主塔・橋脚
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主塔形状は耐風安定性(1秒間に72 mの風速に耐える強度の確保)を考慮してA型が採用された。当初は3橋の中で東大橋のみ逆Y型、もしくは逆V型で構想されたが、風洞実験によって橋軸方向(車の進行方向)風による振動が確認されたことで、水平梁を一本加えることで振動を抑止できたA型を採用した。ただし、下段水平梁より下層は下部工の寸法を抑えるためにV字型に絞り込み、中央大橋と共通のイメージとなっている。 主塔高さは125 m(T.P基準では130 m)である。主桁幅は中央大橋と同サイズであるが主塔高さはそれより低いため、中央大橋と比較すると塔両柱の傾斜角度が大きくなっている。 P-1橋脚は名港潮見ICに食い込むことで規模が大きく、中央大橋のP-1のコンクリート使用量13700 ㎥に対して東大橋は17800 ㎥と約1.3倍である。この幅広橋脚に載る主桁も幅広となっているが、それについては後述する。 主塔の色は明度の高い青を採用した。爽やかな空と海のイメージを表現したものである。 主塔架設工事は3段階に分けて施工された。最初は塔基部をアンカーフレームに架設し、それ以外を2段階で架設した。工場にて塔下部(下段水平梁含む。高さ48 m)とそれ以外のA型の塔柱(高さ72 m)をあらかじめ大ブロックに組立て、フローティングクレーン(船と一体となったクレーン)で吊り上げて現場に曳航し、一気に組み上げた。塔架設に要した工期は約6か月である。 P-1、P-4橋脚は下段水平梁以下のV字型の塔形状にあわせて、逆台形とした。橋脚中央にはスリット1本を設け、景観に配慮した。 P-1橋脚(潮見ふ頭側)。幅広の橋脚である。 P-2主塔(潮見ふ頭側)。 P-3主塔(新宝ふ頭側)。 P-4橋脚(新宝ふ頭側)。橋脚中央にスリットを入れた。
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主塔・橋脚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 00:59 UTC 版)
画像左 : 主塔上部は原則単ブロック溶接接合としたが水平梁上部はHTB接合である。ボルトで接合しているのが判る。画像右 : 下部工(基礎)の寸法を極力小さく抑えるために主塔下段水平梁以下をV字形に絞り込んだ。 主塔は規模が大きいため、基礎の寸法を極力縮小するために主桁を載せる下段水平梁より下層はV字形に絞り込んでいる。主塔の色は大白鳥が羽根を広げたイメージとして白とした。 中央大橋は名古屋港のメイン航路上に架橋されたことから、大型船の航行を考慮して主桁は概ね海面上50 mの高さである。その関係で主桁を支える主塔も他の2橋よりも高くなっている。その規模は190 m(T.P 基準では195 m)である。その高さから有害な発散振動の発生が風洞実験によって確認されたことで、中央大橋に限って塔断面を八角形とした。八角形断面としたことで主塔の振動が抑制できたことは、基礎構造をコンパクト化することに繋がり、結果的にコストダウンとなった。 架設工事は塔下層柱(高さ35 m)を主塔基部に据え付けることから始まった。V字形の柱2本が建ってから主桁を支える下段水平梁を架設し、この時点で後述の海中ベントを建てて主桁大ブロックをベントに載せる工事が開始された。従って主塔が完成してから主桁を架設したのではなく、主塔が上に伸びていく過程と並行して主桁も架設されたのである。下段水平梁より上は西大橋や東大橋のように工場でA形に組み上げたのち、フローティングクレーン船で現場に曳航して一括で架設、完成するプロセスが中央大橋では採用出来なかった。これは当時最大級のフローティングクレーン船の吊り能力4100トン、最大吊り高さ132 mに対し、中央大橋の主塔総重量は約6700トン、塔頂部高さTP+195 mで、クレーン船のポテンシャルを遙かにオーバーしたためである。このため上部柱を29ブロックに分割の上、P-2はクローラークレーン、P-3はタワークレーンで1ブロック毎に吊り上げて溶接接合した。ただし、上下水平梁上部はHTB(高力ボルト)で接合した。 P-1、P-4橋脚は東大橋、西大橋と共通の逆台形で、下段水平梁以下のV字型の塔形状にあわせ、統一感を演出した。橋脚中央にはスリット1本を設け、景観に配慮した。一見同じに見える両橋脚も、構造は全く異なる。基礎は共通の場所打ち杭だが、それぞれの橋脚が置かれた条件が上部工の違いを決定づけた。金城ふ頭側と違い、潮見ふ頭側はベント設置が不可能で、このためP-3主塔側主桁の架設はバランシング工法を採用している(後述)。そしてベントが無いことの裏返しとして、P-4橋脚が完成しないことには主桁架設が完了できないことを意味する。加えて、P-4橋脚付近の主桁架設は岸壁があるために台船が侵入できず、主桁の直下吊りは不可能である。よって、P-4側端部の主桁3ブロックは工場で一体化たものをフローティングクレーン船で曳航して一括架設することになった。このことからP-4橋脚の急速施工が要請され、P-1のような鉄筋を組んでいては時間がかかりすぎることから、直線矢板および角形鋼板、形鋼等に加工を施した部材(エレメント)を鉄筋代わりに使用した。エレメントは工場製作のため現場ヤードを不要とし、型枠もエレメントが兼ねることからある程度省略できた。鉄筋は橋脚表面のひび割れ防止筋など最小限にとどめられた。 .mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} P-1橋脚(金城ふ頭側)。あおなみ線の施設と比較すると橋脚の巨大さが判る。 P-2主塔(金城ふ頭側)。 P-3主塔(潮見ふ頭側)。 P-4橋脚(潮見ふ頭側)。エレメントを組み込んだ。
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主塔・橋脚
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独立2橋並列で、両橋が近接することから、支間長(405 m)に比べて主塔の幅が狭いスレンダーな外観が特徴となっている。また、支持層が砂層で軟弱地盤であることから、瀬戸大橋のような門形によらず、重量軽減のためA形として下部工の負担を抑えた。西大橋は中央大橋と東大橋と比べると塔頂から下部工までがストレートで、その形はまさしくA形である。それでも、設計段階では主桁部以下の塔柱間隔を絞り込んで中央、東大橋のイメージで計画されたが、Aに比べて塔下部に架かる負担が大きく、塔自体の重量も重かった。そこに製作の容易さ、形式美も勘案して現行のA形が採用された。主塔形状の変更によって橋軸方向(車の進行方向)の負荷が減少したことに伴い、主塔断面形状も南北方向が狭められて東西方向が長めの長方形となった。主塔高さは122 m(T.P基準では127 m)で、3橋の中では最も低い。 架設は主塔の根元たる小ブロックをアンカーブロックに置いてボルトで接合した。当基部より上の部分(大ブロック)は製作工場でAの形に組み上げて3000 tフローティングクレーンで吊り上げ、そのまま名古屋港に運び入れて下部工と接合した。 西大橋は名古屋港の表玄関の飾りとの位置付けから、その塗装については愛知県と名古屋市、専門家が検討した結果、白色と決定した。ところが主塔が航空法に抵触する高さであることから高層建築物と見なされ、運輸省(現、国土交通省)は赤白縞にすることを求めてきた。つまり東京タワーに塗装されている黄赤と白の縞模様にすることを要請してきたのである。結果的に1980年に航空法施行規則の一部が改正されたことを受けて、昼間障害標識に高光度航空標識灯を設置する場合は黄赤と白の対象外となった。よって色選択の自由度が得られ、西大橋は誘目性、視認性、港のシンボル性を考慮して赤系濃彩色を採用した。塗料は最終の外面上塗りが主として塩化ゴム系とした(一期線)。これは海上施工となるため塩分付着対策、長期的な防錆効果を期待した結果である。工場で下塗り第4層まで塗装し、以降現場に運び入れてケーブル架設後最終塗装を実施した。工場で最終塗装しなかったのは、ケーブル架設も含めた工事における足場、エレベーター、架設梁の設置撤去によって塗膜に傷がついてタッチアップが多くなると判断されたためである。なお、二期線完成を機に一期線の再塗装が実施されている。 P-1、P-4橋脚は鉄筋コンクリート中空壁式である。その外観的特徴はV字形にあり、主塔のA形に比して逆対称を強調するデザインである。中空断面としたのは軟弱地盤上にあることから、重量軽減を図って地盤の負担軽減を狙ったためである。 .mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} P-1橋脚(木場金岡ふ頭側)。 P-2主塔(木場金岡ふ頭側)。 P-3主塔(金城ふ頭側)。 P-4橋脚(金城ふ頭側)。手前の橋脚1基は金城高架橋橋脚。
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