パチンコ「沼」編
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 05:05 UTC 版)
「賭博黙示録カイジの登場人物」の記事における「パチンコ「沼」編」の解説
坂崎 孝太郎(さかざき こうたろう) 声 - 二又一成 演 - 生瀬勝久 「沼」攻略におけるカイジの協力者。52歳。出身地は不明だが関西弁混じりの口調で喋る(実写映画版では、完全に関西弁)。 かつては大手ゼネコンの現場監督をしていたが、不況の煽りを受けて自主退職する。その後、無為にパチンコ三昧の日々を送り、妻子に愛想を尽かされて離婚する。その際に預貯金や資産を処分し、以後は夜警の仕事をしながらボロアパートに住む。 家族とのヨリを戻すため、退職金や家を売却した際に得られた軍資金2000万円を元に「沼」攻略を練っていた折、一時的に地下王国から解放されたカイジと出くわす。そして、カイジの人並み外れた金に対する気配を察知し、自身の計画に誘う。 一度目の挑戦は奮闘虚しく失敗に終わるも、続く二度目では「第二関門」である役物を破壊する実行役を担う。そして、三度目では軍資金が尽きかけたカイジのため、新たな軍資金を用意するという機転を利かせ、「沼」攻略における鍵となった。 大当たり後、約1億5000万の大金を得る。その最中、遠藤に嵌められ悲嘆の淵に沈んでいたカイジを尻目に、その場から立ち去った。 『賭博堕天録』では、「沼」で得た金で1億3000万の高級住宅を購入することによって妻と娘とのヨリも戻し、その家に恩のあるカイジを元日に招待する。ところが、そのまま50日も居座り働きもせず自堕落な日々を送るカイジに呆れ果て、手切れ金300万円をカイジに渡して追い出す。顔が自分そっくりの娘、美心がいるが、坂崎は人並み外れた美貌と思っており、悪い虫がつかないか昼夜を問わず警戒している。カイジを家から追い出したのも、カイジと美心が関係を発展させるのを恐れていたというのが大きかった(もっともこの件に限ってはカイジからすれば願ったり叶ったりだが)。「沼」の大当たりを機にギャンブルをやめることを誓い、家族と共に過ごせる日々の幸せをしっかり噛み締めている。 『24億脱出編』では恩返しをしに来たカイジと再会するも、呆れるどころか嫌悪しており、自分が渡した手切れ金も「捨てた金」と返済されるのを拒否する。カイジの説得にも動揺せず、「24億を手に入れた」と話すカイジをギャンブル中毒と見抜く。さらにカイジから「坂崎はギャンブルの外ウマに乗っていた状態」という理屈で1億800万円を渡されるが、カイジに対する不信からニセ札にしか見えず、それがかえって反感を売り不機嫌となる。カイジの行動に嫌気が差して堪忍袋の緒が切れ、「ニセ札を渡したら警察呼ぶぞ」とカイジを脅して完全に追い出した。しかし、カイジが回収し忘れた札が本物であったことに気付き、それらを持ってカイジらの元へ走る。カイジからあらためて1億800万円を渡された後、義理と恩返しを済ませたカイジから「俺達は東京を離れる。これが今生の別れになるかもしれない」と告げられ、再び彼らと別れた。その際、出発するカイジに「絶対に遊びに来るんやでぇ!」と本心を表に出し、カイジも坂崎と「沼」で共闘した際の一連の出来事を思い出し涙した。数日後、愛犬のチロと遊んだ後に帰宅するが、突如現れた遠藤らに拉致される。遠藤にレンタカーの手配場所を吐かせられそうになるが、手配場所の位置が判明されたことにより、釈放された。しかし、遠藤に対して嫌悪を抱くようになった。 一条 聖也(いちじょう せいや) 声 - 浪川大輔(アニメ版)、置鮎龍太郎(パチスロ版) 演 - 伊勢谷友介 人喰いパチンコ「沼」を有する裏カジノの若き店長。25歳。 高校時代の学力は高かったが、何らかの複雑な事情で大学進学を諦め、帝愛グループ系列の裏カジノに就職し、下働きから7年でカジノの店長に昇進した。 帝愛No.2の黒崎に目をかけられている幹部候補生であり、かつて自分を見下した高校時代の同級生達を見返すためにも、兵藤会長亡き後の帝愛グループの幹部昇進を志し、兵藤の陰湿ないじめにも耐え抜いてきた。 帝愛の幹部候補生だけあって相応の実力を持ち、坂崎の演技を見破ったり、他のカジノメンバーが気付かない中で、カイジの仕掛けた策や罠に逸早く気付いたりと、その才能の片鱗を作中で何度も見せている。 身だしなみに気を使っており端整な顔立ちをしている。兵藤会長の人間性を嫌っているが、言葉や思想は世の中の真理を突いているものだと認めている。 表向きは温和だが実際は尊大で内心では人を見下しており、カイジを制裁という名でリンチする際、器具を使い生爪の間に針を差し込み全ての指を「血のマニキュア」にするという、中世に行われた拷問並みの所行を行うなどの残忍さも見せる。 「沼」に仕込んだ万全な妨害で坂崎の挑戦を完膚なきまでに退け、その後も沼攻略を狙うカイジを警戒していた。しかし、カイジの緻密な計画による二度目の「沼」挑戦にて仕込んでいたあらゆる妨害対策をカイジに覆され、二転三転の激戦の末、遂に当たりを出される。 その後、ゲームの様子を終始見ていた兵藤の怒りを買い、「沼」の貯め玉を一般客に放出した損害約7億円の代償として、地下懲役1050年(1000万につき15年収容の計算)の制裁を下される。カジノから連行される際、カイジに「這い上がって自分に報復しに来い」と激励を受け、涙ながらにカイジに後のリベンジを誓った。 実写映画版では、友人(水野晴之)に騙され借金の連帯保証人にされて地下に送られたこと、カイジと同じくブレイブメン・ロード(鉄骨渡り)の生還者であるというエピソードが追加されている。ただし一条の場合、地下で知り合った仲間たちが罵りあい裏切りあう様を見てきた結果、人間不信に陥り、仲間を救おうとするカイジを偽善者だとして個人的に特別敵視していることが色濃く描写されている。そのため、沼を用いた決戦への想いがより明白になっており、より一層カイジのライバルらしくなっている。最後はカイジに敗北したことで帝愛に多大な損害をもたらしたため、黒崎の指示によって地下労働1035年の制裁が下され、カジノから連行された。 『中間管理録トネガワ』にも登場する。沼での接待の様子が描かれたが球のほとんどがクルーンに入るY設定釘や、クルーンのハズレ球が復活するフェニックスシステム等の露骨すぎる接待をし「接待が下手くそ過ぎる」と利根川に呆れられてしまった。 スピンオフ作品『上京生活録イチジョウ』ではカイジと出会う前の一条を主人公とし、後輩の村上とともにフリーター生活をする様子が描かれている。 村上(むらかみ) 声 - 河本邦弘(アニメ版)、虎島貴明(『トネガワ』アニメ版) 演 - 柿澤勇人 裏カジノの主任。好戦的な性格で、気に喰わない相手には容赦しない。 「沼」の対決時、一条の補佐役を務めるが、カイジのトリックに理解が及ばない描写が目立った。しかし、終盤では一条の指示を待たず、切り札「風のバリア」を発動させるという機転を利かせ、カイジを窮地に追い込んだ。 カジノでボロボロになった客に取り付けた盗聴器から流れる愚痴を聞きながら、酒を飲むのを最高の愉悦としている(アニメ版ではカット)。「沼」でカイジに当たりを出された後の消息は不明。 原作では苗字のみで名前は明かされていないが、実写映画版では村上 保(むらかみ たもつ)というフルネームが設定されている。同作では、沼の陥落に連座して地下送りになるという結末を遂げた。 優しいおじさん(仮称) 声 - 藤原竜也 年配の「黒服」。氏名や素性などは一切不明。 「沼」に挑むカイジを連行するため、カジノで勝負の行く末を静観していた。一条の確保および地下へ連行した後、カイジが取りつけていた時計型の逃走防止装置を外すため、彼の元を訪れる。その際、獲得した金が大幅に減ったにもかかわらず、45組を裏切るどころか、石田の解放すら打診するカイジの人格に半ば困惑しながらも要求を聞き入れた。 45組と石田の解放時、再びカイジの前に姿を現す。その際、残っていた所持金10万円全てをパチンコで失い、45組に再会することをためらっていたカイジに対し、「クソヒーロー」と罵りながらもポケットマネーから無償で3万円を差し出し、45組と石田に顔を見せるよう取り計らう。その際、カイジから「優しいおじさん」と呼ばれ、涙を流して深く感謝された。 アニメ版では、実写映画版でカイジを演じた藤原竜也が声を担当している。 実写映画版では、彼自体は登場こそしないものの、代わりに利根川が彼の役割を行っており、製品版で追加されたシーンで三好が、「優しいおじさん」という発言をしている。
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