FM-PAC
(MSX-MUSIC から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 17:19 UTC 版)
FM-PAC(エフエムパック)は、松下電器産業(現:パナソニック)より1988年7月25日[1]に発売された、MSXコンピュータ用の拡張カートリッジである。正式名称は「FM Pana Amusement Cartridge」。パナアミューズメントカートリッジと同様の一部のゲームなどに対応したバッテリーバックアップメモリ、並びにYM2413を搭載し、MSXに9重和音、もしくは6重和音 + ドラムセット5音の演奏機能と、対応ゲームに対するデータのセーブを実現する。希望小売価格は7800円。
- ^ 『MSX・FAN』1988年10月号 P.114
- ^ a b 『FM音楽館』p.4
- ^ 取扱説明書 p.46
- ^ 取扱説明書 p.7
- ^ 取扱説明書 p.46
- ^ 『FM音楽館』 p5
- ^ 取扱説明書 p.9
- ^ 「早すぎた迷オプション MSX-AUDIO」『MSX MAGAZINE 永久保存版 2』アスキー書籍編集部編著、アスキー、2003年、pp.148-151。
- ^ MSX Datapack 7部3.1.2 I/Oの構成
- ^ 富田のサイト、「TOMMYs'HomePage」
- ^ 『MSX/MSX2/MSX2+ ゲーム・ミュージック・プログラム大全集』p.218 また『マイコンBASICマガジン』誌上では、89年1月号 p.208 に、投稿作品の6 - 7割がFM-PAC用だとの言及がある。
- ^ a b c 『マイコンBASICマガジン』1990年5月号
- ^ MSXでOPLLを3つ同時に使ってみるテスト - YouTube
- ^ MSXのFM音源(OPLL)を同時にいっぱい使って演奏してみた(IppaiOPLL) - YouTube
- ^ MSX用FM音源ドライバ「いっぱいOPLL」
- ^ FM PCM Player: Playing samples on the YM2413 OPLL - YouTube
- ^ Limitations with MSX-Music
- ^ 取扱説明書 pp.10-11
- ^ 富田のサイト、「TOMMYs'HomePage」
- ^ 『FM音楽館』p141
- ^ 取扱説明書 p.36
- ^ 取扱説明書 p.40
- ^ 取扱説明書 pp.39, 45
- ^ 『MSX/MSX2/MSX2+ ゲーム・ミュージック・プログラム大全集』p.224
- ^ 取扱説明書 p.37
- ^ 取扱説明書 p.39
- ^ 取扱説明書 p.43
- ^ 『大全集II』 p.173
- ^ 1990年3月号p.191。または『MSX2/2+ ゲーム・ミュージックプログラム大全集』p.112
- ^ 『MSX2 テクニカルハンドブック』第5部「BIOS」 1986, アスキー
- ^ 『MSX/MSX2/MSX2+ ゲーム・ミュージック・プログラム大全集』
MSX-MUSIC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 09:12 UTC 版)
MSX-MUSICは規格名。音源チップはYM2413。MSX-AUDIOが価格などから日本で普及しなかったため、同時発声数は同じだが自作音色が1声のみなど安価な仕様のYM2413(OPLL)を採用したMSX-MUSICが策定された。拡張機器としてはFM Pana Amusement Cartridgeとして1988年にパナソニックより7,800円で発売されているが、初期化などの手順はMSX-MUSICがMSX本体に内蔵されている機種とは異なる。MSX-AUDIOが標準音源となったヨーロッパでも、フィリップスがMSX市場より撤退し、MSX-MUSICを搭載したMSX2+/turboRがヨーロッパに輸出されたため、ある程度普及した。
※この「MSX-MUSIC」の解説は、「MSX」の解説の一部です。
「MSX-MUSIC」を含む「MSX」の記事については、「MSX」の概要を参照ください。
MSX-MUSIC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 17:19 UTC 版)
MSXの標準拡張音源規格としてMSX2の策定時にMSX-AUDIOが定義されていたが、実際にMSXのオプション機器として製品化されたFS-CA1が34,800円と高価な上にほとんど普及しなかったため、低コスト版として開発された。MSX-AUDIO規格と比べてFM音源チップが廉価なものになった他、PCM用のRAMなどを必要とせず、拡張ハードウェアとして発売されたFM-PACでは音声出力も拡張スロットの音声入力を使用するなど大幅にコストダウンされている。 音源チップとして「YM2413」、ソフトウェアとして「拡張BASIC」と「FM BIOS」で構成され、他のMSXの拡張ハードウェアと異なり拡張BIOSは提供されずスロットにFM BIOSをマッピングした上で直接エントリアドレスをコールする実装になっている。 拡張BASICはMSX-AUDIOのサブセットになっているが、音名が同じであってもMSX-MUSICではハードウェアプリセット音が多く含まれ、似た音は出力されるものの同じ音が発声されるわけではない。また、ハードウェアプリセット音に該当する音色はROM内にはMSX-AUDIOと同じパラメータがセットされているものの、拡張BASICで該当する音色を読みだそうとした場合にはIllegal function callが発生するようになっている。 後述のMML節にあるとおり、通常利用される平均律以外の音律を指定できることも、他の純正MMLや、音源ドライバには見られない特徴である。 尚、FMPACの発売時期がMSX2とMSX2+の間で、MSX2+の規格と一緒に資料が出ていることからメーカーオプションとして発売されたものが規格として取り込まれたと認識されることが多いが、対応するソフトウェアのパッケージには当初より「MSX-MUSIC対応」と八分音符のロゴと共に書かれており、規格の定義の方が先で初期のソフトウェアであっても存在しなかったMSX-MUSIC内蔵の本体でもバグがない限りは正常に対応している。最大2本実装されるよう考慮された実装のMSX-AUDIOと異なり、MSX規格のI/Oポートに定義されたポートは1つ分であり、公式のドキュメントであるMSX Datapackの該当部では、MSX-MUSIC内蔵機器にFMPACを追加した時を例に、同一アドレスに複数の同一音源が接続されることで音量が二倍になることを挙げ、内蔵機器を検出の上、存在しない場合にカートリッジ側のI/Oポートを有効にするように明示している。また、商用アプリケーションについては直接制御を禁止し、FMBIOSを呼び出して制御することを要求している。内蔵機器と増設機器では識別子と電源投入時の初期状態が異なっており、前者は無条件にI/Oポートに接続されているが、後者は明示的に接続してやる必要がある。直接制御をおこなう場合は、内蔵機器を検索し、存在しなければ増設機器を検索し、存在した場合は該当スロットのフラグとなるアドレスを読み込んだ上でフラグを立てて書き込むという処理が必要となる。FMBIOSのINIOPLをコールした場合はFMBIOSを含む初期設定が行われるが、INIOPLを呼び出す場合該当スロットのページ1の状態が書き換わる為、メモリマップによっては注意が必要である。初期状態では音源部は無効であるため後述のユーティリティーの利用も含め、バックアップメモリカートリッジとしてのFMPACの複数の接続、利用は問題はなく、ユーティリティーも各々を認識することができる。 このようにシステムとしては複数の音源をサポートしないものの、MSX-AUDIOとは別のリソースが割り振られているため共存は可能で、moonblasterなどのソフトウェアが同時使用をサポートしている他、 MSX CLUB GHQのdawn of timeなどのデモプログラムなどで、ステレオでの再生を実現している物などがある。 ドライバにあたるFM BIOSは、当時T&E SOFTに在籍していた前述の富田茂による設計とコーディングである。 1989年11月に発売された、『マイコンBASICマガジン』の別冊である『MSX/MSX2/MSX2+ ゲーム・ミュージック・プログラム大全集』では、多くの使用曲が収録された。 最初の商品化された実装であるFM-PACは爆発的なヒットを記録し、他機種のゲームをも含めたヒットチャートでベスト3入りを記録した上、パーソナルコンピュータ全般を取り扱う『マイコンBASICマガジン』誌上の音楽プログラム投稿コーナーへの投稿の8割がMSX-MUSIC用のデータで占められたとされ、また1989年5月から1990年4月までに実際に掲載された音楽プログラム61本のうち、15本がMSX-MUSICのものであった。。 本製品発売後、リリースされたMSX2用のアプリケーションにおいても多くのソフトウェアが対応した。MSX2+ではオプション扱いの規格であるが、MSX2+機で実際にMSX-MUSICを搭載しなかった機種は松下「FS-A1FX」などごく一部に限られており、事実上の標準搭載機能となっている。後に制定されたMSXturboRにて正式に標準仕様に含まれた。使用するにはMSX本体のRAMが32KiB以上必要である。
※この「MSX-MUSIC」の解説は、「FM-PAC」の解説の一部です。
「MSX-MUSIC」を含む「FM-PAC」の記事については、「FM-PAC」の概要を参照ください。
- MSX-MUSICのページへのリンク