千代川
因幡の清流千代川
(注:この情報は2008年2月現在のものです)
千代川は、鳥取県八頭郡智頭町にある沖ノ山にその源を発し、幾つもの支川を合わせながら、鳥取市より日本海に注いでいます。途中の支川を合流させると流域面積1,190km2、流路延長52kmの河川です。 |
因幡の清流千代川 |
河川概要 |
| ○拡大図 |
1.千代川の歴史 |
"改修前の鳥取市では、江戸時代から明治にかけて250年間におよそ100回の洪水が発生していました。また、その後の市街化にともない洪水被害も増大傾向になりました。このために本川、支川、河口の付け替え等の大規模な改修を行いました。" |
流域の概要 千代川はその源を鳥取県八頭郡智頭町の沖ノ山(標高1,319m)に発しています。源流から途中の佐治川・八東川・砂見川・袋川・野坂川などの支川を合わせながら北に流れ、鳥取平野の中央を貫流して鳥取市より日本海に注いでいます。 その流域面積は1,190km2、流路延長は52kmで、流域は放射状です。 名前の由来 千代川の名の由来には次の説があります。 兵円山という高い山があり、変化に富んだ非常に美しい山だったので、弘法大師がこの山を霊場にしようと考えられました。この川筋に千の谷があったので、千の仏像を刻み、谷に一体づつ安置して札所としようとされました。しかし、その後もう一度谷の数をあらためたところ、谷は九百九十九しかありませんでした。そのため、霊場を断念し、千体の仏像をこの川に全て川に流されました。それ以来、この川を「せんたいがわ」(千代川)と呼ぶようになったと言われています。 過去の大規模な河川改修 改修前の鳥取市では、江戸時代から明治にかけて250年間におよそ100回と3年に1回の洪水が発生し、その後の市街化にともない洪水頻度も増大傾向にありました。そこで、これを防ぐために以下に示す大規模な改修を行ないました。
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2.地域の中の千代川 |
"地域社会と千代川のつながりとしては、江戸時代から続く農業用水や、伝統行事の用瀬の流しびな、高水敷を運動広場として活用、袋川に整備した2箇所の水辺の楽校の利用などが見られます。" |
概要 千代川の源流である沖ノ山から河口にかけての途中には、伝統行事としての用瀬の流し雛(鳥取県無形文化財)が今なお残り、下流部では豊富な流水を背景とした大井手用水や大口用水によりかんがいが行われるなど、古くから人々の生活と千代川は密接な関わりがありました。 関係市町村 流域を構成する市町村は、鳥取市、岩美郡、八東郡の1市8町1村におよび、県都鳥取市を貫流する千代川は鳥取県東部地区における社会・経済・文化の基盤をなしています。 利水(大井手用水、大口用水) 千代川は昔より漁場・飲料水・輸送路として流域住民に多大な利益を与えてきました。特に農業に与える恩恵として、約7,600haの農地をかんがいしています。 大井手用水 大井手用水は千代川左岸側をかんがいする用水で、慶長5年(1600年)に亀井武蔵守により築造された用水路です。この用水の開発を契機に、領主の亀井武蔵守は新田開発を積極的な施策を推し進め、これまでかんがいの難しかった川沿いの微高地周辺や秋里・江津・晩稲などの荒涼とした乾田も生気を取り戻したといわれています。 大口用水 大口用水は千代川右岸の沖積平野をかんがいする用水です。この用水はいつの時代に築造されたのか明確な記録もなく、今なお謎につつまれています。堰の規模や構造からすれば、大井手用水と時を同じくするものと推論されていますが、右岸側の藩主池田氏は土木事業といえば鳥取城下町を中心とした袋川の付け替えや城下町の拡張整備などで、農耕地の記録はあまり残されていません。
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3.千代川の自然環境 |
" 千代川が運んだ土砂が潮流と風の影響を受け、鳥取砂丘を形成しています。 河川を代表する魚としてアユがあり、毎年多くの釣り人が見られます。 貴重種としてもミクリやフジバカマなどの植物やスナヤツメ等の魚類など、レッドデータブック等に記載のある動植物が生息しています。" |
概要 千代川流域の上流域は「氷ノ山後山那岐山国定公園(昭和44年4月指定)」となっています。また河口部右岸側の鳥取砂丘を含む東部海岸部は「山陰海岸国立公園(昭和38年7月指定)」となっています。千代川はこれらを結ぶように流下しています。 鳥取砂丘 鳥取砂丘の全体は千代川の河口を挟んで東西に広がる、西に湖山・末恒、東に浜坂・福部と4ブロックからなる砂丘群です。一般には、千代川河口の東側に広がる浜坂砂丘を鳥取砂丘と称します。その成因は、千代川が運んだ山地からの土砂のうち、比較的細かな砂粒が潮流と風の影響を受け、砂州から丘陵へと成長していったものです。 風が吹いた早朝には美しい風紋が見られます。
植物 千代川の特徴的な植物は、河口部に砂丘に生育するハマヒルガオ群落や防風林として植樹されたクロマツ群落があり、その上流の緩流区間にはオギ群落があります。河口から10km付近にはエノキやムクノキ群落があり鳥類や昆虫類の良好な生息場となっています。 貴重種にはミクリやフジバカマなどが存在しています。 魚類 千代川の特徴的な魚類としてアユがあります。毎年多くの釣り人が見られます。 河口部の汽水域では、ヒラメやイシガレイ・ボラなどが生息しています。 中・上流域ではギンブナやスナゴロモ、カワムツなどが生息しています。 千代川の貴重な種としては、スナヤツメやカマキリ(アユカケ)が確認されています。 鳥類 河口部にはカモメ類が、上流部にはカワガラスやキセキレイ、イワツバメが生息しています。 貴重な種としてはカワウやミサゴ、コハクチョウなどが確認されています。 小動物(哺乳類・爬虫類・両生類) 千代川には哺乳類としてタヌキやキツネ、カヤネズミなどがいます。また、爬虫類ではカナヘビやクサガメ、スッポンなどが、両生類ではトノサマガエルやウシガエルが生息しています。 貴重な種としてカジカガエルやイモリが確認されています。 昆虫類 河口部ではシロスジコガネが確認されています。 中流域ではセミ類やクワガタ類が確認されています。 貴重な種としてオオカワトンボやタガメなどが確認されています。
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4.千代川の主な災害 |
主な洪水
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(注:この情報は2008年2月現在のものです)
固有名詞の分類
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