パソコンに搭載された内蔵音源とは? わかりやすく解説

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パソコンに搭載された内蔵音源

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/27 01:35 UTC 版)

内蔵音源」の記事における「パソコンに搭載された内蔵音源」の解説

ビープ音 初期のコンピュータでは、エラー出力などのため、単音ブザーとしてのBEEP発生装置組み込まれていた。これは音楽奏でる目的であることは少なかったが、実装はさまざまであり、I/Oポートの状態がそのまま波形のHigh/Lowを示すもの、一定の周波数出力ON/OFFしかできないもの、周波数指定しトリガ与えることで、一定の音程出力し続けるものなどがあった。 エス・ピー・エスキャリーラボの手により、出力時分割し、高速音程切り替えることにより、和音発声実現したルーチン雑誌への寄稿や、市販ソフトへの組み込みなども見られ発展として、和音だけではなくエンベロープノイズ等も実装されており、音程と、音量制御精度が低いPSG程度表現可能にしていた。 直接音程を得る方法のほかに、出力そのまま1ビットPCMとして利用する方法PWMによる音声再生を行うプログラムいくつか見られた。 また、そのCPUリソース対す負担問題から、PC-9800シリーズでのBGM演奏は、ファルコムゲーム作品ではビブラートつきの単音出力として利用しBio_100%では上記のものより精度の低い分散和音としての擬似的表現使われた。 Programmable Sound Generator (PSG) PSG単純な矩形波3チャンネル演奏出来サウンドチップで、PC-6000シリーズMSXといった初期の主にホビー目的パソコンゲーム機などで広く用いられた。最も多く使われたAY-3-8910では出力ポートのうち、ひとつをノイズ排他利用が可能で、ドラム効果音例え爆発音など)に用いられたが、MIXモードでは回路としては合成ではなく高速切り替えであったため、3チャンネル目は音が濁ることとなったPSG類似したDigital Complex Sound Generator (DCSG) ではエンベロープ生成回路持たないものの、ノイズポートが独立しており、別途制御することが可能である。パソピア7や、MZ-1500等、同一チップ二つ搭載することによって発声数を増やした機種存在するYM2203(OPN) ヤマハFM音源は、少なメモリ使用量多彩な音色表現できるため、1980年代から1990年代にかけてのパソコンなどで広く用いられた。FM音源3音、PSG3音をモノラル出力可能である。多くシェア占めたPC-8801 mk2 SR音源として用いられPC-8800シリーズでは中期以降発売されるゲームがほとんどSR以降対応であった為、標準的な内蔵音源として認識されている。PC-9801では1985年、PC-9801-26として拡張ボード発売基本的にオプション扱いで、本体仕様として搭載している機種一部のみであり、サードパーティーからも互換および上位互換ボード数多く発売された。ホビー用途でも、PC-8800シリーズ立場引き継ぐにつけ、事実上の標準内蔵音源となっていき、PC-9801DXシリーズ以降では標準機能内蔵純正ボードの名前の末尾から「26音源」「26K音源」と呼ばれたサウンドBIOSボード上に存在しているがその機能精度の低さメモリ上の位置などの問題から、利用するアプリケーションはさほど多くなかったものの、搭載していないサードパーティー製ボードでは鳴らないという状況見られる他、OPN出力SSGFM音源部分外部MIXされるため、その音量バランス製品によってばらつきがあった。長く使われ音源であるため、曲データ作成者技術的成熟したYM2608 (OPNA) FM音源6音並びにADPCMチップ内にROMとして波形持っている六種リズム音をステレオで、PSG3音をモノラル再生可能なOPN後継チップである。主な搭載機種はPC-8801用「サウンドボード2」及び、PC-9800シリーズ用「PC-9801-86」ボード(通称86ボード)である。PC-8800シリーズでは、PC-8801FA/MA/MA2/MCとPC-88VA2/3に標準搭載されたこともあり普及見せたもののOPNほどではなかった。PC-98シリーズでは1991年、「スピークボード」として最初にサードパーティーから発売され一定の普及見たが、純正オプションとして発売されたのはPC-98GSに内蔵され音源拡張ボード化した1991年、「PC-9801-73」ボード最初になる。ただし、このボードPCM入出力と、そのエフェクト処理を行うDSPや、ADPCMメモリなど、高価になる要因があり、その9万円という価格背景にあまり普及せず、広い普及1993年にその廉価版である「PC-9801-86」ボード(25000円)が発売され以降のことであった73ボードについては、初期化方法違いから、PCM部分86ボードとは非互換ではあるが、86ボード互換FM音源ボードとして扱われることが大半である。[要出典]86ボードでは、PCM回路別途搭載していることもあり、OPNA自身サポートするADPCM用の256KBのメモリは未搭載である。後にユーザベースで、チップの足に直接半田付けする形でこのバッファ増設するボード頒布された。PCM部分単音出力であるが、ソフトウェア的に合成してから出力することで多重再生するようになったドライバ開発された。 YM2151(OPM) 当時アーケードゲームで最も一般的だった音源出力先を左、右、中央設定でき、OPNには無かったDT2パラメータにより非整数倍音音色生成できるようになったPCへはX1の拡張ボード(後に標準搭載され様になる初期より標準搭載されていたPSG3音を併用することで、11音の同時出力が行えた。)やX68000搭載された。また、X68000では様々な作曲環境演奏ドライバーフリーウェアとして発表されゲームミュージックコピー中心にパソコン通信などで大きな盛り上がり見せたMSM6258 X68000ではFM音源加えADPCM搭載された。 元は留守番電話などの録音再生用のチップであり、しゃべるなどの表現想定したものであったが、電波新聞社ボスコニアン皮切りにFM音源が苦手とする音を再生するための補助パートとして同期演奏が行われるようになったハードウェアとしては、左右並びに中央出力先指定できるが、出力単音である。後にテーブル併用したPCMへの展開、合成ルーチン作成することによって、API拡張し複数チャンネル音量制御伴って合成して出力できるPCM8等が多く使われるようになっているが、これについても仕様異な複数実装存在している。 YM2612 1989年になるとFM TOWNS発売された。YM2612純粋にFM音源ステレオ6音のみのチップである。音自体OPN系変わりはない。TOWNSはこれとは別に8ビットPCMを8チャンネル内蔵していたが、TOWNS自体メモリ搭載量最低1MB、標準2MB以上、かつOSDOSエクステンダ標準搭載し簡単にリニアに全アドレス空間アクセス可能であるという、発売当時としては非常に先進的なマシンであったにも関わらず楽曲演奏時にはその波形メモリは64KBしか使用できず、高度な演奏目指すには制限有った。ただしPCM波形ループさせたり、ハードウェアレベルでエンベロープ付加する機能などで、ある程度フォローはされている。TOWNSCD-ROM標準搭載しており、ゲームBGMにはCD-DA用いられることが多く、やや内蔵音源存在感は薄い機種であると言えるMSX FM-PAC(YM2413(OPLL)) それまで前述PSGのみを内蔵音源としていたMSXでは1988年にバックアップメモリを含む形でFM音源拡張カートリッジFMPAC商品名発売された。FM音源部のMSX規格内での名称はMSX-MUSIC発音数はFM音源9音、もしくはFM音源6音+リズム音源5音だったが、2オペレータFM音源である上に任意にパラメータ指定できる音色種類1種類限られ出力モノラルである点は同世代の他機種比較して劣っているが、反面販売価格は7800円と他の機種オプション音源ボードよりも安価に設定された。その価格設定機能により対応ゲーム続々発売された為、MSX2+では正式なオプション仕様として規格取り込まれ実際にオプション仕様であるにもかかわらず発売され本体搭載されていないものは一部限られ、MSX2+以降事実上標準内蔵音源となった。MSX2の規格ではMSX-AUDIOという形で1986年MSX-AUDIO(OPL)という規格正式にオプションとして定義されており、商品となるFS-CA1が翌年発売されている。そのハードウェア仕様により高価だったこと、並びに発売された製品形状が特殊で利用可能機種選んだことなどにより普及せず、本体仕様として包含した機種発売されることもなかった。そのサブセット廉価版としてMSX-MUSIC規定された。 Windows 21世紀初頭現在最も普及しているWindows環境では、16ビット/48kHzのPCM1チャンネル有るのみである。だが、CPU演算能力など桁違い向上しているため、複数音声合成して同時に再生することが可能になっている。特に機材ドライバ追加せずとも、スタンダードMIDIファイル(.mid)を再生すれば、 Microsoft GS Wavetable SW Synth数十音を合成して演奏してくれるし、その上同時にMP3サウンド演奏したり、ゲーム効果音を鳴らすことも可能である。潤沢なメモリ高速CPU及び周辺環境により、内蔵音源について語られることは少なくなった。ただ、いまだにFM音源求めマニア一部おり、エミュレータなども存在している。 Macintosh Macintoshにおいては原則的にすべての音声信号CPUによって合成されるため、シンセサイザ機能持ったハードウェア内蔵音源搭載されていない最初MacintoshであるMacintosh 128K以来ラックマウント型サーバXserveシリーズを除くすべて機種PCM音声出力機能内蔵されている。過去Quadra 840AVなどDSP搭載する機種一部存在していたが、後のPowerPC採用に伴い廃止された。ソフトウェアにおいてはMIDI対応音源として「QuickTimeミュージックシンセサイザ」 (Classic Mac OS / macOS) およびAudio Unitの「DLSMusicDevice」 (macOS) が標準搭載されている。いずれもローランド社製のGS音色セット採用されているが、QuickTimeミュージックシンセサイザではQuickTime Music Architecture(QTMA)によって、DLSMusicDeviceではDLSまたはSoundFontによって音色変更が可能である。また、テキスト読み上げ音声合成機能として「MacinTalk」 (Classic Mac OS / macOS) が標準搭載されている。ゲームやトラッカーなどでは独自の音源エンジン使用されることもある。

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