瞋恚とは? わかりやすく解説

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しん‐い【××恚/××恚】

読み方:しんい

連声(れんじょう)で「しんに」とも》

怒ること。いきどおること。「—に燃える」

仏語三毒十悪の一。自分の心に逆らうものを怒り恨むこと。


しん‐に〔‐イ〕【××恚】

読み方:しんに

「しんい」の連声(れんじょう)。


瞋恚

読み方:シンイshin’i), シンニ(shinni)

怒り恨むこと。

別名 嗔恚


しんに 【瞋恚】

仏教用語梵語クローダ(krodha)の漢訳で、怒り憎むこと。シンイだが連声変化シンニ読んでいる。単に瞋とも。三毒一つ。→ 三毒

(瞋恚 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 06:50 UTC 版)

仏教用語
パーリ語 dosa (ドーサ)
サンスクリット語 dveṣa (ドヴェーシャ), pratigha (プラティガ)
日本語 瞋, 瞋恚
英語 anger, ill-will, hatred
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(しん、: dveṣa, pratigha: dosa)は、仏教における煩悩のひとつで、怒りを指す[1]瞋恚(しんに)ともいう。憎しみ[2]、嫌うこと、いかること[3]。心にかなわない対象に対する憎悪[2][4]。自分の心と違うものに対して怒りにくむこと[5]

仏教においては、

定義

大乗阿毘達磨集論英語版(Abhidharma-samuccaya)では以下のように述べられている。

瞋(pratigha)とは何か? それは苦、衆生、苦を備えた心への怒りを本質とし、安穏ならざる〔状態〕に住し、悪しき行い〔を為すこと〕の依り所たることを作用とする。
(何等為瞋?謂於有情苦及苦具心恚為体。不安隠住悪行所依為業。)

法相二巻抄における唯識大意では、 (自分)に背くことがあれば必ず怒るような、「自分がないがしろにされた」という思いと解釈している[1][4]

対治

瞋恚を断つ方法としては、パーリ仏典大ラーフラ教誡経(Mahārāhulovāda-sutta)に例が示されている。この中で、釈迦は息子の羅睺羅(ラーフラ)に以下のように説いている。

Mettaṃ rāhula bhāvanaṃ bhāvehi. Mettaṃ hi te rāhula bhāvanaṃ bhāvayato yo vyāpādo so pahīyissati.

ラーフラよ、の瞑想を深めなさい。というのも、慈の瞑想を深めれば、どんな瞋恚も消えてしまうからです。

鋸喩経において釈迦は、比丘たちに対し心を乱すことないよう説いている。

抜粋

Siñca bhikkhu imaṃ nāvaṃ sittā te lahumessati
Chetvā rāgaṃ dosaṃ ca tato nibbāṇamehisi.

比丘よ、この舟から水を汲み出せ。
汝が水を汲み出せば、軽やかに進むであろう。
貪欲瞋恚とを断ったならば、汝は涅槃に達するだろう。

Natthi rāgasamo aggi
natthi dosasamo kali
Natthi khandhasamā dukkhā
katthi santiparaṃ sukhaṃ.

性欲に等しい火はない。
怒りに等しい損失はない。
五蘊に等しい苦しみはない。
心の平安に勝るはない。

脚注・出典

  1. ^ a b c d 中村元『ブッダの言葉』新潮社、2014年8月29日、Chapt.4。ISBN 978-4103363118 [要ページ番号]
  2. ^ a b 櫻部・上山 2006, p. 115.
  3. ^ a b 中村 2002, p. 96.
  4. ^ a b c d 中村元, 仏教語大辞典, 東京書籍, 「瞋」, ISBN 9784487731527 
  5. ^ a b c 『例文仏教語大辞典』小学館、1997年、「瞋」。 ISBN 4095081112 
  6. ^ パーリ仏典, パーリ仏典中部73 大ヴァッチャ経, Sri Lanka Tripitaka Project
  7. ^ 「根本煩悩」 - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、2014年、Britannica Japan。
  8. ^ アルボムッレ・スマナサーラ『原訳「法句経(ダンマパダ)」一日一話』佼成出版社、2003年、Kindle版, 3.6。 ISBN 978-4333020447 

参考文献

関連項目


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