅くとも上告人(原告)が法務大臣あてに国籍取得届を提出した当時2003年)には、立法府与えられ裁量権考慮してもなおその立法目的との間において合理的関連性を欠くものとなっていたと解される。 したがって上記時点において、本件区別合理的な理由のない差別となっていたといわざる得ず国籍法3条1項規定本件区別生じさせていることは、憲法14条1項違反するものであったというべきである。 本件区別による違憲の状態を前提として上告人らに日本国籍の取得を認めることの可否上のとおり、国籍法3条1項規定本件区別生じさせていることは、遅くとも上記時点以降において憲法14条1項違反するいわざるを得ないが、国籍法3条1項日本国籍取得について過剰な要件課したことにより本件区別生じたからといって本件区別による違憲の状態を解消するために同項の規定自体全部無効として、準正のあった子(以下「準正子」という。)の届出による日本国籍取得をもすべて否定することは、血統主義補完するために出生後国籍取得制度設けた同法趣旨没却するものであり、立法者の合理的意思として想定し難いものであって、採り得ない解釈であるといわざるを得ないそうすると準正子について届出による日本国籍取得認める同項の存在前提として、本件区別により不合理な差別的取扱い受けている者の救済図り本件区別による違憲の状態を是正する必要があることになる。 このような見地立って是正方法検討すると、憲法14条1項に基づく平等取扱い要請国籍法採用した基本的な原則である父母両系血統主義とを踏まえれば、日本国民である父と日本国民でない母との間に出生し、父から出生後認知されたにとどまる子についても、血統主義基調として出生後における日本国籍取得認めた同法3条1項規定の趣旨内容等しく及ぼすほかはない。すなわち、このような子についても、父母婚姻により嫡出子たる身分取得したこととい部分除いた同項所定要件満たされる場合に、届出により日本国籍取得することが認められるものとすることによって、同項及び同法合憲的で合理的な解釈が可能となるものということができ、この解釈は、本件区別による不合理な差別的取扱い受けている者に対して直接的な救済のみちを開くという観点からも、相当性を有するものというべきである。 そして、上記解釈は、本件区別係る違憲瑕疵是正するため、国籍法3条1項につき、同項を全体として無効とすることなく過剰な要件設けることにより本件区別生じさせている部分のみを除いて合理的に解釈したものであってその結果も、準正子と同様の要件による日本国籍取得認めるにとどまるものである。この解釈は,日本国民との法律上親子関係存在という血統主義要請満たすとともに、父が現に日本国民であることなど我が国との密接な結び付き指標となる一定の要件満たす場合出生後における日本国籍取得認めるものとして、同項の規定の趣旨及び目的沿うものであり、この解釈をもって裁判所法律にない新たな国籍取得要件創設するものであって国会の本来的な機能である立法作用を行うものとして許されない評価することは、国籍取得要件に関する他の立法上の合理的な選択肢存在の可能性考慮したとしても、当を得ないものというべきである。 したがって日本国民である父と日本国民でない母との間に出生し、父から出生後認知された子は、父母婚姻により嫡出子たる身分取得したという部分除いた国籍法3条1項所定要件満たされるときは、同項に基づいて日本国籍取得することが認められるというべきである。

※この「多数意見」の解説は、「婚外子国籍訴訟」の解説の一部です。
「多数意見」を含む「婚外子国籍訴訟」の記事については、「婚外子国籍訴訟」の概要を参照ください。

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