多数国間条約の改正に反対する国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/01 00:32 UTC 版)
「条約の改正」の記事における「多数国間条約の改正に反対する国」の解説
改正に反対する国との間で適用される条約改正前に条約を批准し改正に合意した国改正前に条約を批准し改正に反対する国改正後に条約を批准した国改正前に条約を批准し改正に合意した国改正後の条約 改正前の条約 改正後の条約 改正前に条約を批准し改正に反対する国改正前の条約 改正前の条約 改正前の条約 改正後に条約を批准した国改正後の条約 改正前の条約 改正後の条約 条約法条約の前文にもあるように、国際法の基本原理として合意は守られなければならず(pacta sunt servanda)、この原理に基づき発効した条約は当事国を法的に拘束する。その対をなす国際法の基本原理として、合意は当事者を拘束するが第三者を害しも益しもせず(pacta tertiis nec nocent nec procunt)、条約法条約第34条も合意なしに条約が権利や義務を設定することはできない旨を定めている。また条約法条約第40条第4項では、全締約国の合意がなくても改正が可能とする条約の場合、条約の改正規定にもとづいて成立した改正に合意しない国は原則として改正後の条約に拘束されないことを定めている。そのためこうした場合には、改正後の条約に合意する国としない国という、2種類の条約当事国が存在することとなり、適用される条約が改正前のものか改正後のものかについて複雑な条約関係が生ずることとなる(右表参照)。改正後に改正前の条約が当然に無効となるわけではなく、改正に反対する国との間では基本的に改正前の条約が適用されることになる。改正後に多数国間条約に加盟する国は基本的に改正後の条約の当事国となるが、改正に反対する国との関係では改正後に加盟する国も改正前の条約の当事国とみなされ、もしも改正前の条約に拘束されることを望まないのであれば別段の意図を表明する必要が生じる。この改正に反対する国との関係について、国連憲章は例外的な規定をおいている。国連憲章第108条・第109条によると、憲章改正案が国連総会において3分の2の多数決で採択され、すべての安保理常任理事国を含む全国連加盟国の3分の2が各々の国内憲法上の手続きに則って憲章改正案を批准したとき、憲章改正案に反対した国を含めたすべての国連加盟国に対して改正後の憲章が効力を生ずるとしている。
※この「多数国間条約の改正に反対する国」の解説は、「条約の改正」の解説の一部です。
「多数国間条約の改正に反対する国」を含む「条約の改正」の記事については、「条約の改正」の概要を参照ください。
- 多数国間条約の改正に反対する国のページへのリンク