多数当事者の債権債務
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 15:21 UTC 版)
既述のように準共有について定める264条本文は「この節の規定は、数人で所有権以外の財産権を有する場合について準用する」とし、本来であれば債権も「所有権以外の財産権」として準共有が成立するが、金銭の給付などに共有物分割規定(256条以下)を準用するのは煩雑であることなどから、民法は多数当事者の債権債務関係については民法第3編第1章総則第3節の多数当事者の債権債務の規定(427条以下)を置いている(427条以下の規定は264条但書の「法令に特別の定めがあるとき」にあたり優先的に適用される)。 分割債権及び分割債務(427条)多数当事者の債権関係における原則的形態。分割された債権や債務は相互に独立したものと扱われる。 分割債権1つの可分な給付を目的とする債権を複数の債権者が有する場合をいう。例えば、金銭債権が共同相続された場合(分割債権)や共同売却代金(分割債権)などが考えられる。 分割債務1つの可分な給付を目的とする債務を複数の債務者が負う場合をいう。分割債務とされると債権の効力が弱まることから、学説上分割債務の成立を限定して解する見解がある。例えば金銭債務の共同相続の場合や共同購入者の負う代金支払債務などにつき争いがある。 不可分債権及び不可分債務 不可分債権(428条) 不可分債務 連帯債権及び連帯債務連帯債権 連帯債権についての規定は必要性が貧しいとして民法上に規定は設けられていない。 連帯債務 保証債務単純保証 連帯保証(454条) 共同保証(456条) 貸金等根保証契約
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