ヨーロッパウナギ
英語:European Eel
欧州の河川部に生息するウナギ科の魚。食用魚として古くから知られるが、近年個体数が減少している。
ヨーロッパウナギは欧州のほぼ全域、および北アフリカ沿岸などを主な生息域とする。親魚は大西洋に出て産卵する。海で生まれた稚魚は成長しつつ海流に運ばれ、川を遡って親魚に成長する。
2000年代後半にヨーロッパウナギの深刻な減少が問題視されるようになった。2008年には国際自然保護連合(IUCN)により絶滅危惧IA類(近絶滅種)に指定され、2009年からはワシントン条約による輸入取引の規制対象に指定された。また欧州連合(EU)も輸出禁止措置をとっている。
ヨーロッパウナギはニホンウナギの代用として日本でも価値が見出されている。禁輸指定された2010年代以降も、ヨーロッパウナギが日本に輸入されているが、これは禁輸指定される前に輸出された稚魚(シラスウナギ)を、養殖して出荷しているものとされる。WWFジャパンによれば、ウナギの輸入の実態、正確な輸入量は、よくわかっていないという。
関連サイト:
Anguilla anguilla - The IUCN Red List of Threatened Species
ヨーロッパウナギの輸入規制はじまる - WWFジャパン
ヨーロッパ‐うなぎ【ヨーロッパ×鰻】
ヨーロッパウナギ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/27 18:01 UTC 版)
ヨーロッパウナギ(欧羅巴鰻、学名:Anguilla anguilla)はウナギ科に属する魚類の1種。ヨーロッパに分布する唯一のウナギであり、古代から食用魚として利用された長い歴史を持つが、個体数は近年著しく減少している。2007年にワシントン条約の付属書に記載され、2009年から貿易取引が制限されている[2]。
- ^ Jacoby, D. & Gollock, M. (2014). "Anguilla anguilla". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.1. International Union for Conservation of Nature. 2014年6月28日閲覧。
- ^ “ウナギをめぐる状況と対策について(令和元年7月)”. 水産庁. 2019年7月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “Anguilla anguilla”. FishBase. 2010年4月18日閲覧。
- ^ 青山 潤. “DNAマーカーによるウナギ属魚類の系統解析と種査定法の開発”. 2014年6月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 『海の動物百科3 魚類I』 pp.26-36
- ^ 新井崇臣、耳石が解き明かす魚類の生活史と回遊 日本水産学会誌 Vol.73 (2007) No.4 P652-655
- ^ a b 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.115-116
- ^ 宮本拓海「外来水生生物事典」(柏書房)87頁
- ^ Rachel Nuwer (2014年8月11日). “RIP, World's Oldest Eel: The eel, 155, passed away in a Swedish well late last week”. Smithsonian. Smithsonian Institution. 2018年11月22日閲覧。
- 1 ヨーロッパウナギとは
- 2 ヨーロッパウナギの概要
- 3 人間との関わり
- 4 参考文献
- 5 関連項目
固有名詞の分類
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