壁内の家族関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 08:47 UTC 版)
「進撃の巨人の登場人物」の記事における「壁内の家族関係者」の解説
グリシャ・イェーガー (Grisha Yeager) 声 - 土田大、上村祐翔(少年) 演 - 草彅剛 エレンの父親。身長182cm。体重78kg。シガンシナ区で医業を営んでいる。かつて区内で謎の疫病が流行した時には抗体を提供して多くの住民を救ったことで尊敬を集め、優秀な医者として厚い信頼を受けていたが、シガンシナ区陥落後消息不明となった。 エレンが外の世界に興味を持っていることを知り秘密の地下室を見せると約束するも、シガンシナ区陥落の混乱に巻き込まれ、避難中のエレンに「母(カルラ)の仇を討つ」、「巨人の力を支配して仲間を救う」ように告げ、地下室の鍵を託し、謎の薬品を注射した。 それ以降は長らく行方知れずのままとされていたが、レイス家の力によって失踪当時のエレンの記憶が呼び覚まされ、ウォール・マリア陥落時にレイス家の人間を巨人化して殺し、フリーダから「始祖の巨人」の力を奪った後、エレンに巨人化薬を注射し、自らを捕食させて死亡していたことが明らかとなった。 その後、旧知の間柄であるキースの話や地下室に残された自筆の手記により、壁外からやってきたエルディア人であったことが判明する。 幼いころ、両親と妹と共にレベリオ収容区に暮らしていたが、妹のフェイをマーレ治安当局の男に殺されたことでマーレに強い憎しみを抱くようになり、成長した後に反マーレの「エルディア復権派」に加わる。「フクロウ」の手引きで出会ったフリッツ王家の末裔であるダイナと結ばれ、誕生した息子であるジークを「マーレの戦士」となるよう仕向けるが、ジークに裏切られてマーレ政府に密告され、ダイナと「エルディア復権派」メンバー共々拘束され、拷問を受けた後、パラディ島に連行される。パラディ島沿岸部の壁上にてダイナや仲間たちが次々と巨人化される中「フクロウ」であるクルーガーに救われ、死期が迫ったクルーガーから「進撃の巨人」の継承と「始祖の巨人」の奪取を託される。その後、壁外でキースと出会い、記憶喪失者という形で壁内に侵入し、密かに独力で「始祖の巨人」を探っていた。 実は最後までレイス家の人々を殺すことを躊躇っていたが「進撃の巨人」の能力で見た未来の継承者のエレンの言葉によって最終的に決断する。その後、未来のジークに対して過去を謝罪し、後に起こる恐ろしい出来事を阻止するためにジークに「エレンを止めてくれ」と懇願した。 実写映画版では巨人化の仕組みを知りたいがために自分の息子に巨人化用の薬を投与するようなマッドサイエンティスト的な一面が強調されている。特定知識保護法違反によりクバルら憲兵団に逮捕される。 ノベライズ版では三の壁に住む「貴族」だったが、この世界のシステムに不満を持ち巨人化の薬「狩人(イェーガー)」を2人の息子(ハク、エレン)に投与し、エレンを自身が立ち上げた反政府組織「鷗」のモンゼン支部長のソウダに預けたことが明かされている。 最終決戦では、始祖の巨人が再生させた歴代の9つの巨人の一人として、進撃の巨人の姿で登場。当初はエレンの傀儡と化してアルミンたちと敵対するが、座標に辿り着いたアルミンの説得を受けたジークの想いに呼応し、始祖討伐の協力を行った。 カルラ・イェーガー (Carla Yeager) 声 - 鷹森淑乃 演 - 緒川たまき エレンの母親。身長165cm。体重58kg。エレンが死亡率の極めて高い調査兵団に入隊したいことを知り反対する。気丈かつ慈愛豊かな性格でミカサに対してもエレン同様の愛情を注ぎ、慕われていた。王政編の終盤でエレンはキースからカルラの想いを聞いてそれまでの葛藤から立ち直っている。 グリシャと出会った当時は酒場のウェイトレスとして働いており、客であったグリシャと出会い、謎の疫病から救われたのを機に結婚し、エレンをもうける。 845年の巨人の襲撃において、超大型巨人が蹴破った扉の破片によって家が倒壊したことで瓦礫の下敷きとなり、エレンとミカサをハンネスに託した後、巨人に食われ、死亡する(後にその巨人はグリシャの前妻ダイナであったことが判明する)。カルラの死はエレンに強い影響を与え、巨人に強い憎しみを持つきっかけを作った。 実写映画版では息子を巨人化の薬の実験台にする夫を見て非難する態度を見せていた。ソウダにエレンを託した後、自宅に踏み込んで来た憲兵団によって夫と共に逮捕されてしまう。 アッカーマン夫妻 声 - 遠藤大智(夫)、広瀬有香(妻) ミカサの両親。「アッカーマン」は父方の姓で、アッカーマン家の分家筋にあたる。母親は壁内人類では絶滅したとされる純血の「東洋人」でヒィズル国将軍家の末裔。 過去、アッカーマン家と東洋人は共に都市部で迫害を受け、社会的に厳しい状況にあい、その中で出会い夫婦になった。東洋人は人種差別による迫害とされているが、アッカーマン家については分家筋はその理由を知らされていない模様。 グリシャとは診療で家に訪れているため親交がある。シガンシナ区近郊で幸せな家庭を築いていたが、844年に東洋人の希少性に目をつけ人買いに売ろうと目論んだ3人組の強盗の襲撃を受ける。その際、当初から殺害対象となっていた夫は刺殺され、ミカサを逃がそうと抵抗した妻も逆上した強盗犯に殺害される。 母親は生前に一族の証として受け継がなければいけない「印」(刺青)をミカサの腕に施していた。後にミカサはこの「印」により、パラディ島を訪れたキヨミに将軍家の末裔と認められる。 アルミンの祖父 声 - 佐藤正治 アルミンの祖父。アルミンの名付け親でもある。禁書である外の世界に関する本を所有しており、アルミンが持ち出した本は彼の蔵書。本人はアニメ版にのみ登場。846年の奪還作戦(名目上のもので実質は強制的な口減らし)に駆り出され、アルミンに麦わら帽子を遺し、帰らぬ人となる。 アルトゥル・ブラウス 声 - 中博史→かわのをとや(Final Season) サシャの父親。南方マーレの訛りで話す。娘のサシャが兵団に入る以前に村で共に暮らしていたころは、貪欲な食い意地と地域事情の変化を拒む態度に手を焼いていた。土着の狩人として受け継いだ伝統の大切さを理解しつつも、大局的かつ現実的な選択としての社会的協調も視野に入れて考えることができる人格者で、頑なに伝統に固執しようとする娘の了見を、他者と向き合うことに臆病なのではと指摘した。 政府からは馬の飼育業への従事を勧められており、サシャが故郷を離れたのちに転業した様子。ウォール・ローゼ内に巨人が出現した際には近隣住民に馬を配っていち早く避難させており、その道中でサシャが助け出した子供(カヤ)を保護したことで娘と再会。娘の行いとその成長を褒めた。 マーレ編では牧場を経営し、カヤなど巨人によって親を失った子供たちを引き取っている。家出した兄妹であると騙ったファルコとガビを温かく迎え入れた。のちにガビがサシャを殺害していた事実を知るが、「過去の罪や憎しみを背負うのは大人の責任」と述べ、ガビに憎しみを見せることはなく、マーレ襲撃後には妻とともにはぐれたファルコとガビを気にかけていた。 実写映画版ではサシャの父親はすでに死亡しており、名前も不明のまま。代わって弟夫婦(演 - インディ高橋・山本カナコ)がサシャの育ての親となっている。夫婦ともに金欲しさにサシャを兵団に入団させるという堕落した人物になっている。 リサ・ブラウス 声 - 岩男潤子 サシャの母親。夫同様に温厚で善良な人物。 アルマ (Alma) 声 - 根谷美智子 ヒストリアの実母。元々はレイス家の使用人の一人だったが、ロッド・レイスと関係を持ち、私生児のヒストリアを産む。しかし出産後もロッドの正妻や側室に収まることはなかったため、囲われのいち妾としてレイス家領内の牧場で父母とヒストリアと共に暮らす日々を送っていた。立場の定まらぬまま日陰者として扱われる現状を不遇と考え、実の娘であり庶子のヒストリアの存在をその原因とみなし、母親として接することを全面的に放棄し、憎悪を抱き続けていた。 845年にレイス家がグリシャの直訴を拒んでロッド以外全員殺害され、ウォール・マリアが陥落した直後、ロッド自ら迎えに来た折(アルマには事件の仔細は一切知らされておらず、唐突な訪問に動揺していた)、その行為を止めに現れた中央第一憲兵のケニーに喉を掻き切られて殺された。その一部始終を見ていたヒストリアに対して、最期まで怨嗟と拒絶の言葉のみを残した。 エルヴィンの父親 少年時代にエルヴィンが通っていた学校の教師として地元の子供たちの初等教育に従事していた。 ある日、エルヴィンがした壁外についての質問に対して、人類が壁内移住に至るまでの歴史には謎と矛盾が存在するという見解と、それについての仮説を述べるが、その後、エルヴィンが父から聞いたことを友達に話していたところを憲兵に聞かれてしまい、危険分子と判断した中央憲兵によって秘密裏に身柄を拘束され、そのまま口封じのため殺された。この一件はエルヴィンの心に、計らずも父の死の原因を作ってしまったことへの強い自責の念と、王政への根深い不信を植えつけ、壁内社会の成り立ちに隠された真実を追究し、父の仮説の証明を目指すというエルヴィンの人生を決定付けた。 中央憲兵のサネスの回想に、捕らえたエルヴィンの父を躊躇しながらも拷問にかける描写が出てくるが、本人は「下手に利口な教師」とだけ話している。 クシェル・アッカーマン (Kuchel Ackerman) リヴァイの母親。ケニーの妹で、本編ではすでに故人であり、ケニーの回想にのみ登場。 諸事情で兄のケニーとは生き別れており、再会した時には「オランピア」という源氏名の娼婦として地下街の娼館で働いていた。その際、客との子を身籠っており、産むと言って聞かなかったというエピソードが描かれている。時を経てケニーが2度目に娼館へ会いに行った時には、幼い息子のリヴァイを残したまま、客からうつされた病気を患い死亡していた。 生前は息子に苗字を教えておらず、その意図を察したケニーも苗字を名乗らなかったため、リヴァイは自分の苗字やアッカーマン一族について全く知ることなく成長した。 ケニーの祖父 声 - 金尾哲夫 名前は不明。ケニーが成人したころにはすでに没落の身で、病に伏せっていた。 代々アッカーマン一族は王政から記憶改竄が及ばない存在ゆえに迫害を受けており、彼の親の代からはすでに失われた歴史の伝承もしてはいなかったが、なお執拗に続く迫害に抗って殺人を重ねるケニーの有様に心を痛めていた。迫害の理由を知らぬまま孤独な反逆を続けていたケニーの要求に応じ、壁内社会の成り立ちと民族構成にまつわる施政の裏事情、王政とアッカーマン一族が決裂した因縁を語った。
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