ウナギを使った料理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:18 UTC 版)
「 Category:鰻料理」も参照 ウナギを素材とする料理は多く、その地方独自の食文化によって様々な料理が発達している。好き嫌いなどの個人差はあるが、一般的には非日常的なご馳走であり、高級料理として扱われる。 蒲焼 日本で最も一般的な料理法。開いて骨を取り去った身に串を打ち、甘辛いタレを付けて焼く。関東では背開きにして頭を落とし、素焼きした後に蒸しを入れ、その後タレをまぶして本焼きとするが、関西では頭(半助)を付けたままの腹開きで、蒸さずにじっくり地焼きにする。九州では背開きで蒸さずに深めに焼くものが主流。 白焼 タレを付けずに焼いたもの。関東では下焼きの後に一度蒸し、その後もう一度焼き上げる。ワサビ、大根おろしまたはショウガ醤油などを付けて食べる。 静岡焼き 茶を風味付けに使った、ウナギの焼き方。 ぼく飯・ぼく煮 鰻の白焼きとささがきにしたゴボウを醤油と砂糖などで甘辛く煮た浜松市の郷土料理。ご飯にかけるとぼく飯、そのままで食べる場合はぼく煮となる。卵を入れて柳川風にする場合もある。 鰻丼(鰻重) 丼御飯の上に蒲焼を乗せたもの。用いる食器が重箱の場合は鰻重と呼び分けられる。食べる前に山椒の粉を振りかけるのが一般的である。 肝吸い 胃を中心とした内臓部分を吸い物にする。鰻丼や鰻重と共に供されることが多い。 串焼き 肝焼き - 数匹分の胃などを串に刺してタレに浸け焼く。 レバー - 肝臓。串焼きや煮付けで供される。 ひれ巻 - 背びれの部分を串に巻いて焼いたもの。 かぶと焼き - 数匹分のウナギの頭部を串に刺してタレに浸け焼く。 くりから焼き - ウナギを捌く際に出る端切れを串刺しにしたもの。 不動明王の持つ倶利伽羅剣に例えてそう呼ばれる。 半助豆腐 蒲焼にしたウナギの頭(半助)と豆腐を煮たもの。関西地方特有の料理。関西地方ではウナギを頭を付けたまま焼いた後で切り落とすので、頭だけまとめて安価に販売されている。関東地方では頭を落としたウナギを蒸してから焼くので、頭が流通していない。ウナギの蒲焼の頭はコラーゲンも豊富でウナギの風味の濃厚な出汁が取れる。 半助煮 ウナギの頭の佃煮。硬い骨を柔らかく加工調理してある。 鰻の飯蒸し 関西風に焼き上げた蒲焼とタレで味付けしたおこわを竹の皮で包んで蒸したもの。 うざく 小さく切ったウナギの蒲焼とキュウリ、ミョウガなどを使った酢の物。 う巻き 鰻巻き。ウナギの白焼きまたは蒲焼を芯にして巻いた卵焼きのこと。溶き卵に出汁を入れ、鰻を芯として巻き上げる。小口切りにして切り口が見えるように器に盛り、木の芽などを添えて供する。「う巻き卵」とも。ただし、稀に「ウナギのゴボウ巻き」(京都料理の八幡巻)をう巻きと呼ぶこともある。 八幡巻 ゴボウを軸としてウナギなどを螺旋状に巻きつけた上で、煮たもの、または、焼いたもの。ただし、ウナギが使われないこともある。 せいろ蒸し 関西風に焼き上げた蒲焼を、タレをまぶしたご飯の上に乗せて蒸し上げる福岡県柳川市の料理。 刺身(洗い) しっかりと血抜きしたウナギを薄切りにして醤油やポン酢で食べる。皮も湯引きして細切りにする。 しゃぶしゃぶ・ちり鍋 骨切りした生の鰻を用いる。 うなぎ茶漬け 蒲焼あるいは白焼きにした鰻を薬味とともに茶漬けとする。 ひつまぶし ウナギの蒲焼を5ミリから8ミリ幅に細切りにし、お櫃に盛ったご飯の上に載せて供される。茶碗に取り分け、薬味を加えたりお茶や出汁をかけて茶漬けにしたりして食される。名古屋市を中心とした中京地方の郷土料理で、名古屋めしと呼ばれるものの一つ。 ウナギの握り ウナギの蒲焼を種とする握り寿司。 うなり寿司 稲荷寿司をひっくり返し、ウナギの蒲焼きを切ったものが載せてある。名前の由来は「うなぎ」と「いなり」の合成語。 うなぎボーン ウナギの骨を素揚げにした料理、スナック菓子。 うなぎパイ 「ウナギパウダー」入りの菓子パイが有名である。他にも「うなぎんぼ」などのウナギ成分を使った菓子がある。 うなぎパイ(eel pie、イギリス南部の郷土料理) イギリスの伝統料理。パイ生地にぶつ切りにしたウナギを入れて焼き上げた物。これにマッシュポテトを添え、リカーと呼ばれる緑色のソースを掛け回した一皿であるパイ・アンド・マッシュが、フィッシュ・アンド・チップスと並ぶロンドン庶民の味として親しまれてきたが、テムズ川産ウナギが希少化し、より安価な牛肉を用いたミート・パイで代用されるようになっている。 ウナギのゼリー寄せ イギリス、主にロンドン・イーストエンドの郷土料理。現地ではjellied eelsと表記される。ぶつ切りにしたヨーロッパウナギをスープストックで煮込み、ゼラチンで冷やし固めた料理。チリビネガーを掛けて食べるのが一般的である。 フライ ウナギを衣揚げにし、胡椒のソースなどを掛けて食べる。日本ではあまり見られないが、ヨーロッパなどで供される。 煮こごり ヨーロッパウナギやアメリカウナギなどの他のウナギもイタリア、スペイン、フランスなど南欧を中心に、主に煮こごり料理として各地で食用にされている。イタリアのものはイギリスのゼリー寄せに似ているが、チリビネガーではなくバルサミコ酢を使用する。 シラスウナギ料理 スペインではウナギの稚魚であるシラスウナギを食する習慣がある。代表的なものとして、シラスウナギをそのままオリーブオイルで煮立てた「アヒージョ」と呼ばれるオイル煮がある。スペインでもシラスウナギは希少・高価な存在であり、すり身で作ったウナギの稚魚もどきが販売されている。 燻製 ドイツではウナギの燻製はポピュラーな食材である。そのまま焼いて食べる他、煮込み料理にも使用する。 煮込み(スープ)、鍋料理 フランスのワインを使用して煮込むマトロット、ドイツのアールズッペ、中華料理、韓国料理 マリネ 茹でる・焼く・揚げるかのいずれかの方法で調理したウナギを、別途用意した漬け汁と合わせて食べる。ラテン系の地域ではエスカベッシュという名前で、よく出てくる料理。
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