怒り 怒りの概要

怒り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/01 16:08 UTC 版)

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原因

怒りは、人間の原初的な感情の一つで、様々な要因・理由で起きるものである。様々な説明の方法があるが、冒頭の説明を別の角度から説明すると例えば、怒りというのは「危険にさらされた」という意識・認識に起因している、と説明できることは多い。「危険にさらされた」というのは、身体的なこと、有形なことがらに限らず、自尊心名誉などの無形のことがらまで含まれる。

怒りのありがちな原因というのは、人生のステージごと、年齢層ごとに異なった傾向がある。幼児のうちは、怒りのありがちな原因というのは身体的な拘束である[1]。それが子供になってくると、厳格な規則であったり、自分に注目してくれないこと、などということが理由となる[1]青年期や大人になると、怒りの要因は身体的なことではなく、もっと社会的なものになってくる傾向がある[1]。大人では例えば、(権利の)剥奪、(他人からの)不承認、いつわり・欺瞞などといったものが怒りの要因となる[1]

宗教における位置づけ

en:The Seven Deadly Sins and the Four Last Things, ヒエロニムス・ボッシュ (1485). 「怒り」は 円形の一番下に位置している。円の真ん中にラテン語で次のように書いてある。 「Cave Cave Deus Videt思い起こせ、思い起こせ、神は見ておられることを」

多くの宗教で、怒りは人間の最もネガティブな感情と捉えられている。憤り、怒ることを憤怒といい、キリスト教では、七つの大罪のひとつとされる。仏教では、怒りは人間を地獄界の精神状態に追いやり、死後最悪の条件に転生すると考える。また、ユニコーンドラゴン等が、憤怒を象徴する動物として描かれる事もある。

一方、は往々にして人間の中の正しくないものに向かって怒る存在であるが、ネガティブな感情であるとは限らない。ギリシア神話ローマ神話等では、怒りによりときに人間を滅ぼす場面も見られる。

仏教では、怒りは煩悩のうち、三毒とされる基本的な3つの・瞋・(とんじんち)のうち、瞋(しん)である。不動明王三宝荒神のように、貪瞋癡を許さんという慈悲が極まり、憤怒の相で表れて不浄を厭離し、仏法僧を守護する仏も見られる。磨滅するために怒りをわざと高めて悪しき心を陳伏すること。

哲学者らの見解

アリストテレスは次のように述べた。

「然るべきことがらについて、然るべきひとびとに対して、そしてまた然るべき仕方において、然るべきときに、然るべき間だけ怒る人は賞賛される」(アリストテレスニコマコス倫理学』)

ベンジャミン・フランクリンは次のように述べた。

「怒りにはいつも理由がある。ただし、正当な理由はめったにない」[2]

三木清は、怒りを肯定的にも捉えた。『人生論ノート』に「怒について」という章をもうけてこれを論じている。彼は怒りが否定的に捉えられている現状を認めつつ、以下のようにこれを批判している。彼は怒りが憎しみと混同されていることを問題視する。両者は確かに似たものではあるが、憎しみが極めて個人的な負の感情であるのに対して、怒りは常に突発的なものであり、それだけに純粋な、より深いものであるとする。

一般に、怒りは正常な判断力を麻痺させる、とされることは多い。




  1. ^ a b c d e http://www.encyclopedia.com/topic/Anger.aspx
  2. ^ ダニエル・ゴールマン『EQ こころの知能指数』p.98
  3. ^ 大辞泉【私憤】
  4. ^ 大辞泉【公憤】
  5. ^ 『私憤から公憤への軌跡に学ぶ―森永ひ素ミルク中毒事件に見る公衆衛生の原点』1993
  6. ^ 吉原賢二『私憤から公憤へ: 社会問題としてのワクチン禍』岩波書店、1975
  7. ^ a b c d e 『EQ 心の知能指数』p.99
  8. ^ 『EQ 心の知能指数』p.99-101
  9. ^ Turn off anger”. Harvard Health Publishing (2015年7月). 2020年2月8日閲覧。
  10. ^ Publishing, Harvard Health. “Working out while angry? Just don’t do it”. Harvard Health. 2021年1月1日閲覧。
  11. ^ 『EQ 心の知能指数』p.102
  12. ^ 『EQ 心の知能指数』p.103
  13. ^ a b c d 『EQ 心の知能指数』p.104
  14. ^ 安易なショッピングは無駄遣いをしてしまったという後悔や自己嫌悪、「やけ食い」もしばしば後悔・自己嫌悪につながり、人によっては肥満→自己嫌悪・ストレス→肥満 という自己破壊的な悪循環にも陥ってしまうことがある。
  15. ^ a b c d 『EQ 心の知能指数』p.106







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