モラード・カーバイト作
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「ファティマ (ファイブスター物語)」の記事における「モラード・カーバイト作」の解説
モラード・カーバイト(Molard Carbide)は、トラン連邦シュリーズ共和国にある研究学園都市「バルチック・アカデミー」出身で、在籍中から「アカデミー開設以来の天才」と高い評価を受けていた。星団暦2880年代 - 3100年代を通じ星団4大マイトの一人として数えられている、クローム・バランシェとは親友であり、ライバルでもある。彼の製作するファティマはバランシェ・ファティマと比較すれば突出した性能は無い(それでも他のマイト作と比較すれば極めて高性能である)が、安定性に優れているため、バランシェ・ファティマより高く評価する騎士も多い。ベテランの騎士のパートナーとなることが多い。後にモラードはバランシェと同様(その理由はバランシェとは異なる)自身に延命措置を施し(新設定ではバランシェと同様の延命措置からさらに重合人間化をおこなう)、彼に次ぐ数のファティマを製作する事となる。 エスト(Est/East) モラード・カーバイトの最初のファティマ。 MH「バッシュ・ザ・ブラックナイト」専用ファティマとして同機と同時に開発され、独自の「シンクロナイズドフラッター・システム」によりバッシュ騎乗時には本来のスペックを2段階上回る力を発揮する。しかしファティマは本来自分と相性の良い騎士をパートナーとして選ぶが、彼女はシンクロナイズドフラッター・システム故に、自分ともバッシュとも相性の良い騎士を選んでしまう性質を持っていた。 完成後バキンラカン帝国に預けられるが、エスト(とバッシュ)を得んとして騎士同士の手合いが行われた結果大量の死者が出る惨事となり、それを目の当たりにした結果エストの精神は崩壊寸前に陥ってしまった。このためモラードは「ファンタム・プログラム」をエストに追加し、事態を回避した。ファンタム・プログラムは、エストが自らパートナーを探すというシステムであり、その状態(シーク・モード)で発現するのがもう一つの人格、ファティマ・バーシャである。 また、彼女はバッシュのみならず、アシュラ・テンプルやヤクト・ミラージュなど数多くのMHに乗り込んで戦闘を経験しており、黒騎士以外にも数多くの騎士のパートナーとなっている。これは主に彼女がマスターに指名した騎士が黒騎士となることを辞退した場合に作動するプログラムによるもので、戦闘経験においては全てのファティマの中でもトップクラスであり、F(フローレス)の称号は彼女の為に生まれたと言っても過言ではない。3960年、最後のパートナーとなった5代目黒騎士グラード・シドミアンの戦死を看取り、バッシュと共にジュノー星アルマの地で眠りに就く。MORE BEST OF FSSによると、その後目覚めたエストはコーラス領に向かったらしい。 クローソー編では、コーラス23世が2代目黒騎士ロードス・ドラクーンと剣の稽古をしている際に、鍋をおたまで叩いて昼食を知らせるシーンがあり、その際にコーラス23世にスモックを貸している。また、コーラス23世がロードスの旅への同行を願い出た際には、「うれしいです」と返事をしている。一方で、ロードスを「意地の悪い」と窘めてもいる。 「運命の三女神」と並んでFSSのイメージリーダー的存在であり、タイトル表紙で不定期に連載される「がんばれESTちゃん」では作者のアシスタント役として登場する。また、2007年9月までトイズプレス社webサイト内に設けられていた旧FSS公式HPのQ&Aコーナーで秀逸な質問や解答を行ったファンには、彼女のイラストが印刷されたテレホンカードがプレゼントされていた。 スペック…戦闘B1(2A)・MH制御A(3A)・演算A(3A)・耐久A(3A)・精神B1(2A)・クリアランスF・タイプSバーシャ(Basha) 本来のマスターである黒騎士を失い、また黒騎士を辞退したマスターも存在しない状態のエストに現れるもう一つの人格である。表面上は「騎士を主と認識出来ない壊れた工場製ファティマ」であり、騎士が強引にヘッド・クリスタルに指を当ててもその情報を読み取らない(逆にいえば、彼女は自分の身の安全の確保の為の仮のマスターすら持つ事が出来ない)。精神崩壊を防ぐため、バーシャとして得た記憶は、一旦エストに戻った時点で戦闘データを除いて消去される仕組みになっている。 バーシャの存在により、エストは自らの正体を隠しつつ次のパートナーを探すことが出来るようになった。しかし前述の理由からマスターを失った、つまり一切の権利が認められないロスト・ファティマの状態で次のパートナーを探し放浪するという極めて過酷な運命を背負うこととなった。 バーシャは腕試しや手合いを目的とした騎士が集まり易いボォス星のカステポーに降り立つ事が多く、この地方では伝説的な存在となっている。彼女は放浪中に素質はあるが未熟な騎士たちと行動を共にする事がある。そして彼らに騎士として必要な技術を教え育てるが、その結果としてしばしば命を落とす者もいた。そのためカステポーでは「黒き死の女神(黒騎士の女神)」「ブラック・ファッティース」とも呼ばれる。なお、バーシャとはナッカンドラ・スバースのAD世紀でのパートナー「デミライト・バーシャ」の名前であり、伝説の王女でありカイエンの母ヤーン・バッシュに由来する。 2代目黒騎士ロードス・ドラクーンがカステポーでデコース・ワイズメルに倒された後、バーシャとして登場。若き騎士ヨーン・バインツェルに出会い、育てる。経験を積んだヨーンだが、相手の力量を量る目を持たぬ故にデコースに決闘を仕掛け返り討ちに遭ってしまう。デコースはエストに力量を認められ黒騎士となり、ヨーンは初恋の相手バーシャを追いかける運命となった。 ビルト/ビルド(Build) 同時期に製作されたため、「エストの妹」とも称される。2992年、シーブル国に雇われていたパイドパイパー騎士団長・パイパー将軍のパートナーとして、カステポーで「命の水」捜索に当たっていたシーブル軍を護衛していたが、同地で失踪したレディオス・ソープの捜索に出動したA.K.D.との武力衝突に発展。将軍の青騎士はシャフトのヤクト・ミラージュにより大破し、彼女は右腕右脚を失った。敵の騎士であったアイシャ・コーダンテに救出され急速冷凍してモラードの元に搬送されたが、ガス壊疽を起こしており、大脳と記憶の保存を最優先にモラードは1年掛けて再生した。このときビルトの見ていた夢が18000年のジュノーにおける怪物ファティマと二人の騎士の戦いだった。その後は親元で過ごすが、2997年、ハスハのAP騎士団を脱走してモラードの元に来たワンダン・ハレーの逮捕でスクリティ隊が起こした森林火災に巻き込まれ、同行していたミース・シルバー・バランシェを身を挺して守った。インタシティの最期に立ち会い、この時に出会ったハレーに対してスタックコードが生じてしまい、その後30回のお見合いに失敗してモラードを嘆かせた。ビルトの想いを察したミースがハレーの捜索を引き受けている。彼が魔導大戦でAP騎士団に復帰した際、約30年もの歳月を待ちパートナーとなった。 「概要」で触れたように、ファティマは人間を凌駕する身体能力を持つが、ビルトの場合、すり鉢でジェラートアイスを作り上げたり(材料を驚異的な速度で攪拌する事で気化冷却を起こし凍らせているので、人間の力では不可能と説明されている)、ハレーを巡る騒動で、ハレーを捕らえに来たと勘違いしてヤーボ・ビートやボード・ビュラードを止めに向かおうとしたモラードを軽々と持ち上げ(その際モラードは「万力で縛られているようだ」と口にしている)、エルディアイに呆気なく倒され重体となったアララギ・ハイトの運び役にもなっているなど「怪力」を発揮するエピソードが多い。 「姉妹」と称されていながらエストとは全く面識がなく、エストがデコースの気遣いでトリストのバランシェ邸でフルメンテナンスを受けることになった際、モラードに同伴して初めて対面した。 スペック…戦闘B1・MH制御A・演算B1・耐久B1・精神A・クリアランスVVS1・タイプS ウリクル(Ulicle) エストに対抗してクローム・バランシェがティータを作ったことを知ったモラードが、ティータのスペックを超えるべく作り上げたファティマ。モラードによれば最大情報入力も反応もティータに勝っているらしい。コーラス23世がモラード邸を訪問したときに茶目っ気を起こし、23世とフィルモアのラルゴ・ケンタウリとの因縁を作ってしまった。そのことが元となり、なし崩し的にコーラス23世のパートナーになった。ハグーダ戦では慣らしのためジュノーンで23世と共にマグロウ狩りをしていたところギエロ・スガスコーニチのブーレイと遭遇。当初は互角の戦いを繰り広げるがスコールにより不調に陥ったジュノーンは擱座。重傷を負った23世を逃がそうとして囮になったところをギエロに殺される。ウリクルの仇をとるため23世は死ぬ覚悟でギエロを討ち取り、力尽きたところをログナーに助けられた。コーラス23世とは恋愛関係にあり、コーラス王妃エルメラを深く悲しませた。 外見上のモデルはナディア・コマネチである。死後、彼女の容姿はマロリー・ハイアラキ、デイジナ・マイスナーに受け継がれた。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算B1・耐久B1・精神A・クリアランスVVS1・タイプS エルマ(Elma) コーラスのトリオ騎士団のプルース・ランダースのパートナー。ハグーダとのマグロウ戦で死亡。 イグリド(Igrid) クバルカン法国のローテ騎士団副団長バレフィラのパートナー。 スペック…戦闘A・MH制御A・演算A・耐久B1・精神B1・クリアランスVVS2・タイプS カプリコーン(Capricorne) アトールのマグダル皇女とデプレ皇子のお付きの少年騎士アード・ゼニヤッタのパートナー。 スペック…戦闘B1・MH制御2A・演算A・耐久A・精神B1・クリアランスVVS1・タイプS エベレスト(Everest) アードと同じマグダルとデプレのお付きの少女騎士ヒン・モンダッタのパートナー。 スペック…戦闘B1・MH制御2A・演算B1・耐久A・精神A・クリアランスVVS1・タイプM スパルタ(Spaluta) カステポーにてボスヤスフォートと戦い、パートナーのミラージュ騎士ビョトン・コーララを失うが、駆けつけたヤーボ・ビートの腕の中に落下してきた。のちにお披露目にてミラージュ騎士バイズビズのパートナーとなる。 ソリュート トラン連邦の判事長ルビール・レイスのパートナー。 マルター バッハトマ帝国黒豹騎士団副官アーリィ・ブラストのパートナー。未登場。 ポーター(Porter) 戦争で瀕死状態のときに全能神ジョーカーにより助けられる。表向きは壊れファティマとしてスペクターことジョーカーと共にフロートテンプルで道化となっているが、ジョーカーに助けられた時に「アーク・スイレィ」が融合し再構成されており、有事にはドラゴン(セントリー)を統率指揮する。作者曰く最強の「ラキシスガード」で、その気になれば惑星すら一撃で破壊可能。3037年、アマテラスの命令でラキシスと配下の「ショウメ」をサタンの襲来から守るべく、主のジョーカー共々救援に赴く。 瀕死再生前の普通のファティマの頃はエストやビルトをロングヘアにしたような容姿・服装をしており、ウリクル亡き後のモラード・ファティマでは最高スペックとされていた。 スペック…戦闘A・MH制御2A・演算A・耐久2A・精神B1・クリアランスVVS2・タイプS アイジェルン(Ijern) 未登場。 スペック…戦闘2A・MH制御2A・演算3A・耐久A・精神2A・クリアランス無し・タイプS (the Tower) アトール聖導王朝に伝わるMH「ジ・エンプレス」(新設定でのGTM「カイゼリン」)の為に詩女ムグミカに依頼されて設計していたファティマ。エンプレスはヤーボ・ビートのファティマ・コンコードが当たることになった為、2997年に設計休止となった。魔導大戦中に設計を再開、モラードの持つ全ての技術を注ぎ込み、製作にはストーイ・ワーナー博士も関わり、「ショウメ」ことセントリー「ブリッツ」幼生より賜った命の水を使用して3100年頃にファティマであり騎士でもある最強の存在として完成。エンプレスを改装したMH「ゴウト・ミラージュ」を一人で駆り、アトロポス・ラキシス・クローソーに匹敵する能力を持つとされており、厳密にはファティマに分類できない存在。ライトニング・ブラストも放てる模様。 タワー製作の背景には、詩女ムグミカからの預言並びにモラードがコーラス城でフォーチュン・ファティマ(ラキシス)と出会った事が影響している。また自分の死後自分に代わってラキシスを追う事で、クローム・バランシェの意図と目的を確認し、あわせて全てのファティマを見守って欲しいとのモラードの願いが込められているという。 後にミラージュ騎士No.36となり、星団を去っていく天照達に同行することになる。7777年、カイゼリンと共にフォーチュンにおける最期の戦いを終えた後、ジョーカー星団を見守ることとなる。 元が爬虫類なせいか、星団暦7818年になってもなおひらがなでしかしゃべれない。 スペック…戦闘VA・MH制御VA・演算VA・耐久VA・精神VA・クリアランス-・タイプ-
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