ボーリング調査とは? わかりやすく解説

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ボーリング調査 (-ちょうさ)


ボーリング

(ボーリング調査 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/24 04:10 UTC 版)

ボーリング英語: boring英語発音: [ˈbɔrɪŋ])とは、円筒状のを穿つ(: bore)こと。またドリルで開けられた穴を大きくする過程のこと。

機械加工の用語としては、日本語では中ぐりとも言う。機械加工では通常、単刃(シングルポイントカッティングツール)が用いられる。一例として大砲の内筒のくりぬきがあげられる。穴の径をより正確にするためや、テーパー状の穴にするため、などといった加工を指す場合もある(en:Boring (manufacturing)内燃機関のボーリング加工についてはボアアップも参照)。

トンネル井戸など主に地中に円筒状の穴を掘削する作業を指す用語としては、日本語では試錐(しすい)もしくは鑿井(さくせい)などと言うこともある[1]地質調査農業水文学土木工学石油天然ガスなど産業、学術のさまざまな目的で行われている(en:Boring (earth))。この、土壌の掘削について本項で述べる。

概要

油田温泉を目的とした掘削、地質やそれに含まれるものの調査を目的とした「ボーリング調査」が広く行われている。その他にも、主に学術調査の目的で、掘削船による深海底(深海掘削計画、ODP)や、極地や高緯度地帯の氷や凍土を対象としたボーリングなども行われている。穴を開けること自体が目的のものもあれば、円筒状のカッターにより円柱状の試料を採取することが目的のものもある。

由来

細長い筒状の掘削機器で大地に錐のように穴(bore)を開けることから、この名がある。一般には、ボーリング調査、ボーリング試掘などという。日本では日下部義太郎が1929年にボーリングマシンの改良発明をして国産化した。

コアの採取

ケースに収められたボーリングコア

ボーリング調査の際には、地表から到達点までの土壌をまるごと掘削機器内のパイプ(コアバレル、サンプラー、スプリットサンプラー、スプリットバレル、などと言う)に円筒状に取り込むこともできる。そのサンプルをボーリングコアとも言う。土壌サンプルから作られたその地点の地質断面図を、柱状図と呼ぶ。

ボーリングマシン

地面にねじ込む手動式の装置(オーガ)から、無限軌道を装着した大型自走式装置まで多様な機種が存在しているが、原理的には圧力や打撃もしくは回転力により掘削するものである。

ロータリー・ボーリングマシン
主に、地質調査を目的としてコアの採取を行う際に用いる。
ロッドの先を回転させ、注水を行いながら掘削を行う。
パーカッション・ボーリングマシン
深度が浅く、砂岩泥岩など比較的柔らかい岩質に用いる。
先端にビットが付いたロッドを打撃して掘削するため、コアの採取はできない。主にグラウト注入などの用途に用いられる。
打撃音(騒音)が生じるため、都市部や住宅街では避けられることがある。
ロータリー・パーカッション・ボーリングマシン
パーカッション・ボーリングマシンのロッドに回転力を加え、より掘削が容易になるよう改良されたマシンである。
深部や硬い基岩を掘削する場合に用いる。

脚注

  1. ^ 日本国語大辞典、デジタル大辞泉、百科事典マイペディア、日本大百科全書(ニッポニカ)、世界大百科事典内言及『試錐』 - コトバンク

参考文献

関連項目

  • 井戸の掘削英語版(鑿井、さくせい、さく泉)
    • ローラーコーンビット英語版、トリコンビット
    • ドリルビット (鑿井)英語版
  • ケーシング (掘削)英語版
  • 噴出防止装置英語版

外部リンク


ボーリング調査

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:37 UTC 版)

関門トンネル (山陽本線)」の記事における「ボーリング調査」の解説

トンネル建設前に、関門海峡海底に対してボーリングにより地質調査行ったボーリング作業は、水深が浅い場所では海底打ち込んで海面上に足場仮設し、その上にボーリングマシン据えて実施した水深が深い場所では、従来は船やポンツーン上にボーリングマシン据え付け作業位置に錨を入れて固定して実施していたが、関門海峡潮流激しく到底1か所に浮足場固定することはできなかった。そこで空気タンク備えた鉄筋コンクリート製の建造しタンク圧縮空気入れたときは海上浮きあがって目的地まで船で曳航することができ、タンクから空気を抜くと海底着底しての上部が作業用足場となるようにした。高さは約20メートル重量480トンあるで、1か所でのボーリング作業完了後は海峡海流向き変える転流する)時間帯見計らって空気タンク空気送り込んで浮上させ、新たな作業地点曳航した。三菱造船彦島工場製作された。作業使ったボーリングマシンは、スウェディッシュ・ロック・ドリリング製のクレリウス式A-B型で、当初日本国外から雇い入れた技術者指導仰いでボーリング行った1919年大正8年)から1920年大正9年)にかけての調査では、田ノ首 - 新町線計画経路沿って4か所のボーリング調査を行った続いて1927年昭和2年3月23日から1929年昭和4年7月20日でかけて大正時代調査とはやや異な経路19か所におよぶボーリング調査を行った。さらに1935年昭和10年8月13日から11月28日にかけて、弟子待 - 小森江線の経路調査するため、下関側陸上2か所、海底7か所、門司陸上6か所の合計15か所でボーリング調査を行ったこの際海底ボーリングには、前回調査後宇部沖ノ山炭鉱譲渡されていた借り受けてきて使用したこの際は、田ノ首 - 新町線との比較であったため、実際弟子待 - 小森江経路上で海底ボーリング調査は4か所であった

※この「ボーリング調査」の解説は、「関門トンネル (山陽本線)」の解説の一部です。
「ボーリング調査」を含む「関門トンネル (山陽本線)」の記事については、「関門トンネル (山陽本線)」の概要を参照ください。

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