仮説の証明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/16 07:22 UTC 版)
サンゴ礁の形成の過程に関する仮説としては、アメリカの地質学者、デイリーが1910年に発表した「氷河制約説」があるが、この両者は必ずしも対立するものではない。 ダーウィンの沈降説が正しければ、環礁のサンゴ層はサンゴの生育可能水深である 30 mをこえて堆積しているはずで、さらにその下には基盤となっている島の岩石層が出てくるはずである。それを確認するためにサンゴ礁においてボーリング調査が行われた。 ダーウィンの提案によってロンドン王立学会がフィジー島で行ったボーリング調査では、400 m掘り進んで、そこまでサンゴの層が続いていることを確認したが、岩の層を見つけることはできなかった。 サンゴ層の下に岩の層を見つけることができたのは、1952年、核兵器実験に際してビキニ島とエニウェトク島で行われたボーリング調査で、この時、1,400 mの深さから玄武岩層を取りだすことに成功した。また、この時発掘されたサンゴ化石や有孔虫化石から、サンゴ礁層の深部が 5 千万年くらい前のものとわかった。 これによって、ダーウィンの説が正しかったことが確認され、しかも沈降が 1,000 mを越える大規模なものであることが判明した。
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