一円硬貨
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変遷
- 1870年(明治2年/明治3年)11月27日:旧一円銀貨製造開始。
- 1871年(明治3年/明治4年):旧一円金貨(本位金貨)製造開始。
- 1871年(明治4年)7月19日:旧一円銀貨発行開始[28]。
- 1872年(明治5年)3月13日:旧一円銀貨製造終了。
- 1872年(明治5年):旧一円金貨(本位金貨)発行開始[29]。
- 1874年(明治7年):新一円銀貨発行開始。
- 1874年(明治7年):旧一円金貨の直径を縮小し、やや小型のものに変更。
- 1880年(明治13年)2月:旧一円金貨製造終了[注 5]。
- 1897年(明治30年)3月:新一円銀貨製造終了。
- 1898年(明治31年)4月1日:前年の貨幣法施行に伴い、この日をもって全ての一円銀貨の日本国内における通用停止[注 4][29]。
- 1948年(昭和23年)9月21日:一円黄銅貨の様式を制定[注 7][29]。
- 1948年(昭和23年)10月25日:一円黄銅貨発行開始[25]。図柄は橘。
- 1950年(昭和25年):一円黄銅貨製造終了。
- 1953年(昭和28年)12月31日:この日をもって一円黄銅貨の通用停止。この硬貨は第二次世界大戦後に発行されているが、素材金属価格の高騰により鋳つぶしされる恐れがあったため、「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律(小額通貨整理法)」により廃貨措置がとられて失効した。
(この間は日本銀行券の一円紙幣のみ製造発行[注 8])
- 1955年(昭和30年)3月16日:一円アルミニウム貨の様式を制定[注 9][29]。
- 1955年(昭和30年)6月1日:一円アルミニウム貨発行開始[2]。図柄は若木。
- 1968年(昭和43年):生産過剰となったため、1年間製造を休止。
- 1988年(昭和63年)3月31日:翌日の通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律の施行に伴い、この日をもって一円金貨の通用停止[注 6]。
- 1988年(昭和63年)4月1日:通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律の施行により、従前は臨時補助貨幣として発行されていた一円アルミニウム貨は「貨幣とみなす臨時補助貨幣」として引き続き通用力を有することとなった。
- 2011年(平成23年) - 2013年(平成25年):電子マネーの普及等により需要が減少したため、ミントセット向けを除き製造を休止。
- 2014年(平成26年):消費税8パーセント引き上げに伴い、一般流通向けの製造を再開。
- 2016年(平成28年) - :ミントセット向けを除き、再び製造を休止。
なお、1872年(明治5年)4月から1958年(昭和33年)10月1日までは一円紙幣が並行して発行されていた[注 10]。
注釈
- ^ 例えば、カナダドルの1セント硬貨は2013年に発行停止[13]。
- ^ 日本でも昭和30年代半ば(1960年代前半)、一円硬貨の不足により(#歴史を参照)釣り銭の代用品としてハリスが1枚1円の「おつりガム」をスーパーマーケットや駅売店向けに製造したことがある[14]。
- ^ 金融機関での両替や硬貨取り扱いの有料化や手数料の値上げが進み、両替金額や、預入れ・払戻し時に、取り扱う一円硬貨の金額を、手数料が上回ることがしばしばある。たとえば2022年1月17日以後、ゆうちょ銀行のATMで預け入れる場合は、100枚の一円硬貨を入金すると手数料(ATM硬貨預払料金)に330円がかかり、取引前後で貯金残高が230円減少する計算になるが、ゆうちょ銀行ATMでは硬貨を取り扱う際に預け入れ金額以上の手数料がかかる場合は実際には取り扱いできない。また。窓口の取引では50枚までは無料だが、それ以上になると一円硬貨のみで入金する場合は手数料(硬貨取扱料金)が上回り取引前後で貯金残高が減少する[15][16]。尚、税務署の窓口で直接納税する場面では枚数の制限なく、手数料なしで使用できる[17]。
- ^ a b 但し、台湾や中国などの地域では以降も継続して広く流通。日本国外への輸出を目的とした1円相当の台湾銀行券引換元圓銀(日本国内では銀地金扱いであり法定通貨ではないため「円形銀塊」とも呼ばれた)が1901年(明治34年)から1914年(大正3年)まで発行されていた。
- ^ a b のちに明治25年銘の一円金貨がごく少量製造されているが、これは流通を目的としたものではなく展示用である。詳細は「日本の金貨#明治時代のプルーフ硬貨」参照。
- ^ a b 金地金としての価値や古銭的価値が額面金額を大きく上回っており、実質的にはそれ以前から市中では流通していなかった。形式的に通用停止後半年間は現行通貨との引換が行われたものの、引換実績は0枚であった[24]。
- ^ 昭和23年9月21日政令第296号
- ^ この時点で、一円紙幣よりも高額である額面金額10円・5円の法定通貨では紙幣の製造が既に終了しており、硬貨のみの製造発行となっていた。
- ^ 昭和30年3月16日政令第32号
- ^ 1872年(明治5年)4月から1899年(明治32年)12月31日までは明治通宝、1873年(明治6年)8月20日から1899年(明治32年)12月9日までは国立銀行紙幣、1881年(明治14年)2月から1899年(明治32年)12月31日までは改造紙幣、1885年(明治18年)9月8日から1955年(昭和30年)4月1日までは日本銀行券(日本銀行兌換券、日本銀行兌換銀券)として発行。
出典
- ^ 日本銀行サイト「日本のお金」、日本銀行
- ^ a b 日本銀行金融研究所『日本貨幣年表』日本銀行金融研究所、1994年、99頁。ISBN 9784930909381。
- ^ a b 現在製造している貨幣、造幣局
- ^ 渡部 晶「わが国の通貨制度(幣制)の運用状況について」(pdf)『ファイナンス』第561号、財務省、2012年8月、18-31頁、2021年5月20日閲覧。
- ^ 貨幣Q&A 1円貨のデザインにある木は何の木ですか?、造幣局
- ^ 貨幣のデザイン、造幣局
- ^ 貨幣Q&A 貨幣の表はどちらですか?、造幣局
- ^ 【第2回】(よくある話ですが)1円玉はなぜ水に浮くのか?、協和界面化学
- ^ a b 1円玉 3年連続製造「ゼロ」見通し 電子マネー普及に押され、産経新聞、2013年(平成25年)6月4日
- ^ 「景気対策を目的とした政府貨幣増発の帰結」(PDF)、UFJ総合研究所、2003年5月12日、2022年6月2日閲覧。
- ^ “アルミ指標相場・スクラップ価格推移” (PDF). 日刊市况通信社. 2022年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月2日閲覧。
- ^ 1円玉原価割れも 金属値上がりでおカネづくり一苦労、日本経済新聞、2011年(平成23年)5月26日
- ^ “1セント硬貨は不要? カナダが廃止、米国は存続派が優勢か” (日本語). CNN. (2013年2月5日) 2022年6月2日閲覧。
- ^ 昭和30年代、おつりが足りないときに店から渡された「おつりガム」について知りたい。、レファレンス協同データベース、2021年1月13日。
- ^ ゆうちょ銀行、現金を使った支払いで手数料110円。22年1月から、インプレス、2021年7月2日。
- ^ 硬貨取扱料金の料金シミュレーションも参照。
- ^ 補助貨ヲ無制限ニ公納受領ノ件を参照。
- ^ 「1円玉と5円玉「役割終えている」 国会で論戦 立民の泉政調会長「さい銭多い神社が苦労」」『京都新聞』、2021年2月26日。2022年6月2日閲覧。オリジナルの2022年1月30日時点におけるアーカイブ。
- ^ “1円玉に描かれた「木」が実在しない植物って、ご存知でしたか?”. 週刊現代. 講談社 (2017年4月7日). 2022年6月2日閲覧。
- ^ 「足りない硬貨」朝日新聞、1963年(昭和38年)8月30日朝刊
- ^ a b 一円玉、2年連続製造ゼロ 消費増税で復権なるか、日本経済新聞、2013年(平成25年)3月4日(
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- ^ 造幣局 (2014年2月25日). “年銘別貨幣製造枚数(平成25年)”. 造幣局 2014年3月2日閲覧。
- ^ FNN (2014年2月3日). “消費税増税にともない、4年ぶりとなる一円玉の製造が本格再開”. FNNニュース. 2014年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年3月2日閲覧。
- ^ 造幣局125年史編集委員会編 『造幣局125年史』 造幣局、1997年
- ^ a b 日本銀行金融研究所『日本貨幣年表』日本銀行金融研究所、1994年、96頁。ISBN 9784930909381。
- ^ a b c 日本貨幣カタログ1989年版
- ^ a b c d e f g 日本専門図書出版『カラー版 日本通貨図鑑』
- ^ 日本銀行金融研究所『日本貨幣年表』日本銀行金融研究所、1994年、37頁。ISBN 9784930909381。
- ^ a b c d 郡司勇夫『日本貨幣図鑑』東洋経済新報社、1981年10月、312-316頁。
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